その後も攻略は進み、キリト達は下の段へと下る。途中でセレナがサボってカップ麺食ってはキリトが突っ込んだり、モンスターのケツの穴に刀を何回も刺して怒られたりしてたが、順調といえば順調だった。で、その途中、
「お願い……。私を……ここから、出して……」
檻の中の女性がそんな事を言っていた。
「罠だ」
「罠よ」
「罠だね」
キリト、シノン、リズと続いた。
「お、おう……罠、だよな。……罠、かな?」
「まぁ、罠かどうかなんてこうすれば分かることだ」
セレナが前に出て、金属バットを取り出す。それを檻の間に入れて、女性の鼻の穴を抉った。
「お願い……出しっふごごご!ちょっ……何⁉︎なんなの⁉︎てか何してんの⁉︎」
「おいコラ、出して欲しけりゃ『私はあなたの忠実なペットです。必ず逆らわないので哀れな豚をここから出してくださいご主人様』って五百回復唱しろ」
「アホかお前は!NPCだぞあれは!いいから行くぞ!」
セレナの襟をキリトが掴んで引き摺る。だが、クラインだけが残る。
「……罠だよな。罠だ。分かってる。でも、罠でもよ。罠だとわかっててもよ……それでもオリャぁ……どうしてもあの人を置いていけねェんだよ!たとえ……たとえそれで……クエが失敗して……アルンが崩壊しちまっても……それでもここで助けるのが、それが、俺の生き様、武士道ってヤツなんだよォ!」
そのままクラインは檻をぶっ壊す。そして、優しく手を差し出した。
「……ありがとう、妖精の剣士様」
「立てるかい?怪我ァねぇか?」
「えぇ……、大丈夫です」
そのまま、なんやかんやで仲間になるフレイヤ。そして、キリトが言った。
「ダンジョンの構造からして、あの階段を下りたら多分すぐラスボスの部屋だ。今までのボスより更に強いだろうけど、後はもう小細工抜きでぶつかってみるしかない。序盤は、攻撃パターンをつかめるまで防御主体、反撃のタイミングは指示する。ボスのゲージが黄色くなるとこと赤くなるとこでパターン変わるだろうから注意してくれ」
それにセレナ以外の全員が頷く。セレナはハナクソをほじっていたが、視線だけはキリトに向けている。それは、OKの証拠だ。
「ラストバトル、全開でぶっ飛ばそうぜ!」
『おー!』
そのまま、ボス部屋に突入した。しばらく歩き、部屋の奥に向かう。すると、黄金、金貨や装飾品、剣、鎧、盾、彫像から家具までの黄金製オブジェクトが置いてあった。
「…………………総額何ユルドだろ……」
呟くリズ。だが、そのリズは声を上げる。
「あー!セレナ何持って帰ろうとしてんのよ!」
「だってストレージほとんど入ってねーもん。俺はダメージ喰らわないし、喰らってもあの鬼ババァいるから平気だし」
「宣言します。私はもう二度とセレナちゃんを回復しません」
「嘘っ⁉︎」
「いいからあんたそれ捨てなさいよ!あたしだって我慢してんのに……」
「うるせーバーカ。取ったもん勝ちだ!」
なんてギャーギャー騒いでると、声がした。
「………小虫が飛んでおる」
それにとりあえず全員止まる。
「ぶんぶん煩わしい羽音が聞こえるぞ。どれ、悪さをする前に、ひとつ潰してくれようか」
そのままズシンズシンと近付いてくる巨大なオッさん。それを全員が見上げる。
「ふっ、ふっ……アルヴヘイムの羽虫どもが、ウルズに唆されてこんな所まで潜………」
言いかけた所で、オッさんの鼻の穴に金属バットが刺さった。言うまでもなくセレナの仕業だ。全員が半眼になる。
「んなっ……!き、貴様!人が話してる途中で……」
「いや話なげーよ。どーせ俺たちがなんて答えても結果は同じだろ?どーせ殴り合うんだろ?だったらいいだろ別に」
「お前どっちかっつーと性格的に儂の部下にしたいわ」
で、咳払いをするオッさん。すると、フレイヤに目を向けた。
「ほうほう、そこにおるのはフレイヤ殿ではないか。檻から出てきたということは儂の花嫁となる決心がついたのかな、ンン?」
「は、花嫁ダァ⁉︎」
「そうとも。その娘は我が嫁としてこの城に輿入れしたのよ。だが、宴の前の晩に、儂の宝物庫をかぎ回ろうとしたのでな。仕置きに氷の獄へ繋いでおいたのだ。ふっ、ふっ」
「なにそれ。どんなSMプレイ?つーかお前結婚するってことは子供とか作ゆだろ?お前のその股間のビッグマグナムがあの小さな穴に入ると思ってんの?」
「パパ?ビッグマグナムと小さな穴とはなんですか?」
ユイが興味を持った瞬間、キリトとアスナはセレナにストンピングを喰らわせるが話は進む。
「おうおう、ぶんぶんと羽音が聞こえるわい。どぅーれ、ヨツンヘイム全土が儂の物となる前祝いにまずは貴様らから平らげて見せようぞ」
「パパ!来ます!」
その瞬間、全員が身構えた。そして、最後の戦いが始まった。いやスリュムヘイムのね。