ベッドの中。俺は何時ものように寝ていた。冬休みに入り、最近は1日の半分以上の時間はベッドの中で過ごしている。そんな俺のベッドにドサッと何かが落ちてきた。
「あ…………?」
「起きてーエレナ」
いたのは直葉だった。
「なんだよ」
「今日暇だよね?」
「おう」
「じゃ、聖剣エクスキャリバー取りに行くから手伝って。それだけ」
はぁ………と、思わずため息が出た。正直、俺は強い武器に興味ない。ある程度のスペックは望むけど、何より俺自身が強くなりたいからだ。どーせ今回も和人が言い出しっぺだろう。
「仕方ねぇな……」
そう呟くと、俺はまた布団に篭った。
リズの店。そこで全員集合している。
「クラインさんは、もうお正月休みですか?」
「おう、昨日っからな。働きたくてもこの時期は荷が入ってこねーからよ。社長のヤロー、年末年始に一週間も休みがあるんだからウチは超ホワイト企業だとか自慢しやがってさ!」
と、語るクライン。すると、キリトに顔を向けた。
「おうキリの字よ、もし今日ウマイことエクスキャリバーが取れたら、今度俺様のために霊刀カグツチ取りに行くの手伝えよ」
「あー…あれ、セレナがもう持ってたぞ」
「えっ………?」
「一人で取りに行ってた」
真っ白な灰になるクラインを捨て置いて、シノンが言った。
「あ、じゃあ私もあれ欲しい。光弓シェキナー」
「き、キャラ作って二週間でもう伝説武器を御所望ですか」
「リズが造ってくれた弓も素敵だけどさ、できればもう少し射程が……」
それに店の奥から反応するリズ。
「あのねぇ、この世界の弓ってのは、せいぜい槍以上、魔法以下の距離で使う武器なんだよ!100m離れたとこから狙おうなんて、普通しないの!」
「欲を言えばその倍の射程は欲しいとこね」
と、弓を見ながら言うシノン。それにキリトが苦笑いしていると、バンっと勢いよく扉が開いた。
「たっだいまー!」
「お待たせー」
声の主は買い物に行っていたリーファとアスナだ。そして、アスナの肩にはユイが座っている。
「買い物ついでにちょっと情報収集してきたんですが、あの空中ダンジョンまで到達できたプレイヤーは存在しないようです、パパ」
「ねぇユイちゃん。お願いだからそのパパとママってやめてくれる?あの人別の彼女いるし、私はいないから」
「そ、そうだぞユイ。てか下手なことしたら俺とアスナ、セレナに殺され……」
「駄目、ですか……パパとママは……」
「「うっ………」」
涙目になられて少し戸惑う二人。で、アイコンタクトで軽く会話すると、ユイに言った。
「ご、ごめんなユイ!別に悪くなかった!」
「そ、そうだよ。ほらママだよーユイちゃん!」
「! は、はい!パパ、ママ!」
なんてやってる一幕は置いといて、リーファが言った。
「そういえば、セレナは?」
「あ、そういえばいませんね」
シリカも声を出す。すると、シノンが店の奥を指差した。そこでは、セレナが金属バットを抱き枕にして寝ていた。
「また寝てんのかよ……」
「王子様のキスで起こしてあげたらー?」
「こんな人のいる所でキス出来るか!」
リズに茶化され、言い返すキリト。そして、普通に体を揺さぶるキリト。
「おーい起きろー。いくぞー」
「んっ…………」
ボヤーッとする視界の中、セレナは目覚めた。で、プルプルと震えた手をキリトに向ける。
「起こしてー……」
「はぁ⁉︎」
「おーおー、暑いねぇー」
「そのまま押し倒せよキリの字!」
「黙ってろ!…………はぁ」
ため息をついてキリトは手を握って引っ張り上げた。のそ〜っと、起き上がるセレナ。そのままキリトに寄り掛かる。
「自分で立てよ」
「やー……」
それに呆れつつもキリトは正面から支える。が、その瞬間、セレナは覚醒し、キリトに大外刈りを決め込んだ。そして、「ん〜……っ」と、伸びをする。
「いやーよく寝た。じゃ、行こうぜ」
「キリトさんも大変ですねぇ……」
「本当ね」
そんなわけで、エクスキャリバー編スタート。