授業が始まった。
『ふぅん…やはり俺の青春ラブコメはまちがっている、かぁ……』
「うちの学校の使ってる教材はマジでトチ狂ってるからな」
エレナが呆れたように言った。
『でもこれ面白いね。僕、続き読みたいな』
「まぁ、教科書の一部だから一話目で終わっちまってるしな」
『ねぇ、後で本屋寄ろうよ』
「zzz……」
『寝たの⁉︎早くない⁉︎』
木綿季が声を上げるがエレナは起きない。そのエレナの頭に教科書の背表紙が降ってきた。先生に起こされた。
「痛ッ‼︎」
「寝るなバカ」
「おい、テメェ教科書の背表紙の威力分かってんのか?メチャクチャ痛ぇんだぞ」
「知ってるよ。だからそこをチョイスしてんだろうが」
そのまま教壇へ引き返す先生。
『馬鹿だねエレナ』
「だーってろカス」
で、授業は進む。すると、先生がエレナをさして言った。
「じゃあこの文を紺野、読め」
『ふぇ⁉︎ふ、ふあい!』
木綿季は教科書を読む。
『え、えっと……「平等を重んじるのが俺のモットーなので特に親しい友人を作らない主義なんですよ」
「つまり、いないということだな」
「た、端的に言えば……」………って、何この小説……』
木綿季がげんなりした様子で呟いた。
「よし、いいよ」
言われて木綿季は緊張したぁ〜とでも言わんばかりに息を大きく吐いた。
『なんとか読めたあ……ねぇ、どうだったエレナ?』
「zzz……」
『また寝てる⁉︎』
その後も寝ては木綿季に起こされる(もしくはチクられる)を繰り返し、結局5限目は寝れないエレナだったが、6限目は数学、エレナを起こすのを諦めた木綿季だった。で、学校の中を案内し、今は中庭のベンチ。
『すごいねエレナ…授業ずっと爆睡してたのに小テスト満点だったね……』
「あんなん勉強しなくても出来んだろ。俺、頭良いし」
『エレナさ、クラスに友達いないでしょ?』
「おう」
『誇るなよ……』
「いいんだよ。俺には和人がいるし。で、他に行きたい所とかあんのか?」
『うーん……学校の外でも、いい?』
「好きにしろ。あ、でも電車に乗るようなら支払い係呼ぶから」
『うん。分かった。実は、横浜に行きたいんだ』
「もしもし和人?中庭に来てくんない?」
で、和人が到着。そのまま三人で横浜へ向かった。
「で、なんで横浜なんだ?」
『僕の、お家があるんだ。ゲームじゃなくて、本物の』
「おいエレナ、まさか本当に俺は運賃支払い係で呼ばれたのか?」
「え?うんち支払いって何言ってんの?」
「殺す!」
そのまま喧嘩を始める2人を見ながら木綿季は微笑んだ。