「うおぉっ⁉︎」
クラインがオッさんの攻撃を回避し、転がる。只今、ラスボスに絶賛苦戦中である。
「パターン変わるぞ!注意!」
キリトが声を張り上げる。だが、その瞬間、オッさんの口から広範囲に膨らむダイヤモンドダストが放たれた。
「綺麗なゲロだなー」
「黙れセレナ!」
その瞬間、キリト、リーファ、クライン、リズ、シリカが青い氷の彫像と化す。ちなみにセレナは少し後ろの方でちょうどノックの遠距離攻撃をしていたため、その攻撃を逃れた。
「ぬうぅぅーんっ‼︎」
その瞬間、オッさんが足を大きく振り上げた。それに見事に踏み潰され、五人は大きくダメージを受けた。それを回復させるアスナだが、さらにオッさんは追撃しようとする。そのオッさんの顔面に赤々と燃え上がる火矢が突き刺さり、盛大に爆発した。弓のソードスキル、エクスプロードアローだ。
「むっ⁉︎」
シノンのロングスナイプである。シノンにオッさんがロックオンを変え、走り込んで突っ込むが、その前にセレナが今度は刀を持って立ち塞がった。
「うーっす、クソジジィ」
オッさんの拳とソードスキル、ヴォーパルストライクがぶつかり合う。
「シノン、セレナ!30秒頼む!」
キリトは叫びながら回復ポーションを飲んだ。セレナとシノンはしばらく囮役である。
「オラァッ‼︎」
セレナは鞭を取り出して、オッさんに向かった。オッさんのベルトに鞭を巻き付け、ターザンしながら股間の下をターザンしながら通ると、後ろを取りつつ空中に舞い上がった。そこから刀を取り出し、ソードスキルを首に叩き込んだ。
「貴様ァッ‼︎」
空中に舞い上がり、無防備になったセレナに殴り掛かるオッさん。そのオッさんにシノンは弓を放った。
「グオォッ‼︎」
いい感じに囮役を果たす2人。その2人を見てキリトは再び攻撃しようとしたが、声がかかった。
「剣士様」
フレイヤだった。
「このままでは、スリュムを倒すことは叶いません。望みはただ一つ、この部屋のどこかに埋もれているはずの、我が一族の秘宝だけです。あれを取り戻せば、私の真の力もまた蘇り、スリュムを退けられましょう」
「…………解った。宝物ってどんなのだ?」
「このくらいの大きさの、黄金の金槌です」
「………は?か、カナヅチ?」
「金槌です」
同じ事を二回言われるキリト。だが、
「しまっ……!」
シノンがオッさんに追い詰められ、それをお姫様抱っこしながら助ける自分より男前なセレナが目に入った。
「クライン、リーファ!先に援護に行ってくれ!後で合流する!」
「おうともさ!」
言われるがまま、クラインとリーファは二人と援護へ。だが、
「いや、いい」
セレナが言った。
「そんな黄金の山の中から金槌探すのにキリト一人じゃ永遠にかかんだろ。俺がこいつなんとかするから、全員で探せ」
とても普段の腹立つセレナからは想像できない台詞だが、不思議の頼りになったので全員は頷いて山を漁る。だが、何分探しても見つからない。
「ありませんねぇ〜……」
「クッソ……本当にこの中にあんのかよ……」
シリカ、クラインがボヤきながら座り込んだ。確かに、とキリトも思い込む。その時だった。
「ねぇ、そういえばなんだけどさ……」
リズが思い出したように言った。
「セレナ、さっきいくつかこの中の奴盗ってなかった?」
『あっ……………』
全員が全員、声を漏らす。そのセレナはオッさんと戦闘中、というよりほとんど鬼ごっこ状態になっていた。
「おーいセレナ!お前さっき……」
「何⁉︎聞こえない!」
「だぁかぁらぁっ!さっき黄金のアイテムを……!」
「黄金のカルテット⁉︎ジーコ達がどうしたって⁉︎」
「サッカーの話じゃねぇよ!だから黄金の……!」
「オクラホマミキサー⁉︎」
「言ってねぇよ!てかわざとだろお前!」
仕方ないのでクライン、リーファ、シリカ、シノンがオッさんの元へ突っ込み、リズがセレナを無理矢理連れてきた。
「なんだよ」
「お前、さっきこの山からいくつかアイテム取ってたよな。アレの中に金槌とかハンマーなかったか?」
「ない」
「いやせめて見ろよ」
言われてストレージの中を覗く。
「あったよ」
「やっぱりかいぃぃぃぃッッ‼︎‼︎」
で、取り出させる。
「はい、フレイヤさん」
「ありがとうございます」
で、手渡した瞬間、小刻みに震えるフレイヤ。と、思ったらフレイヤの低い囁き。
「……………ぎる……………」
ぱりっと空中に細いスパークが瞬く。
「……なぎる……みなぎるぞ………」
そして、目がカッ!と見開き、髪の毛が逆立った。
「みな……ぎるぅぅぉぉおおオオオオオオッ‼︎‼︎」
その瞬間、白いドレスが粉々に引きちぎられ、消滅した。クラインとキリトはその一糸まとわぬ姿に目を向くが、キリトはセレナにケツバットされる。だが、そのフレイヤはそのままマッチョになり、巨大化していった。気が付けばヒケが生える。
「オッ……」
「サンじゃんッ!」
キリトとクラインが言った。そのままオッさん(part2)はトールと名乗り、ドラゴンボール並みのオーラを放ちながらスリュムを睨んでいた。