後、圧倒的文字数が足りないですね……すみません。
「ほらよ。頼まれてた弾薬だ」
「ありがとよ」
「それにしても、ずいぶんと量が増えたな」
「そりゃ筋肉がついたからな。前よりも増えて当たり前だ」
あずみ姐に頼んでいた九鬼特製の弾薬を、一つ一つ確認しながらマガジンへと詰めていく。
地面に広げているマガジンを眺めるあずみ姐が驚くが、無理もない。あの頃は12程度しかもてなかった武器も、今ではその倍以上に所持することが可能となった。
「相手は猟犬だ。気を引き締めていけよ?」
「心配してくれんのか?」
「はぁ?」
「いや、まぁなんでもねぇ」
冗談で応えると、真剣で返す。変わらないなあずみ姐。いや、さらに怖くなった気がする。
「さて、行って来ますかね」
「おう、行ってこいや」
☆
昼休憩と決闘の二つが重なったためか、グランドに人が集る。その中では博打も行われてもいるが、これはもうある種の娯楽となっており、多くの人だかりが出来上がっている。
「それではこれより、決闘を行うネ。両名、名乗りを上げテ」
「マルギッテ=エーベルバッハ」
「新堂武」
「勝負つくまでは何があっても止めなイ。でも、勝負がついたにもかかわらず、攻撃をしようとしたら介入するヨ」
その言葉を両者は頷きで返す。
「それでは……勝負始メ!」
ルーの掛け声と共に、グラウンドが沸きあがる。その一方決闘を行う2人は、その場から動くことはなかった。
本来ならば、ここで茶々を入れる人物が現われるのだが、今回はそのような人物はいなかった。逆に、息を呑む音がそこら辺から聞こえ始める。
「……空気が重い」
2人は、生死をかけた戦いをした猛者。今まで見てきた学生同士の戦いの雰囲気と、今の雰囲気はかけ離れているのだ。
「どうした、かかってこないのか?」
「勝機もなく貴方に突っ込んでいくほど馬鹿ではありません」
「そうかい」
学生服から迷彩服に着替え、ポケットの中に手を突っ込んでいる武。煽りを入れるが、マルギッテはそれを流す。嘲笑う表情をしている武に怒ることなく、彼女は分析していく。
「それじゃあ、パーティといこうか!」
が、それを待つほど武は優しくはない。ポケットからすばやく出した手は、マルギッテに向かって腕を伸ばす。その時、観客はあっけに取られる。
何故ならば、手を伸ばしている最中に銃が組みあがっていくからだ。
これが、彼・斉藤武が武器倉庫と異名を持つ理由。いくつ物パーツを体中に仕込んでおり、一瞬で組み立てて戦う。
銃の構えが完了すると、6インチのマグナムが手にあった。
先端部にあいた穴がマルギッテを捕らえると、次の瞬間、鼓膜を刺激する音と共にその銃は火を噴く。
「その攻撃は当たらないと知りなさい」
「そりゃ、当たると思ってないから……な!」
トリガーを引くと回るシリンダーは、次々と弾を繰り出す。
その銃弾を、マルギッテは冷静にトンファーで落としていく。
一方武は、全て撃ち終わったマグナムをマルギッテに向かって投げると、すぐさま銃を組み立てようとした。
「そうやすやすと組み立てさせません」
「ったく、めんどくせぇなぁ!」
形勢逆転といわんばかりに、マルギッテは一直線に武へと向かう。迫り来るトンファーを、両手に持ったコンバットナイフで迎撃をする。
鉄と鉄のぶつかり合う音が、響き渡る。
小競り合いの結果。
「接近戦は此方に分があると知りなさい」
「こういうのは、あずみ姐の分野なんだよな。が、この距離は俺のレンジだ」
「あの一瞬で組み立てるとは……」
勝ったのはマルギッテだった。吹き飛ばされている最中、武は中を組み立てていた。
小型の短機関銃を持って、走りながら乱射をする。それらはマルギッテに当たるはなかった。
「そらよ。スモークだ」
何故なら、行動を制限する攻撃だったからだ。緑色に着色された煙がマルギッテを中心に広がる。
煙で徐々に見えなくなる視界。そこに向かって、更なる追い討ちをかけるべく、懐から手榴弾を取り出すと、口でピンを一斉に抜き放り込む。
これまでにない爆音がグラウンドに響き渡り、爆風で煙が消え去る。
しかしそこにはマルギッテはおらず、武の目の前に迫っていた。
「ぐぁっ!?」
「戦闘では何時いかなる時も警戒を緩めない。これは基本です」
「それはこっちのセリフだ」
トンファーを食らった武だが、右手で片方のトンファーを掴むと同時に左手に仕込んでいた糸を引っ張った。
パスンという音と共に、地面に突き刺していた携帯式対戦車擲弾発射器から、殺傷力のきわめて低い小型弾頭が飛んでくる。それを確認した武は、迷彩服に仕込んでいた布を体中に巻きつけた。断熱材を大量に使った、耐熱布だ。
爆発の熱風が、2人を襲う。それを見た多くのものが武の勝利を確信した。
しかしその確信と裏腹に、マルギッテはそこに立っていた。
「おいおい、あれで倒れないとか何なんだよ」
「やはりこのままでは勝てませんね」
そのマルギッテは、本気を出すべく左にある眼帯に手を伸ばし、取ろうとしたときだった。
「その勝負そこまで!」
鉄心が決闘を止めた。
「どういうことだ? 学園長」
「説明を求めます」
それに不満があったのだろう。理由を聞く2人。それに鉄心は困った表情を浮かべながら、
「お主ら、グラウンドを何かの芸術作品にするつもりか?」
そうやって、辺りを見渡す。そこにはいくつものクレーターが出来上がっており、グラウンドというよりもどこかの戦場跡のようだった。
「そりゃ仕方がないな」
「体育などの教養がある以上、仕方のないことですね」
「両者の同意により、この決闘は引き分けとする!」
こうして、決闘の幕を閉じた。学園初である、引き分けと言う形で。
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