もし、俺がリンクスタートしたら   作:単品っすね

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紺野木綿季

 

 

 

 

「聞いてるのセレナちゃん⁉︎」

 

アインクラッドのキリトホーム。そこでアスナはハナクソをほじりながら煎餅を齧ってるセレナに腹を立てていた。

 

「アスナ、落ち着け」

 

キリトが何とか落ち着いた口調で返した。だが、アスナは無視してセレナに怒鳴る。

 

「もうユウキと2日も会ってないんだよ⁉︎心配じゃないの⁉︎」

 

「別に。この前の打ち上げでもう俺とあいつの縁は切れただろ。お前は何に興奮してんだよ」

 

「そんな事ない!だってもう戦友でしょ⁉︎」

 

「だからその戦はもう終わってんだろ。つまり、もう友達じゃない」

 

「そんな言い方……!もういい!私一人で探しに行ってくる!」

 

「いってらっしゃーい。あ、帰りにジャンプ買ってきて」

 

「ふざけんな!」

 

そのままアスナは家を出て行った。

 

「おいセレナ。お前はいいのかよ」

 

「何が?」

 

「絶剣の事だよ。いくらなんでも……」

 

「どうでもいいっつってんだろ。こっちだって暇じゃねぇんだ」

 

言いながらセレナは立ち上がった。で、ん〜…っと伸びをする。

 

「じゃ、少し出掛けて来るわ。あ、勘違いすんなよ。アスナ追い掛けるなんて青春テンプレイベントじゃねーから」

 

「どこ行くんだよ」

 

「世界樹の小型版みたいな木があったろ。あの辺に暇潰し」

 

そのままセレナは出て行った。

 

(世界樹の小型版みたいな木がある場所っつーと……)

 

キリトが思い出したその場所は、絶剣が挑戦者を待つ場所だった。

 

(やっぱ探しに行くんじゃねぇかよ)

 

キリトは呆れたようにため息をつくと、ログアウトした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の屋上。エレナは和人に呼び出された。

 

「なんか用か?」

 

「エレナ。絶剣の居場所、確証はないけどここにいると思うぞ」

 

いいながら和人は紙を一枚差し出した。

 

「はあ?」

 

いきなり何言ってんのこいつ、みたいな顔をするエレナ。

 

「なんでいきなりユウキの話になんだよ」

 

「会いたいんじゃないのか?」

 

「それは明日奈だろ、俺は関係ない。で、どこにいんの?」

 

「強がるならもうちょい粘れよ……」

 

ため息をつく和人を無視してエレナは紙を受け取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明日奈と共にエレナは横浜港北総合病院へ。

 

「面会ですね?」

 

カウンターの看護婦さんに聞かれ、明日奈とエレナは頷いた。が、明日奈はユウキの名前を知らない。なんと聞こうか考えてると、エレナが正面から聞いた。

 

「えーっと、ユウキって女の子います?もしくはそれに近い名前の子。ゲームで会っただけなんで本名知らないんすけど……」

 

「ここには沢山の入院患者さんがいらっしゃいますから、それだけでは判りませんよ」

 

「あー……」

 

そのままなんと言おうか迷っていると、奥の看護婦さんが手前の看護婦さん、略しててまごふさんに耳打ちする。すると、別の質問して来た。

 

「失礼ですが、お名前は?」

 

「あ、ええと、結城、明日奈と言います」

 

「え?お前がユウキじゃん。てか結城って言うの?……あ、いやえっと、なぁ、桐ヶ谷エレナでもいいかな?」

 

「この子は瀬田エレナです」

 

「何か身分証を拝見できますか?」

 

「は、はい」

 

二人は学生証を提示する。すると、看護婦さんは頷いて受話器を取り上げた。その数分後、明日奈とエレナに向き直る。

 

「第二内科の倉橋先生なお会いになります。正面のエレベータで4階に上がってから、右手に進んで、受付にこれを出してください」

 

二人は銀色のパスカードをもらってエレベータに乗る。

 

「……ユウキ、いるみたいね」

 

「そーだな」

 

「……その、この前はごめんね。強く言っちゃって……」

 

「別に気にしてねぇよ。パフェ5杯で許してやる」

 

「超気にしてるじゃん……」

 

で、エレベータから降りてしばらく待機。10分くらい待たされたあと、白衣の男が歩いてきた。

 

「やあ、ごめんなさい、申し訳ない。すみません、お待たせして」

 

「すげーな。今三回謝ったよ」

 

「エレナちゃん静かに。………とんでもないです。こちらこそ急にお邪魔してしまって。あの、私たちなら幾らでも待てますけれど」

 

「いえいえ、午後は非番ですから、ちょうどよかった。ええと、結城明日奈さん、瀬田エレナくん、ですね?」

 

「ちげーます。瀬田エレナちゃんです」

 

「おっと、女性でしたか。すみません瀬田エレナさん」

 

「瀬田エレナちゃんです」

 

「申し訳ない瀬田エレナさま」

 

「だから『ちゃん』だってば……いや、案外悪くないかも瀬田エレナさ……」

 

「それで、ユウキは?」

 

エレナの台詞を打ち切って明日奈が聞いた。

 

「フルネームは紺野ユウキくんですね。木綿に季節の季でユウキくんと読みます。彼女はここのところ毎日、セレナ…という方のお話ばかりされていました。それと、アスナさんも。弟とお母さんが出来たみたいと」

 

「え?俺が弟なの?てか弟?責めて妹じゃね?」

 

「お母さんなんて……そんな歳じゃないのに……」

 

慣れた、とでも言わんばかりにため息をつくエレナと、満更でもなさそうな明日奈だった。が、すぐに明日奈の表情は変わる。

 

「それで、その…ユウキは?」

 

「こちらです」

 

2人はユウキの眠っている所へ行った。

 

 

 

 

 

 

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