俺は都市に向かった。クラディールがここにいるからだ。しばらく歩き続けたが、クラディールは見当たらない。その瞬間、予測線が見えた。
「ッ!」
それを弾く。そして、弾の飛んできた先に見えるビルへ駆け込んだ。そのまま中を探索することしばらく、マシンガンの音がした。柱の後ろに飛び込んでなんとか回避する。
「ヒャハハハッ!やっぱり来やがったな総隊長様ァ!」
この下品な笑い方……やっぱクラディールか。
「久し振りだなクソジジィ」
「はっ!クソガキがいつまでも調子こいてんじゃねぇぞコラ。俺とテメェの本来の上下関係ってもんを教えてやらぁ」
「何も変わってねーよ。ゲームだろうと本来だろうと、俺とテメェの上下関係は桂歌丸と山田たかおのまんまだ」
「ハァ?」
すると、ガガガガッとマシンガンが響く、俺の隠れている柱に一発も漏らさず弾が減り込んだ。どうやら、強くなっているのは本当らしい。
「オイ、ガキが俺に命令してんじゃねぇぞ。いい加減、その舐めた口を閉じねェとマジ蜂の巣にすんぞコラ」
「ハァ…………」
俺はため息をついた。
「はっ、諦めたか?」
「いや、お前じゃ俺には絶対ぇ勝てねぇ。そう思っただけだ」
「おい、話聞いてたのか。それとも言葉を理解する頭がねぇのか」
「足りねぇんだよ」
「あ?」
「Sとしての覚悟も、プライドも、何もかも足りねぇ」
「何言ってんだオマエ。本格的にトチ狂ったか?」
「大人だガキだ、そんなちっせぇことに拘ったサディストがいるかよ。相手が誰だろうと、S行為を全力で働くのがサディストだ」
「あァそォ、じゃあテメェには自分の命の危機って奴を教えてやるよ」
「バーカ、それを教わるのはテメェの方だ」
言いながら俺は刀を抜いた。
「血盟騎士団総隊長として、テメェに最後にご教授してやる。本物の、Sの強さを」
その頃キリトとシノン。
「シノン、最後に一ついいか?」
「何?」
「死銃のトリックについてだ。落ち着いて聞いてくれ」
「…………うん」
そのまま死銃のトリックの説明。えっと、知ってると思うから省きます。
「そんな……じゃあ、すでに…私の部屋に……?」
「そうだと思う。だから、俺とセレナが行くまで絶対に誰にも家に入れるな」
「へ………?来てくれるの……?」
「あぁ。だから家だけ教えてくれ。男の俺が嫌ならセレナにだけでも行かせる」
「……わ、分かった。場所は……」
「…………OK。じゃあ、闇風を頼むぞ」
「任せて」
「………セレナとシノンは大丈夫だと思う。でも、俺の方は勝てる根拠はない」
「え………?」
「SAOの時と違って、奴はかなり強くなってる。いいとこ相討ちになるかもしれない。だから、闇風を倒しても絶対に俺の所には来るな。いいな?」
「……………うん。でも、その事をセレナに言わなくて……」
「あいつの前で、俺の情けない姿なんて晒したくない。大丈夫、シノンは終わらせたらすぐにセレナのところに行くんだ。そうすればまず間違いなく助かる」
「………………分かった」
そのまま二人は別れた。
都市廃墟。ビルの中でセレナとクラディールは戦っていた。
「ヒャハハハハッ‼︎オラオラァッ!逃げてるだけじゃ勝てねーんだよ‼︎」
マシンガンを全部弾くセレナ。だが、クラディールは攻撃の手を休めない。すぐにリロードするなり、マシンガンを乱射する。
その弾を無表情で弾くセレナ。
「ヒャハハハッ!ようは当たりゃいいんだ当たりゃ!テメェに反撃の隙なんか与えねぇぞ!」
「…………気付いてねぇようだな」
「……あ?」
「言ったろ。お前じゃ俺には勝てねぇって。お前、自分のHPが見えてねぇのか」
「なに?」
クラディールは乱射しながら自分のHPを確認。すると、HPゲージが黄色に突入していた。そこで初めて乱射を止めるクラディール。
「なっ……⁉︎ど、どういうことだテメェ!」
「だからテメェはダメなんだ。俺の剣がただ攻撃を弾くだけだといつから錯覚していた……?」
「………どういう意味だ?」
「俺の剣は、テメェの弾丸を跳ね返す。お前が今まで俺を撃っていた弾はすべて、テメェに跳ね返ってんだよ」
「なにっ……!は、ハッタリだ!第一、光剣ではね返せるわけが……!」
「おい、テメッ誰に口聞いてんだコラ」
そこでセレナは言葉を切って鋭い眼光で言い放った。
「俺はテメェの総隊長、そして歌丸のセレナだぞ」
「………!ま、待ってくれ!俺ァ……!」
「命乞いか?安心しな。俺はテメェらと違って本当に殺せる銃を持ってるわけじゃねぇ。テメェにはこれから、死よりも恐ろしい恐怖を見せてやる……」
「………ッ!」
言いながら近付くセレナ。だが、剣をしまい、振り返った。
「……と、思ったが、キリトが待ってる。生憎、テメェなんかに構ってる暇はねぇんだよ。分かったらリタイアしな」
そう言うと、セレナはクラディールに背中を向け、窓から飛び降りた。その瞬間、ニヤッと口を歪ませるクラディール。そして、走って窓からセレナに銃を向けた。
「なァーんてなァ!甘ェーんだよテメェは!………⁉︎」
ガタンッと、足場が崩れた。バランスを崩し、倒れ込むクラディール。
「な、なんだ………⁉︎」
セレナはあくまでビルから離れ、都市廃墟から砂漠に向かって歩く。その後ろで、ズゴゴゴゴッと音がする。
「まさか……野郎ッ!」
「だから言ったろ。本当のSを見せるって」
セレナは、ビルを斬ったのだ。どこぞのロロノアのように。そのまま、クラディールのいたビルは倒壊した。
ちょっとセレナをかっこよくしてみようと思ったのですが、やっぱ私には無理だ。