少し戻ってクリスマスの前の日。俺達はダイシーカフェで集まっていた。
「じゃ、クリスマスイベントに参加出来る人ー」
和人が言うと、俺、明日奈、直葉、里香、珪子、詩乃、エギルは手を挙げた。はい、決定。
「しかし、貴重なクリスマスにエレナと和人はゲームなんてやってていいの?」
里香が唐突に聞いてきた。
「どういう意味だよ」
「だから、二人きりでデートとかしなくていいのって」
「いいよ別に。寒い中外に出たくねーし」
俺の台詞になぜかガッカリする和人。
「そういえば皆さんはいつまでサンタさん信じてました?」
珪子が意味不明な事を聞く。
「あたしは中学に上がる頃かなー」
「意外と里香は遅かったんだねー。私は小学校の三年生で気付いてたよー。直葉ちゃんは?」
「うーん……いつでしたっけ……兄にバラされた気が……」
「ち、ちょっと待った!俺はそんな意地悪しないぞ!」
「最低ね」
「そういうシノンは生まれた頃から信じてなさそうだよな」
「どういう意味よ。それを言ったらあんたの嫁もそうなんじゃない?」
「あー確かにな。エレナは?いつまで信じてた?」
「は?いやお前ら何言ってんの?」
俺はキョトンと答えた。こいつらが何を言ってるのか分からない。
「やっぱ物心付くまでは……」
「サンタはいるよ?何言ってんの?」
『えっ…………?』
全員が驚いたような声を出す。なんだ?何か変なこと言った?
「俺の所には一回も来たことないけどな。まぁ良い子にしてなかったからだろうけど……」
思わず俺はシュンッとしてしまった。
「あ、あの…エレナ、さん……?」
「なんだよ」
珪子が狼狽えたように聞いてきた。
「あの、本気で今言ってます……?」
「俺はいつだって本気だ」
「どの口が言うか⁉︎」
和人に突っ込まれる。
「じ、冗談よね……エレナ、ちゃん」
「いやだから何が?え、てか逆にお前サンタさんいないとか思ってんの?頭沸いてんの?」
それにイラっとしたのか、明日奈の口角が引き攣る。
「ま、去年はもらえたけどな。起きたら枕元にプレゼントが置いてあった」
(お母さんが置いたんだよ!)
「6000人救ったからな。そりゃもらえるだろ。今年も死銃つかまえたり、明日奈助けたりしたから期待してるんだよね」
『……………』
なぜか黙り込まれてしまった。その静寂を和人の「グスッ」が遮った。
「お、おい。何泣いてんだよ和人」
「や、悪い……。グスッ、ちょっと、痛くてね……」
「? 何が?」
「純粋さというか…なんつーのかな……心がね……」
「お兄ちゃん!ダメだよ泣いちゃ。ちゃんと心を強く持って」
「あぁ。気持ちは分かる。が、堪えるんだ」
直葉、エギルと和人を慰める。
「………おい、お前らなんかバカにしてんのか?」
「そりゃそうですよ〜サンタさんなんていな…ムグッ」
珪子の口を塞ぐ里香。
「そ、そんなこと無いわよ……あはっあははっ……」
なんだこいつら。
「まぁいいや。そのクリスマスイベントは明日だったな。俺、先に帰ってるから」
それだけ言って俺は出て行った。