トールがタゲを取ってくれてる間にラスボスをソードスキルで袋叩きにし、キリト達は勝利した。
「………………やれやれ、礼を言うぞ、妖精の剣士たちよ。これで余も、宝を奪われた恥辱を注ぐことができた。どれ、褒美をやらねばな」
すると、トールは黄金ハンマーをクラインにひょいっと投げ落とした。
「雷槌ミョルニル、正しき戦のために使うが良い。では、さらばだ」
そのままトールは去っていった。
「………………ふう……」
小さくキリトが息を吐くと、クラインの横に行った。
「伝説武器ゲット、おめでとう」
「オレ、ハンター系スキルびたいち上げてねぇし」
「いらないなら俺にくれよ。ケツバット、それ絶対痛そうじゃん」
「おーい、セレナにだけは渡すな。リズにあげれば喜ぶぞきっと。あーでも溶かしてインゴットにしかねないな」
「ちょお!いくらあたしでもそんな勿体無いことしなきわよ!」
なんで話してたときだった。体の芯まで揺さぶるような重低音が大ボリュームで響き、同時に氷の床が激しく震え、波打った。
「きゃああっ!」
三角耳を伏せてシリカが悲鳴をあげる。その隣でシノンも言った。
「う、動いてる⁉︎いえ、浮いて……」
「よっと」
セレナがシノンの尻尾を握った。
「ちょっと!こんな時になにしてんのよあんた!」
それは置いといて、リーファが言った。
「お兄ちゃん!クエスト、まだ続いてる‼︎」
「パパ、玉座の後ろに下り階段が生成されています!」
ユイのその声と共に全員がその階段へガンダッシュ。そのまま下ると、ようやく到着した。エクスキャリバーが突き刺さっている所に。すると、キリトがその柄を握った。だが、その手にセレナが手を重ねる。
「手伝ってくれるの……」
「こいつぁ、俺のもんだ」
「…………だと思ったよ。でもこれは俺のもんだ」
「は?」
「あ?」
そのまま睨み合い、二人はお互いの武器に手を掛ける。が、その頭をパカンッとアスナが叩いた。
「馬鹿やってないでさっさとジャンケンなりなんなりしなさい!」
で、キリトが抜く事になった。柄を握り締め、ふんっと引っ張る。瞬間、セレナが浣腸した。
「ウッ」
今度は女子全員に殴られるセレナ。そのままキリトは引っ張る。
「ふんぐっ……ぬおぉ……」
「がんばれキリトくん!」
「ほら、もうちょっと!」
「根性見せて!」
「パパ、頑張って!」
「いやお前ら手伝ってやれよ」
と、声援が飛んだ。そして、ようやく引き抜いた。だが、その瞬間、周囲の壁に亀裂が走る。
「おわっ……こ……壊れっ……!」
クラインが叫ぶ。
「………!スリュムヘイム全体が崩壊します!パパ、脱出を!」
だが、根っこは分離し、螺旋階段は上に上がってしまう。
「ちょっと世界樹ぅ!そりゃあんまり薄情ってもんじゃないの!」
「よ、よおォし……こうなりゃクライン様のオリンピック級垂直ハイジャンプを見せるっきゃねぇな!」
で、見事に掴まるクライン。だが、
「させるかぁっ!」
それを更にしたからセレナがクラインの足にセレナが飛び付いた。
「おわっ!バッ……落ちる!ていうか足に柔らかい感覚が……」
「テメェだけ逃げようなんてそうはさせねぇぞ!」
で、そのまま引き摺り下ろし、2人揃って落下。その衝撃でさらに落下する。
「く、クラインさんの、バカァーッ!」
「なんで俺だけぇぇェッッ‼︎」
シリカの叫びに突っ込みつつも全員が自由落下に突入した。
「……あの下ってどうなってるの」
シノンが呟いた。それにキリトが答える。
「も、もし、もしかしたら、ウルズさんが言ってた、に、に、ニブルヘイムに通じてるのかもな!」
「寒くないといいなぁ……」
「い、い、いやぁ、檄寒いと思うよ!なんたって、しし霜巨人の故郷なんだから!」
「助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい助かりたい………」
「セレナ⁉︎あ、諦めんなよ!な、何とかなるって!」
「なんとかってなんだよ。無責任な事を言って安心させようとするなよ。それがこの世で一番辛いぬか喜びに繋がるんだから。いや、一番辛いのは最後まで希望を持って死ぬとだよな」
「ウッゼェーよこいつ!」
その時だった。
「……………何か聞こえた」
「お迎えの声だな」
「いや違くて……」
リーファが言った。すると、くおおぉぉーー……んと、何かの泣き声が聞こえた。
「……………トンキーーー!」
リーファが叫んだ。そして、全力で手を振る。
「こ、こっちこっちー!」
リズもアスナも手を振った。そして、クラインが親指を立てる。
「へへっ……おりゃ、最初っから信じてたぜ……あいつが絶対助けに来てくれるってよォ……」
「まったくだな。言葉では通じない絆が俺達には繋がってんだよ」
「お前ら黙ってろ」
で、全員がトンキーの上に飛んだ。だが、キリトだけ飛ばない。いや、飛べないのだ。エクスキャリバーが重過ぎる。
「キリトくん!」
「キリト!」
アスナとリズが声を上げた。
「ったく、カーディナルって奴は!」
言いながらキリトはエクスキャリバーを捨てた。そして、キリトはこっちに飛んだ。で、後ろめたそうに剣の落ちた方を見るキリト。そのキリトの肩にセレナが手を置いた。
「もぉーったぁいなぁーい」
「ごめん本当にやめて」
さらに心を抉られ、項垂れるキリト。その前にシノンが立った。
「200mか」
すると、スペルを詠唱。矢を白い光が包む。そして、ヒュッと矢を放った。その矢が吸い込まれるようにエクスキャリバーに向かう。そして、キィィンとエクスキャリバーを弾いた。そして、エクスキャリバーはシノンの手元に帰ってくる。
「うわ、重……」
呟きながら両手でそれを保持し、くるりと振り向いたケットシー様に。
『し……し……し……シノンさん!マジかっけぇーーーー!』
全員が声を揃えた。セレナまでもが。
「はい、あげる」
「あ、ありがとうございます……」
なぜか少し引き気味にお礼を言うキリトだった。