エレナはアスナの病院へ向かう。駐車場に到着して、病院の中に入ろうとした時だ。口を手で塞がれ、車の中に引きずり込まれた。
「ッ⁉︎」
「やぁ、セレナくん……いや、セレナちゃんと言うべきかな?」
須郷がいた。
「〜〜〜っ‼︎」
「君が女性であることは分かっていたよ。僕の股間センサーを甘く見ないでもらえるかな……」
「…………ッ!」
「暴れるなよ……暴れると、殺すぞ……」
言いながらナイフを首の近くまで持ってくる。
「………ッ」
「君が先に僕の男の尊厳を汚したんだ。君が女性の尊厳をなくしても文句は言えないよなぁ……」
「〜〜〜〜ッッ‼︎」
「ウルセェ!暴れんな!」
その時だった。車の扉が開いた。
「なっ……⁉︎」
その瞬間、須郷の顔面に竹刀が減り込む。
「エレナ!大丈夫か⁉︎」
「かず……とぉ……」
エレナを確認するや否や、和人はすぐに抱き抱えた。
「危なかった……」
「うぐっ…グスッ……かず、とぉ……」
「もう、大丈夫、だと思う……」
そんなこんなであの後、須郷は警察のお世話になった。連行される直前に俺は須郷のケツに竹刀を突き刺したら、直葉にもうあの竹刀使えないと怒られた。
明日奈も元気そうだったし、まぁうん、めでたしめでたし。
新しく学校も始まる。
ピンポーン、
「スグ、出てくれ」
「はーい」
で、直葉が持ってきたのはでっかい段ボールが二つ分、学校の教材だ。
「って、やっぱり制服あるじゃねぇか……」
「まぁいいだろー。それより制服着てみようぜ」
「ふざけんな。俺は当日まで着ねぇぞ」
「えーあたしもエレナの制服見たい〜」
「黙れおっぱいお化け」
「あんたに言われたくないんですけど⁉︎」
「うーん…じゃああれだ。制服着てくれたらパフェ奢ってやる」
「ちょっと着替えて来るわ」
数分後、
「着たぞー」
「おお!やっぱエレナ可愛いなぁ〜これを男と勘違いしたお兄ちゃんの気がしれないよ……って、お兄ちゃん?」
直葉がからかうような視線を向けるが、和人は顔を赤くしてそっぽを向き、チラチラとこっちを見ている。
「なんだよ童貞。初恋中の男子かお前は」
「は、はぁ⁉︎は、ははは初恋なんて!ぜんっぜんしてないし!何言ってんの⁉︎」
「はぁ?だってお前この前俺のこと……」
『自分の好きな女が死んでいくとこなんて……ゲームでもほっとけるわけないだろ……』
「うっ………」
「お前、自爆してんじゃねーよ。顔真っ赤だぞ」
「お前に言われたくねぇよ!」
「………………」
「………………」
「あ、あたしちょっと用事あるから行くねー!」
直葉がどっか行ってしまった。ここにいるのは俺と和人の二人だけだ。
「……もう、いいかな」
和人がボソッと言った。目を閉じて、決心するように深呼吸する和人。そして、目を開いた。
「エレナ………」
「は、はい……」
「好きだ。俺と、付き合ってくれ……」
「……………いいのか?」
「何が」
「こんな世界で一番女子力低そうな女で」
「いいから告白したんだろ」
「……………」
俺は………笑って言った。
「なら、喜んで」
そんなこんなで、お付き合いすることになりました。