読んだきっかけ?そりゃもう、不思議な国のアリスの大ファンですから( ̄+ー ̄)ニヤリ
オレはイッセーと木場、そして小猫ちゃんと共に、アーシアが連れ去られたであろう捨てられた教会へと向かった。
各々の足取りは重い。しかし、彼らは友人を助けるという目的を持っていた。
「ここか」
たどり着いた先には、人の手が入っていない教会があった。まるで、自分がアヴィスに落とされたあの儀式の館の10年後を見ているようだ。
本当に、神にも見捨てられているようだった。
「結界が張られているね。ここからは敵のフィールドだ、準備はいいかい?」
「早く行くぞ、木場」
オレは大鎌で教会の扉を吹き飛ばす。そして、四人同時に中へと踏み入る。
「まぁってましたご悪魔一行サァーン!」
オレ達の目の前に、あのイカレ神父がいた。
「また会ったな」
「おやぁ?そちらのショタボーイさんは随分と雰囲気がきゃーわりましたね!あれですか?シスターちゃんを助けられなくて激怒したとか?」
「うるさいぞ、ゴミが」
一瞬で神父に間合いを詰めたオレは、血染めの黒ウサギから受け継いだ力を用いて、拳を振り上げる。オレの拳はイカレ神父の顎に命中し、空中へと吹き飛ばす。
「ぬぁ!?なかなかやりますねー!なら、これでどうです!?」
天井を蹴った勢いで、イカレ神父は剣を振り下ろしてくる。オレは大鎌で剣を払うと、イカレ神父の腹に蹴りを入れるが、これは防がれてしまう。
「しゃっはぁー!」
「させないよ」
オレに振り下ろされるはずだった剣は、木場の剣によって防がれる。
刃と刃が交差し、火花が散る。
「お邪魔ですよー優男ちゃあん!」
神父はもう片方に持っていた剣を振り下ろそうとする。
その動作を、小猫ちゃんが長椅子を投げつけて牽制する。
「オズくん!イッセーくん!ここは僕たちに任して先に行ってくれ!」
「そういうわけだ、木場たちに任せて俺たちはアーシアちゃんを助けに行こうぜ!」
「あぁ」
オレとイッセーは、神父の相手を木場と小猫ちゃんに任せて、教会の階段を降りる。
そこは、何か古風な空間だった。その中央、十字架の形をした装置に、アーシアが貼り付けられていた。
「アーシア!」
「オズさん?イッセーさん?」
「あら、随分遅かったわね。残念だけどショーは終幕よ?」
レイナーレの言葉を最後に、アーシアの体が光りだす。
「いやぁああーーーーー!!」
アーシアの胸から出てきたのは、緑の光。離れて様子を見ていたレイナーレが緑の光を掴むと、彼女の体が緑色の光に包まれる。
「アハハハハ!やっと手に入れたわ、聖母の微笑み!これこそ、私が欲していた力!」
そんなレイナーレを無視して、オレはアーシアの拘束具を外す。
「アーシア、大丈夫?」
「オズさん……」
長時間拘束されていたのか、アーシアはかなり衰弱している。
「どうだオズ?」
「……」
なんとも言えなかった。オレには分かる、おそらくアーシアの命はもう保たないと。
「無駄無駄!神器を抜かれた人間は死ぬから!」
「アーシア、今助けるからな」
そう言ってアーシアの胸の上に手を置こうとすると、アーシアがその手をぎゅっと掴む。
「オズさん……あなたと初めて会った時、あんなに優しくしてもらったこと、本当に嬉しかったです……」
「頼むよ。喋らないでくれ……」
一秒でも長く生きて欲しい。だから、もう喋らないで、心残りを無くすことなんてしないでくれ。
「シスターになってから、私、ずっと一人ぼっちでした……それでも、そんな私と一緒に居てくれたオズさんには、感謝してもしきれません……」
「頼む、どうか、どうか……」
「短い時間……迷惑かけて……すみませんでした。オズさん……今まで本当に……」
ありがとう、それが最後にアーシアから贈られた言葉だった。
目の前のアーシアは、心残りひとつない笑顔でその生を閉じた。
「アハハハハ!滑稽ね!」
レイナーレが見下したかのように笑う。
その時、俺の心の中の何かが外れた。
「おい……」
「アハハハハ、アハハ……ハ?」
オレを見たレイナーレは、唐突に笑うのを止める。
「覚悟はできたか?」
そう言った俺の背後には、漆黒の闇に包まれた巨大な黒ウサギがいた。体より大きい大鎌を持ち、背後の闇から鎖が解き放たれ、体の周りで渦を作る。
「ひ、ひぃ!?」
「お、オズ?」
笑っていたレイナーレも、隣にいたイッセーも、眼前のオレに恐怖し、言葉を失う。
「死ね」
そう言ってオレは、等身大の大鎌をレイナーレへと振り下ろす。あり得ない速度で振り下ろされた大鎌は、レイナーレの左半身にある腕や足を、全て体から切り落とす。
「ガハッ!」
切られた場所から血が噴き出し、レイナーレは地面へと倒れる。
しかし、傷は何秒経たないうちに再生されていた。
「これが、聖母の微笑みの力!素晴らしい!素晴らしすぎるわ!」
「煩いぞ」
オレはレイナーレの四肢を鎖で固定する。そして、壁へと結びつけた彼女に、大鎌を見せつけながら歩いていく。
「お前には、相当の罪を負ってもらう。俺の友達に手を出し、拐い、そして殺した。その罪、死んで償うにはまだ早い」
オレは、鎖をレイナーレの体全てに巻きつける。これで、レイナーレは鎖から脱出することはできなくなった。
「どんな傷でも回復するんだ。なら、何度でも傷付けてやる」
オレはレイナーレの左腕を拘束している鎖の締め付けを強くする。メキメキと腕の骨が悲鳴を上げ、限界を超えた骨は次第にボキッと言う音を立てて折れてしまう。
「ぎゃあぁぁあ!!」
次は右足を締め付け、折る。
「がは…………」
そして腰、助骨、あばら、体の骨という骨をへし折っていく。
「アゥ!アァガッ!ヤメッ、イダッ、ヒグァ!」
「止めないよ?」
オレは何度も同じことを繰り返す。しばらくして、堕天使を拘束を施したまま元の人の姿へ戻って、大鎌で体を切り裂く。アーシアから奪った神器のおかげでレイナーレの傷は元どおりになるが、そのおかげで何度も新鮮な痛みを感じている。
必死にオレの手を掴もうとするが、無慈悲に振り払う。
「ヤメテェェ!イタイ!イタイからモウヤメテェ!」
だから、やめないって。
「オズ。おいっ、オズってば!」
イッセーがオレの手を抑える。
「落ち着け、もういいよ。こんな事、アーシアちゃんは望んでいないはずだ」
「…………うん。ごめん、熱くなりすぎた……」
イッセーに落ちつかされたオレは、黒ウサギを鎮め、ゆっくりとその場へ座り込む。レイナーレは、オレに拘束されたまま、私服を着た少女へ姿を変えてイッセーに
「あ、ありがとうイッセーくん!」
「黙れよ、お前を助けたわけじゃない。俺は、オズを助けたんだ」
「その通りよ。そんな汚い姿で私の下僕に言い寄らないでちょうだい」
背後を振り返る。そこにいたのは、リアスさんと朱乃さんだった。
「死になさい」
「ま、待っがぁ!?」
リアスさんの右腕から撃ち出された光が、拘束されたままのレイナーレを文字通り消滅させる。
「…………」
「終わったのか……?」
「あぁ……」
「オズ」
リアスさんがオレの肩に手を添える。
「アーシアを、生き返らせることが出来るわ」
「………………えっ?」
少し予想外の言葉に反応が遅れる。
今リアスさんは、アーシア生き返らせることができると言った。
「まぁ、正確には悪魔に転生だけど」
「アーシアはそうすれば生き返るの?」
「もちろんよ」
「お願いできますか?」
「いいわ。けど、条件があるわ。私の下僕になりなさい?オズ=ベザリウス……いや、黒ウサギのオズ」
◇
結局、オレはリアスさんから提示された条件を飲み、リアスさんの下僕になることによってアーシアを生き返らせることができた。
意外だったけど、アーシアは生き返ったことに大いに喜んでくれた。悪魔になったけど。
「オズ!早く行くぞ!」
「オズさぁーん!早く行きましょう!」
「は、はいはーい!」
今は、二人ともイッセーの家に居候している。イッセーの両親には、お互い留学生で姉弟という関係で一応受け入れられている。
オレとアーシアは、リアスさんからの計らいで駒王学園に通うことになった。そして、かねてリアスさんの下僕となり、オカルト研究部に入学した。
制服は特注だけどね。
「急げぇ!」
「学校に遅れちゃいますよ!」
「ごめんごめん!」
こっちの世界に来て、オレは後悔していない。
護ると決めたアーシア、オレを受け入れたイッセー、居場所を与えてくれたリアスさん、そしてオカルト研究部のみんな。
たとえここが、元いた世界と違っても、オレはオレ。
自分がやるべき事も決めれたことだし、どうせ元に戻れないなら、二度目の人生を満喫してやろうじゃないか。
「大好きよ、オズ」
「えっ?」
風に乗せられて、どこからか懐かしい声が聞こえてくる。
「お、オズ!」
「あわわ、ごめんよイッセー!」
少し部屋を見渡したオレは、慌てて家を飛び出す。
◇
「ここは……どこだ?」
確か俺は、イスラ=ユラの屋敷の地下で……
「くっ、がはっ!?」
頭がかち割れるほど激しい頭痛が起こる。
「何があったんだ……?」
思い出そうとするが、先ほどの頭痛で何も思い出さない。
「ちくしょう。なんてこった、目が覚めたら変な森に倒れてるし……」
「にゃーん……」
「にゃ、にゃーんだと?」
俺が後ろを振り返ると、小さな黒猫がいた。俺は黒猫を抱きかかえると頭を撫でてやる。
仕方ないだろ。だって、猫派なんだからさ。
「にゃご〜」
「おぉ、よしよし。可愛いなぁ〜、本当に猫は大好きなんだよなぁ」
「にゃにゃ!?////」
「ん?どうして赤くなっているんだ?そうだ、こんなとこじゃなんだ、どこか落ち着けるところで続きをしないか?」
「にゃぁ!」
俺は黒猫を抱きかかえて森を進んでいく。
これが、まさかあんな事になるなんて、俺はまだこの時は知らなかった。
「はぁ、オズ。もし会えるなら、ちゃんと謝りたいぜ……」
も、もしや、あなたは!?