俺はその辺で串焼きを買ってアスナの元へ。
「もっちゃもっちゃ……呼んだ?」
「あなた……人が亡くなったのによく喉を物が通るわね…」
「もっちゃ…それもそう、もっちゃもっちゃ……だな」
「そのもっちゃもっちゃと咀嚼をやめなさい!なんかムカつくわ!」
「ゴクッ。ふぅ……あむっ」
「もう一口いくなー!」
「くっちゃくっちゃ」
「そう言う問題じゃないわ!」
相当頭に来てるのか、顔を真っ赤にして怒るも、なんとか息を整えるアスナ。
「で、トリックは分かったのか?」
「分かってたらこんな不機嫌じゃないわよ。とにかく、こんな圏内PKの方法があったんじゃまずいわ。なんとか解決させないと」
「そんなんその辺の軍にでも任せとけよ。俺は嫌だぜめんどくさい」
「そういうわけにも行かないでしょう。いいから手伝いなさい」
「じゃあ団長に給料増やさせろ。それで協力してやる」
「…………ッ!わ、分かったわよ……」
「あむっ…もっちゃもっちゃ……」
「だから食うなー!」
そんなこんなで検証開始。とりあえず、首を吊ってた所に向かうことにした。
「縄で首吊って、胸に一突き、か……」
「アスナ、お前ちょっと首吊ってみろよ」
「は、はぁ!?嫌よ!」
「いいだろ。どーせ圏内だから死ぬわけじゃないし、そのロープだって見た所ただのロープだ」
「で、でも……なんか縁起悪いじゃない!」
「怖いのか?」
挑発するような俺の声音。こいつのイライラポイントは把握してある。トーン、声質、すべてがアスナのカンに触るはずだ。案の定、眉毛がピクッと動く。
「上等じゃない。やってやろうじゃないの」
で、首を吊るアスナ。
「ど、どうよセレナくん!」
「すげー似合ってます」
「それどういう意味!?」
俺は下に降りて、ギャラリーの一部になると、写真を一枚撮った。
「あんた何撮ってんのよ!」
が、無視して俺は太刀を出した。
「じゃ、刺しますねー」
「へ?どういうつもり?」
「これは検証でしょ?だったら試してみないとなんとも言えねぇだろ。大丈夫、HP減ったらちゃんと抜くから」
「わ、わかったわよ……!」
そして、俺は太刀を振るった。と、共にソードスキルを発動。
「死ねェ!副団長ォ!」
「今死ねって言った!?」
シャープネイルが発動し、アスナのお腹に俺の太刀がブッ刺さった。
結局、何も起こらなかった。で、今度は聞き込み。幸いか、野次馬が多いからもしかしたら目撃者がいるかもしれない。
「何方か今の一連のことを見ていたり、被害者の関係者の方はいますかー?」
アスナが声を張り上げるが、誰かが出てくることはない。そりゃそうだ。容疑が掛けられるかもしれないんだから。が、意外にもすぐに手が上がった。その瞬間、俺はそいつにドロップキックした。
「てめっ吐けコラァァァァァッッッ‼︎‼︎‼︎」
俺の両足がその人の顔面に減り込み、その人は後ろにズシャアァァァッッ‼︎‼︎と、音を立てて吹っ飛んだ。そのままそいつの胸ぐらを掴み、ガッゴッ!と殴る。
「ええええええッッ‼︎‼︎な、何してんのセレナくん!?」
後ろでシャウトする副団長に振り返ると、言った。
「あ?刑事モノなんてこんな感じだろ?犯人っぽい奴見付けたらとりあえず拷問すんだよ。犯人なんてこの際誰でもいいだろ。要は捕まえられれば誰でもいいんだよ」
「何とんでもないこと言ってんの!?ていうか刑事というより探偵モノだから!」
で、副団長は俺を引き剥がすと、殴られてた人を抱き上げた。
「ご、ごめんなさい!うちのうんこタレが……」
「あれ?お前今うんこタレって言った?本当に偏差値70の女の子?」
「いえ…圏内なのでダメージないですし…大丈夫です」
そして、アスナは俺をギロッと睨む。
「次やったら給料の話は無しですからね」
そいつぁ困るな。大人しくするしかない。
「あなた、おなまえは?」
と、迷子のガキに名前を尋ねるようにアスナが聞いた。
「あ、あの…わたし、ヨルコっていいます」
「もしかして、さっきの悲鳴もあなたが?」
「は……はい」
アスナの取り調べ。そんな様子を俺は耳をほじくりながら聞いていた。
「その、私…さっき、殺された人と……一緒にいたんです。でも、はぐれちゃって……そしたら……」
「ご臨終です」
「セレナくん本当に黙って」
「あの人……、名前はカインズっていいます。昔、同じギルドにいたことがあって……、今でもたまに、パーティ組んだり、食事したりしてたんですけど……それで今日も、この街までご飯食べに来て……」
「それで逸れて見つけたらあそこで串焼きになってたと」
「いや焼かれてはないわよ」
アスナの突っ込み。
「その時、誰かいなかった?」
「はい……一瞬、なんですが、カインズの後ろに、誰か立っていたような気が……しました……」
俺は抹茶ラテを三つ取り出した。
「ヨルコさん、どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
「副団長も」
「あら、意外と気がきくのね」
「とにかく、ヨルコさん。話は明日聞くから、今日は部屋に戻って。おくっていくから」
「は、はい……」
で、俺たちはヨルコさんを送ると、二人になる。
「で、どうするアスナ」
「とりあえず、さっきの剣の検証ね。あなた、鑑定スキル持ちの知り合いいる?」
「いねぇよ」
「じゃ、わたしの知り合いでいっか。47層にお店出してる子がいるんだけど……」
「俺は先に帰ってていいか。今の時間に寝ないと明日起きれる自信ねぇよ」
「はぁ……まぁいいわ。またね」
「おう」