転送された場所は都市。天気は雨。セレナもキリトもただ濡れながらお互いを走って探す。その様子をモニターでシノンは観ていた。
「GGOで剣士同士がぶつかるなんて……バカみたい……」
で、二人は高速道路の上に出た。一直線なのでお互いの姿が見える。そのまま二人は歩く。なんだかんだでキリトとセレナがタイマン張るのは初めてだ。キリトは内心、少しだけわくわくしながらセレナの元へ歩いた。おそらく自分より強いセレナ相手にどう戦うか。頭の中で戦略を描くキリト。すると、目の前のセレナが立ち止まった。
何をするつもりだ?と、思ったらセレナはバズーカを取り出す。
「えっ……?」
ちょっ……待っ……と、キリトが言い終わらない内にセレナはぶっ放した。
「嘘おおおおおおおおっッッ‼︎‼︎‼︎」
絶叫しつつもキリトはバズーカの弾を斬った。
「いやあんたが嘘ぉっ⁉︎」
モニターで見ていたシノンも声を上げる。
爆発に包まれる橋の上、煙のお陰でしばらく見えなくなったが、すぐにその煙は払われる。二人の剣捌きで煙がすぐに去って行ったのだ。
「ウアァァァッッッ‼︎‼︎‼︎」
キリトは吠えて斬りかかる。ヴン、ヴン、ヴォンッとビームサーベル同士がぶつかり合い、火花が上がった。
「ッハァッ!」
「ッッ‼︎」
キリトの攻撃を重心移動だけで躱し、反撃するセレナ。それをガードするキリト。
「グッ……!」
「………ッ」
モニターを見ている観衆から声が上がる。
「あれ?これ銃ゲー、じゃなかった……?」
「てかあの2人強ぇー……」
「スター○ォーズのゲームと間違えてね?」
そんな声ばかりだけど。そんな奴らとは違い、シノンの目は真剣そのものだった。
「つ、強い……これにあの速さが付くっていうの?」
しかも、これまでシノンが戦ってきた相手とは違って二人は剣士、対策の立てようがなかった。
「………」
そんなシノンの気も知らずに試合は続いた。
「はぁっ!」
キリトのホリゾンタル・スクエア(モーションのみ)。それを回避してセレナはバーチカルスクエアを繰り出す。が、キリトはガードする。
「てめっ……!なんでそんなやる気でてんだよ……!」
キリトが聞く。
「だって勝ったらパフェ奢りだろ?」
「何そのルール⁉︎初耳なんだけど!」
「彼氏ならそれくらいの器量あってもいいんじゃねーの?」
「こんの……!彼氏がなんでもすると思うなよ!」
キリトはセレナを押し切って、そのまま斬りかかる。セレナはしゃがんで躱し、キリトの足を払った。
「ッッ⁉︎」
「剣だけが喧嘩だと思うなよ」
転んだキリトに容赦なく突きをぶち込むセレナ。それが見事にキリトの胸を貫いた。
「捉えた」
「こっちもな!」
キリトも剣を構え、セレナを突き刺そうとした。その時だった。
「刺す、の……?俺を……?」
「ぶふっ!」
涙目になり、甘えた声を出すセレナ。それにキリトは動きが止まる。その瞬間、セレナは嫌な笑顔に一発で早変わりする。そのまま刺した剣を思いっきり振り上げ、キリトは消え去った。
勝者:セレナ