傭兵は夢を視る   作:Mr.J

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描写が難しい……ちゃんと出来ているか不安です。

後、圧倒的文字数が足りないですね……すみません。


傭兵、戦う

「ほらよ。頼まれてた弾薬だ」

「ありがとよ」

「それにしても、ずいぶんと量が増えたな」

「そりゃ筋肉がついたからな。前よりも増えて当たり前だ」

 

 あずみ姐に頼んでいた九鬼特製の弾薬を、一つ一つ確認しながらマガジンへと詰めていく。

 地面に広げているマガジンを眺めるあずみ姐が驚くが、無理もない。あの頃は12程度しかもてなかった武器も、今ではその倍以上に所持することが可能となった。

 

「相手は猟犬だ。気を引き締めていけよ?」

「心配してくれんのか?」

「はぁ?」

「いや、まぁなんでもねぇ」

 

 冗談で応えると、真剣で返す。変わらないなあずみ姐。いや、さらに怖くなった気がする。

 

「さて、行って来ますかね」

「おう、行ってこいや」

 

 

 昼休憩と決闘の二つが重なったためか、グランドに人が集る。その中では博打も行われてもいるが、これはもうある種の娯楽となっており、多くの人だかりが出来上がっている。

 

「それではこれより、決闘を行うネ。両名、名乗りを上げテ」

「マルギッテ=エーベルバッハ」

「新堂武」

「勝負つくまでは何があっても止めなイ。でも、勝負がついたにもかかわらず、攻撃をしようとしたら介入するヨ」

 

 その言葉を両者は頷きで返す。

 

「それでは……勝負始メ!」

 

 ルーの掛け声と共に、グラウンドが沸きあがる。その一方決闘を行う2人は、その場から動くことはなかった。

 本来ならば、ここで茶々を入れる人物が現われるのだが、今回はそのような人物はいなかった。逆に、息を呑む音がそこら辺から聞こえ始める。

 

「……空気が重い」

 

 2人は、生死をかけた戦いをした猛者。今まで見てきた学生同士の戦いの雰囲気と、今の雰囲気はかけ離れているのだ。

 

「どうした、かかってこないのか?」

「勝機もなく貴方に突っ込んでいくほど馬鹿ではありません」

「そうかい」

 

 学生服から迷彩服に着替え、ポケットの中に手を突っ込んでいる武。煽りを入れるが、マルギッテはそれを流す。嘲笑う表情をしている武に怒ることなく、彼女は分析していく。

 

「それじゃあ、パーティといこうか!」

 

 が、それを待つほど武は優しくはない。ポケットからすばやく出した手は、マルギッテに向かって腕を伸ばす。その時、観客はあっけに取られる。

 何故ならば、手を伸ばしている最中に銃が組みあがっていくからだ。

 これが、彼・斉藤武が武器倉庫と異名を持つ理由。いくつ物パーツを体中に仕込んでおり、一瞬で組み立てて戦う。

 銃の構えが完了すると、6インチのマグナムが手にあった。

 先端部にあいた穴がマルギッテを捕らえると、次の瞬間、鼓膜を刺激する音と共にその銃は火を噴く。

 

「その攻撃は当たらないと知りなさい」

「そりゃ、当たると思ってないから……な!」

 

 トリガーを引くと回るシリンダーは、次々と弾を繰り出す。

 その銃弾を、マルギッテは冷静にトンファーで落としていく。

 一方武は、全て撃ち終わったマグナムをマルギッテに向かって投げると、すぐさま銃を組み立てようとした。

 

「そうやすやすと組み立てさせません」

「ったく、めんどくせぇなぁ!」

 

 形勢逆転といわんばかりに、マルギッテは一直線に武へと向かう。迫り来るトンファーを、両手に持ったコンバットナイフで迎撃をする。

 鉄と鉄のぶつかり合う音が、響き渡る。

 小競り合いの結果。

 

「接近戦は此方に分があると知りなさい」

「こういうのは、あずみ姐の分野なんだよな。が、この距離は俺のレンジだ」

「あの一瞬で組み立てるとは……」

 

 勝ったのはマルギッテだった。吹き飛ばされている最中、武は中を組み立てていた。

 小型の短機関銃を持って、走りながら乱射をする。それらはマルギッテに当たるはなかった。

 

「そらよ。スモークだ」

 

 何故なら、行動を制限する攻撃だったからだ。緑色に着色された煙がマルギッテを中心に広がる。

 煙で徐々に見えなくなる視界。そこに向かって、更なる追い討ちをかけるべく、懐から手榴弾を取り出すと、口でピンを一斉に抜き放り込む。

 これまでにない爆音がグラウンドに響き渡り、爆風で煙が消え去る。

 しかしそこにはマルギッテはおらず、武の目の前に迫っていた。

 

 

「ぐぁっ!?」

「戦闘では何時いかなる時も警戒を緩めない。これは基本です」

「それはこっちのセリフだ」

 

 トンファーを食らった武だが、右手で片方のトンファーを掴むと同時に左手に仕込んでいた糸を引っ張った。

 パスンという音と共に、地面に突き刺していた携帯式対戦車擲弾発射器から、殺傷力のきわめて低い小型弾頭が飛んでくる。それを確認した武は、迷彩服に仕込んでいた布を体中に巻きつけた。断熱材を大量に使った、耐熱布だ。

 爆発の熱風が、2人を襲う。それを見た多くのものが武の勝利を確信した。

 しかしその確信と裏腹に、マルギッテはそこに立っていた。

 

「おいおい、あれで倒れないとか何なんだよ」

「やはりこのままでは勝てませんね」

 

 そのマルギッテは、本気を出すべく左にある眼帯に手を伸ばし、取ろうとしたときだった。

 

「その勝負そこまで!」

 

 鉄心が決闘を止めた。

 

「どういうことだ? 学園長」

「説明を求めます」

 

 それに不満があったのだろう。理由を聞く2人。それに鉄心は困った表情を浮かべながら、

 

「お主ら、グラウンドを何かの芸術作品にするつもりか?」

 

 そうやって、辺りを見渡す。そこにはいくつものクレーターが出来上がっており、グラウンドというよりもどこかの戦場跡のようだった。

 

「そりゃ仕方がないな」

「体育などの教養がある以上、仕方のないことですね」

「両者の同意により、この決闘は引き分けとする!」

 

 こうして、決闘の幕を閉じた。学園初である、引き分けと言う形で。




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