そんなわけで、一同は出発した。会議の途中、急にアスナが消えたりしたが、まぁなんやかんやで出発。ノーダメージで進むスリーピングナイツとセレナを後ろから見ながらアスナは呟いた。
「なんか、私本当に必要だったのかなあ……」
その時だった。
「ユウキ、あぶなーい(超棒読み)」
敵の攻撃を避けようとするユウキを後ろからセレナはドライバーでフルスウィングした。見事に股間に入り、空中にスペースシャトルのごとくユウキは舞い上がった。
「んあっ⁉︎」
ギュンッ!と音を立ててすっ飛んだ。で、空中で半回転し、グシャアァッ‼︎と音を立てて落下。
「な、何すんだよ!」
「いや、助けようと思って」
「嘘だ!確実に僕を殺しに来てただろ!」
「自意識過剰な奴だな。そんなんじゃノイローゼんなるぞ」
「や、やかましい!」
「大体、『あぶねぇっ!』って言って助けたろちゃんと」
「だったらもっとテンション上げて言……」
「あーあーもういい。テンションのダメ出しはだいぶ前にキリトにされたから」
「なにその態度⁉︎人の事ぶっ飛ばしといてどこまで太々しいの⁉︎ていうか、コボルトよりセレナの攻撃のがHP減ってるから‼︎」
「はいはい、もう分かったからさっさといこーねー」
「〜〜〜ッッ‼︎ムカついた!」
で、斬りかかるユウキと応戦するセレナをアスナは眺めながらため息をついた。
「………やっぱ必要みたいね」
その後、ゴチンッ☆の音が二つ響いた。
「あなた達バカなの⁉︎ボス部屋に来るまでに揃えた回復ポーション半分も使うバカがどこにいますか⁉︎」
アスナが腰に手を当て、その怒られてるバカ2人は正座している。ボス部屋の前で。
「「だってこいつが!」」
「言い訳しないっ!」
鬼どころか鬼神、かの有名な金剛力士像の表情で怒鳴り散らすアスナだった。二人は肩を落とすが、セレナがユウキの足をつーっとなぞった。すると、ユウキはセレナの膝を爪でぞわ〜…っとなぞった。
「「うがあああっ!」」
「だからいい加減にしなさい!」
だが、アスナが言ったところで二人の殴り合いは止まらなかった。アスナは隣のシウネーに言った。
「ごめんなさいシウネーさん。うちのバカが……」
「いいんですよ。喧嘩してるユウキのあんな楽しそうな顔、私は初めて見ましたから」
「そうなんですか?」
「ええ」
言われてアスナは二人を見た。すると、確かに喧嘩しながらもユウキは楽しそうな顔をしている。いや、ユウキだけじゃなく、セレナもだ。キリトと喧嘩してる時にしか見せない顔をしていた。いや基本的には無表情なんだけど。
「でも、そろそろ止めないと二人とも死んじゃうかも……」
シウネーに言われてハッとするアスナ。気が付けば周りのタルケンやジュンは完全に煽っていた。
「コラ!煽るな!それとバカリーダーとバカ女帝!あんたらもいい加減にしなさい!」
結局、二人はポーションを使い果たした。
「いい?作戦の概要を確認するからね」
ボス部屋の前。アスナがまとめるように言った。ちなみに喧嘩しないようにセレナとユウキは両手両足を縛られている。
「ユウキ、ジュン、テッチ、セレナちゃんが近接前衛だけど、まずはジュンとテッチがさらにその前に出て。セレナちゃんとユウキはあくまでその後だからね」
言われて四人は頷いた。
「その後にタルケンとノリが中距離型、で、私とシウネーは後方援護型をやるから」
それに「はーい!」と返事をするタルケンとノリだった。
「いい?特にセレナちゃん、人数少ないんだからくれぐれも勝手な真似しないように!」
「わーってるよ。水色ババァ」
「ならよし」
その程度の暴言でアスナは一々、腹を立てない。で、最後に「行くよ?」と聞くと、ボス部屋に入った。中にいるのは巨大な頭二つある巨人。それに一瞬怯んだが、作戦通りジュンとテッチが突撃しようとした時だ。
セレナがまったく作戦を無視してボスに斬りかかった。
「ええええっ‼︎あんた話聞いてた⁉︎」
ノリの声を無視してセレナは言った。
「作戦なんて知るかぁーッ‼︎ファーストアタックだけは誰にもゆずらねぇッ‼︎」
「あー‼︎ズルいセレナ!」
続いてユウキも走り出す。アスナは大きくため息をついた。二人はそのままサッカーのように二人は競り合いながらボスに殴り掛かる。だが、お互い鬱陶しくなったのか、剣を抜いた。そして、剣と剣がぶつかり合う。
「オイィィィィッッッ‼︎‼︎‼︎ボスの目の前で仲間割れとか何考えてんだあんたら⁉︎」
ジュンがシャウトするが二人は無視。
「知るかァァァッッ‼︎」
「ファーストアタックは僕の物だ!少なくともセレナにだけは譲らないっ‼︎」
そのままギィンギィンッ‼︎とぶつかり合う二人の剣。そして、お互いにソードスキルを発動しようとした瞬間、二人の上に影。
「「ん?」」
そのままデッカいハンマーが降ってきた。