「あぁもうっ!こんなはずじゃなかったのに!」
リーファは逃げながら声を荒げた。シグルドやレコンと狩りに行ってサラマンダーに見付かり、追い掛け回されてる次第だ。
「今頃、エレナとガールズトークしながらのんびり狩りしてるはずだったのに……」
なんて声を漏らす。と、思ったらレコンが殺られた。仕方ないので森の中に身を潜めることにした。が、サラマンダーは平気な顔して追いかけて来る。
「しつっこいなぁ!もう……!」
とうとう囲まれてしまった。
「そろそろ諦めないか。君に勝ち目はない」
「どーせ負けるなら、一人でも道連れにしてやるわよ!」
と、剣を構えて叫ぶ。その時だった。
「うあああぁぁぁぁッッッ‼︎‼︎‼︎」
間抜けな悲鳴と共に降ってくる一人の少年がいた。黒い髪のスプリガン。ていうかキリトでいいや。キリトがいた。
「着地がミソだなこれは……」
「………何?」
半眼で見る三人。ほっ、と息を吐いて起き上がるとキリトは言った。
「重戦士三人で女の子を囲むのはカッコ悪いなぁ」
「な、なんだと……⁉︎」
と、サラマンダーの一人が声を漏らす。それと共に1人がキリトに斬り掛かった。だが、ものすごいスピードでキリトはそいつを斬り裂いた。さらに、もう一人を斬った。
「で、あんたもやる?」
最後の一人に聞いた。
「いや、遠慮しておくよ。もう少しで魔法スキルが900なんだ」
「正直な人だな。そちらのお姉さんは?」
「あたしもいいよ。次は負けないからね」
「いや、そちらのお姉さんともタイマンでやるのは勘弁して欲しいな」
そのまま、そのサラマンダーは逃げて行った。助かった……と息を吐くリーファ。
「で、そこの。あたしはどうすればいいの?」
「好きにすればいい……と、言いたいところだけど聞きたいことあるんだ。いいかな?」
「なに?」
「この世界のことさ。特に、あの木のことをね」
「世界樹のこと?」
「あぁ。会わなきゃいけない人がいるんだ……」
「ふーん……分かった。立ち話もなんだから街に戻りましょう。アルンまで飛ぶよ」
「え?スイルベーンってところのが近いんじゃないの?」
「君、本当に何も知らないんだね。他の種族の人が他の寮に入ると不利なんだよ色々と」
「ふーん……」
その時、リーファにメッセージが届いた。サクヤからだ。
「あ、ごめん。ちょっと待って」
「おう」
で、リーファはメッセージを開いた。
『逃げろリーファ。奴はお前を』
そこで途切れている。その瞬間、リーファの目付きが変わった。
「ごめん!急用!」
「どうかしたのか?」
「友達が襲われてる!行かなきゃ!」
「俺も行くよ!」
そんなわけで、二人でスイルベーンまで飛んだ。
スイルベーンに入ると、全員がタワーを見上げていて、タワーの一番上では、サクヤとシグルドが十字架に掛けられていた。その2人の前に立つプレイヤーが声を張り上げる。
「たった今、俺はこのスイルベーンの領主と幹部を撃退した。今日からスイルベーンは女帝ーセレナーの配下に収める‼︎」
焦った顔になるリーファと半眼になるキリト。
「これからは今までのような生活が送れると思うな。ここにいる全員が俺の配下だ。1日に1人5個はパフェを上納しろ!我々の目的はただ一つ、シルフ以外の全プレイヤーを抹殺し、世界樹の攻略、そして、天下統一だッ!」
そう声を張り上げる女帝ーセレナー(笑)にキリトは後ろから抱き着き、バックドロップした。
「何してんだお前は!」
「痛ってぇな……って、お前キリトか?」
「キリトか?じゃねぇよ。何してんだお前!」
「何って……俺、こっちの世界で直葉と約束してるんだけど、シルフってことしか分からなかったからとりあえず情報集めようとして……」
「集めようとしてねぇじゃん!野次馬しか集まってねぇじゃん!」
言いながらキリトはシグルドとサクヤを解放した。
「すいません。うちのバカがバカして……」
「ふぅ……いや、助かった。すまんなスプリガン」
「いえいえ」
「ちょっと、何事?」
リーファが少し遅れて飛んで来た。
「あーいやなんでもない。悪いなリーファ。俺の身内……というか居候が。これでも相棒だから」
「ふざけんな。誰が特命係だ。ダークナイトになるぞ」
と、まぁこんな感じで解散。三人はどっかのお店に入った。
「えーっと、リーファだっけ?まずこのバカは俺の相棒でリアルの居候。セレナ」
「居候?キリトくんの家にも居候がいるの?」
「なんだ。リーファも同じか」
「うん。お兄ちゃんが拾って来たんだけどね。女の子なの」
「へぇー。こいつも俺が拾って来たんだ」
「おい、お前ら人をペットみたいに言うんじゃねぇよ。つーかいい加減気づいたら?和人、直葉」
「「えっ」」
そんなわけで、再開した。