ようやく丘まで到着。
「これで……ピナを生き返らせられるんですね……」
「ああ。心アイテムに、その中に溜まっている雫を振り掛ければいい。だがここは強いモンスターが多いから、街に帰ってからのほうがいいだろうな。もうちょっと我慢して、急いで戻ろう」
「はい!」
で、二人は丘から引き返そうとする。
「あれ?セレナさんは?」
シリカに言われ、キョロキョロするキリト。よく見ると、モンスター相手に太刀で戦っていた。と、いうよりただ袋叩きにしていた。その時、着ていた服が若干捲れ、セレナのヘソが見えた。若干、ドキッとするキリト。
「? どうしましたキリトさん?」
「な、なんでもない!」
プイッと顔を赤くして背けるキリト。そんなキリトを怪訝に思いつつも、シリカはご機嫌にセレナの元へ。
「セレナさん。ありがとうございます」
「何が」
「手伝ってくれた事ですよ。なんだかんだで一番敵倒してくれてたじゃないですか」
「何言ってんだ。敵を殺した時のあの断末魔が気持ち良いからに決まってんだろ」
「えっ……」
少し引くシリカ。そんなセレナの頭をぽかんと殴るキリト。
「やめろ。シリカにそういうの教えんな」
「ロリコンかお前」
「ちげーよ!」
「…………」
「……な、なんだよ」
「お前なんかあったか?てかどうかしたか?」
「な、何が」
「いやさっきのツッコミがやけに優しかったから。いつもなら蹴り入れてくるだろ」
「そ、そんなことない!」
「………………」
無表情のセレナとタラタラ汗を流すキリト。
「二人とも、戻りましょうよー!」
シリカの声でとりあえず二人は解放された。で、帰宅中。キリトは橋の前で立ち止まると声を掛けた。
「そこで隠れてるやつ、出て来いよ」
その声に反応して、昨日の夜に俺が見張っていた10人が出てくる。そして、最後に出て来たのはロザリア。
「ろ、ロザリアさん……!?なんでこんなところに……」
「あたしのハイディングを見破るなんて、なかなか高い索敵スキルね、剣士サン。あなどってたかしら?」
そして、シリカに視線を向ける。
「その様子だと、首尾よくプネウマの花をゲットできたみたいね。おめでと、シリカちゃん。じゃ、さっそくその花を渡してちょうだい」
「………!?な、何を言ってるの……」
と、シリカが言いかけた所でセレナの跳び蹴りがロザリアの顔面に減り込む。ズシャアァァァッッと音を立てて後ろに飛ばされるロザリア。全員がブフッと吹き出す。
「あの…何あんた。今会話の途中だったの分からない?」
「うるせーよ。どーせ戦うんだろうが。だったらつべこべ言わずにこの方が早ぇーだろ。さっさと大人しく引っ込めよ。牢獄に飛んでくれよ」
「ええええっ!?」
「ぶっちゃけると、俺とキリトは攻略組のトップだ。お前らに勝ち目はない」
と、言ったセレナに後ろからソードスキルが命中した。オレンジカーソルの男が斬ったのだ。セレナのHPが1mmほど減る。だが、自動回復。
「おい、今のがまさか最大攻撃なんて言わねぇよな。俺たち殺してぇならその100倍は持ってこいよ」
「なにっ……」
そして、セレナの拳がそいつのボディーに刺さる。
「後ろだ!後ろの男を狙え!」
全員がキリトに斬り掛かるが、武器破壊されてしまう。
「やめろ。お前たちじゃ俺には勝てない。タイタンズハンド」
そう言うと、キリトは転移結晶を取り出した。
「俺達はお前らを捕縛するために来た。全員、この転移結晶で牢獄に飛んでもらう!」
「クッ!」
ロザリアは転移結晶を取り出した。が、その手をセレナは蹴り飛ばし、転移結晶を弾いた。
「動くな。殺すぞ」
その冷たい視線からは殺意の波動が放たれていた。こうして、タイタンズハンドは壊滅した。