次の日。
「おいセレナ起きろ。朝だ」
「んみゅうぅ……」
「うっ………」
その可愛らしい声にキリトは頬を染める。が、寝返りを打って下半身が露わになるとさらに真っ赤にするキリト。
「バッ……!お前ぱ、パンツ見えて……!」
「んっ………」
「うわっ……お、お尻が……」
赤面するキリト。パンツが若干下がってて、半ケツ状態なのだ。すると、ようやくセレナが目を覚ました。
「んっ………おはよきりと……」
寝ぼけテイストで挨拶するセレナは、いつもの事だが可愛くてキリトは中々馴れない。だが、それも寝ぼけてる時までの話だ。
「早く朝飯作れ」
「あぁ、やっぱお前全然可愛くねぇわ」
「…………?」
で、約束の74層転移門。そこで二人して待ち惚け。
「眠ぃ〜……」
ふわあぁぁ……と、俺は欠伸した。
「なぁキリト」
「ひ、ひゃあい!」
さっきからキリトはこの調子だ。俺なんかしたっけな……。
「なぁ、お前なんなのさっきから?キモいんだけど」
「い、いや…なんでもない……」
「もしかして、俺が寝てる時に何かしたのか?」
「な、なっなっ何もしてねぇよ!バーカバーカ!」
ウザかったので、鼻の穴に指突っ込んで背負い投げした。
「うおぉっ!鼻もげたぁ!」
「騒ぐなカス」
そのまましばらく待つが来ない。
「なぁキリト、もう帰ろうぜ……」
「じ、じゃあさ……やっぱ二人で行かないか……?」
「っざけんなバーカ死ね」
「お前なんか冷たくね⁉︎」
そりゃ死ねって言いたくもなる。最近、なんかこいつの態度が変わった。なんかヤケに優しいと思ったら変に二人きりを強調するし、かと思ったら急に前までのいつもの態度になる。なんなの?
その時だ。
「退いてぇーーー!」
声が響いた。その瞬間、目の前のキリトにドサッと降ってくる白と赤の陰。
「うおあっ!な、なんだぁ……?」
キリトが間抜けな声を上げる。そっちを俺はただ見下した。アスナの頭が俺の真下にある。
「こうして見ると斬新な土下座に見えなくもないな……」
「な、なんですって……!」
怒ったアスナの声が途中で止まる。
「なんだぁ……これ……?」
キリトが間抜けな声を出し、アスナの胸を揉んでいた。しっかりと6回。
「や、やぁーーーーッッ‼︎‼︎」
バチコーンとビンタが炸裂し、キリトは思いっきり吹っ飛んだ。俺はそのキリトをゴミを見る目で見た。真っ赤な顔で自分の胸を庇うように抱くアスナ。ようやくキリトは自分で揉んだ物の正体が分かったようだ。
「最低だな………」
俺はそう言って唾を地面に吐き捨てた。当然、普段のキリトなら怒って立ち上がるだろう。だが、今回はガックリとうな垂れていた。と、思ったらまるでアスナを追い掛けて来るようにクラディールの登場だ。
「アスナ様」
「お、クラディール。どうしたの」
「セレナ様……アスナ様を捕まえてもらえませんか?実は……」
と、事情説明。だが、
「おい、お前それストーカーの所業だぞ……」
「ふん……総隊長には関係ありません。アスナ様、いいからグランザムまで戻りましょう」
「嫌よ!今日はわたしオフなの!」
このままじゃ話は進まないだろうな……。キリトは「嫌われた……嫌われた……」とかよくわからん呪文唱えてるし……。
「なぁクラディール、今日はいいんじゃねぇのか?」
「はぁ?」
「てか今日はあそこのセクハラ野郎と俺とアスナで仮に行くんだよ。邪魔だから帰れ」
「そういうわけには行きません。いくら副団長に総隊長といえど規律は守っていただかないと……」
「守ってんだろうが。で、アスナはオフだし俺は基本自由だ。だからお前は回れ右した上に首を回れ右に360度でくだばれ」
「貴様ァ……総隊長だからって……!」
「いや総隊長だからこそだろ。いいから帰れよ」
「こっの……いくら私でもそこまで言われて引き返せるか!デュエルしろ!」
「よし、アスナを連れて行け」
「「えぇっ⁉︎」」
アスナとクラディールの声がハモる。
「戦いなるくらいならいいや」
「せ、セレナくんそれはないよ!」
ふう、これで終われる……と、思ったらそうはいかなかった。
「そうじゃない。私は貴様をぶちのめす。いいな⁉︎」
あー……言い過ぎたか……。仕方ない。
「逃げる」
「はぁ?」
俺はアスナとキリトの手を握って転移した。