本戦が始まった。キリト、セレナ、シノンはそれぞれの場所へ飛ばされた。キリトは森林、シノンは山岳、そしてセレナは………、
「よう」
都市のど真ん中、そこでマスクの男の目の前にいた。ボロマントの男だ。
「死銃、であってるな?」
「………いきなり血盟騎士団総隊長様とご対面、か」
「お前のその銃にゃ、もう撃たせねぇぞ」
セレナはそう吐き捨てると、光剣を出した。だが、死銃は動かず、むしろ笑い声が聞こえる。
「くっくっく……」
「何笑ってんだ。殺すぞ」
「くっはっはっはっ‼︎無理だァ、ザザの野郎には正体晒すなとは言われてたが、我慢出来ねぇ!」
(この声っ………!)
セレナには聞き覚えがあった。そして、死銃は仮面をとった。
「お前はっ………!」
その頃、ALO。
「お兄ちゃんもセレナも中々映らないねー」
リーファが言うと、リズが応じるように言った。
「本当に意外ねぇ。特にセレナのことだから、中継に映ってるのお構い無しでSMプレイやってそうなのに……」
「ママ、SMプレイとはなんですか?」
「リズ、ユイちゃんに変なこと吹き込まないで」
「あははっ、ごめんごめん」
「しかし、キリトまで大人しくしてんのか。まぁ野郎は計算高ぇからな、参加者が減るまで隠れてる気かもな」
リズに続いて、ユイ、アスナ、クラインと言う。
「でも、なんでキリトさんもセレナさんもわざわざコンバートしてまでこの大会に出場したんですかねぇ……」
シリカが疑問を持ったように呟く。
「それがね、なんかおかしなバイト引き受けたみたいなのよ」
「ふうん、バイト、ね。まあ、確かにどんなゲームでもコツ掴むバカとSAOの英雄だけどバカのコンビなら適任だけど……」
「けど、どんなバイトだってんだ?」
「なんかよく分からないんだけど……ザ・シード連結体の現状をリザーチとかなんとか……」
「けどよぉ、それがなんでいきなりpvpの大会出場になるんだ?」
「もしかしたら、大会で優勝して、手っ取り早く大金を稼いで、それを実際に通過還元してみるつもりなんでしょうか……」
「でも、バトルロイヤル形式のpvpの大会なら普通、どっかに隠れたままで上位入賞狙うなんて手は通用しないよね」
「それに、正直お兄ちゃんの性格的にちょっと違和感があります。あのヒトが他人の戦闘サウンドを聴きながら隠れ場所でじっと我慢してられるとは思いません」
「セレナちゃんもだよね。どっかでプレイヤーで10連肉焼きセットやってそうだもんね……」
「…………つまり、大会で活躍するより、もっと大事な目的がある……ってこと……?」
「活躍より大事って………。お、あの人強いねー。やっぱどんなゲームにも強い人はいるもんだなー……あれ?」
モニターでその青い人、ペイルライダーが倒れた。そして、端の方からボロマントが出て来る。
「……ゴースト……?」
と、誰かが声を漏らした。そいつはピストルを一丁取り出してペイルライダーに向ける。その瞬間、ボロマントが体を大きく仰け反った。その瞬間、フレーム外からオレンジ色の光弾が飛来する。
そして、ボロマントはペイルライダーを撃った。その瞬間、ホワイトノイズ的なエフェクトに包まれて消失した。
「な、何…………?」
そして、そのボロマントが言った。
「俺と、この銃の、真の名は、デス・ガン。俺は、いつか、貴様らの前にも、現れる。そして、この銃で、本物の死をもたらす。俺には、その、力がある。忘れるな。まだ、終わっていない。何も、終わって、いない。イッツ・ショウ・タイム」
それだけ言うと、モニターは別の所に行ってしまった。すると、突然ガシャンと音がした。クラインがグラスを落としたのだ。
「う……嘘だろ……あいつ……まさか………」
「クライン、知ってるの⁉︎あいつが誰なのか⁉︎」
アスナが立ち上がって聞く。
「い、いや。昔の名前までは……でも間違いねぇ。野郎はラフコフのメンバーだ」
その瞬間、リーファ以外に戦慄が走る。
「あの…ラフコフって……?」
「ええとね……」
シリカが説明。早い話が殺人ギルドだ。
「わたし、一度落ちて、キリトくんとセレナちゃんの依頼主と連絡とってみる」
アスナが立ち上がった。
「ユイちゃん、私がログアウトしてるあいだにGGO関係の情報をサーチして、さっきのボロマントのプレイヤーに関係するデータがないか調べてくれる?」
「了解です。ママ!」
「じゃあ、みんな、ちょっとだけ待ってて!」
アスナはログアウトした。