聖女と黒ウサギのオズ   作:ヴァーリ

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ライザー編です
こんなのオズじゃない!って思う方は、感想かメッセージをもらえると嬉しいです(^ ^)
いつもながら、お気に召さない方はUターンを
では、第5話をお楽しみあれ!


episode5 争いの火種

オカルト研究部に入部して、数週間が経ったある日。オレたちはいつもの様に部室でお菓子を食べながら談笑する。あの日以来、トランプをはじめとするチェインも現れないし、特に変わったことはないけど、一つ心当たりがあるといえば。

 

「はぁ…………」

 

リアスさんだ。さっきから頬杖をしながらため息をついている。オレはお菓子を食べながらリアスさんに「大丈夫?」という視線を送るが、返答は「気にしないで」の一点張り。

 

というか、いつからアイコンタクトで会話できるようになったんだろうか。オレとリアスさん。

 

リアスさんは眉間にシワを寄せて、ずっと考え込んでいる。オレはリアスさんの事をイッセーに聞いてみる。

 

「ねぇねぇイッセー」

 

「どうしたオズ?」

 

「リアスさん、なんか悩んでるの?」

 

「それがなぁ〜俺にもわからん。部長、ここに来てからずっとあんな感じだし、下手に聞かない方がいいと思うぞ?」

 

「それもそうだねぇ〜、でもイッセー?」

 

「今ここでリアスさんのお悩みを解決したら、リアスさんの好感度だだ上がりかもよ?」ゴニョゴニョ

 

「な、なにっ!?よ、よし。俺が部長のお悩みを解決して、一気に親密な関係に……ククク」

 

「きもいです先輩」

 

小猫ちゃんの冷たい一言を最後に、今日は部活は早終いした。どうやら、リアスさんの体調が優れないようだ。

 

明日にでも聞いてみるか。オレはそう考えながら、いつも通りイッセーとアーシアの三人で帰宅し、夕食を食べて寝る前の自由時間を満喫していた。

 

今読んでいる本は、元の世界にいた時に読んでいた『聖騎士物語』

 

驚いたのが駒王学園の図書館にも、この本が置かれてたことだ。迷路のように幻想的な造りとなっている駒王学園の図書館には、古今東西の古書やマンガと呼ばれる書物もあり、全く飽きない造りとなっていた。

 

「あ〜面白かった。そうだ、イッセーに11巻渡しに行かないと……」

 

パタンと乾いた音を立て、11巻を持ってベッドから立ち上がる。イッセーも、オレが勧めたら聖騎士物語を読むようになり、11巻の到着を今か今かと隣の部屋で待っているはずだ。

 

「イッセー、入るよ〜」

 

「ん?あっ!ちょっと待てオッ!?」

どうせいつもの事だと思い、そのまま部屋へと入る。

 

そこには、裸のリアスさんに抱かれたイッセーの姿があった。

 

「ホゥアッ!?お、オズ!?」

 

「あー、ごめん。邪魔したね」

 

「これには訳があるんだ!その可哀想なものを見る目はやめてくれ!」

 

「オレは何も見てないよ〜。ではでは、ごゆっくりお楽しみあれ〜」

 

「ちょま!」

 

「神は言っている。ここで助けるべきではないと……」

 

「オズゥゥウウウーーー!!」

 

バタン!……はぁ。

 

「なるほど、だからリアスさんは……」

 

あの歳でイッセーとの子どもができたのだろう。そりゃあ苦労するよね、お互い20にもなっていない未成年だし、デキちゃったならリアスさんのあの顔にも納得がいく。

 

あの歳で子どもができたなんて言えないだろうし。

 

辛いだろうけど頑張れ。オレは応援することしかできない。

 

「ほえっ?どうしたんですかオズさん?」

 

ソファに座りながらぼうっとしていると、向かいにお風呂上がりのアーシアが座る。アーシアは水に濡れて魅力的な金髪を乾かしている。

 

一言で言えば綺麗だ。イッセーのお母さんが持っていたバスローブを着ているが、何というか魅力に満ち溢れている。

 

「あっ、髪のお手入れするで今日もオズさんのお部屋に行ってもいいですか?」

「いいよ〜」

 

「じゃあ、お言葉に甘えて。えへへ」

 

オレは部屋に来たアーシアの金髪をクシでといてあげる。女性特有の甘い匂いを堪能しながら、傷をつけないように丁寧に撫でおろす。この時間が、1日のオレの癒しになっている。

 

「綺麗だね、アーシアの金髪」

 

「そっ、そんな!私の髪なんかとても……」

 

「元いた世界じゃ、貴婦人たちは陽や月の明かりを髪に浴びせる事で最良の金髪、陽光の髪を作りしことが美とされていたんだ。アーシアの金髪は、陽光の髪に負けないほど綺麗だよ?」

 

「ありがとうございます!でも、私の髪なんかとても陽光の髪とは言えませんよ。それより、オズさんの金髪の方が中々綺麗ですから」

 

「年中あちこちにハネまくってる無法者だから、パーティーの時とか抑えるのに苦労したよ……」

 

「パーティーですか?楽しそうですね!」

 

「貴族の社交界だね。15歳になって成人した貴族は、パーティーに出席することで初めて貴族の仲間入りをするんだ。社交界デビューってやつだね〜」

 

「あぅ〜、私も行ってみたいです……」

 

そういえばアーシア、ここに来るまでの話を聞くと、相当な箱入り娘だったそうだ。パーティーなんて、余程のことがない限り経験したことがないのだろう。

 

「じゃあまた今度、リアスさんに頼んでパーティーでも開いてもらおっか?」

 

「本当ですか!?やったぁ、嬉しいです!」

 

笑顔を見せてくれたアーシアの髪をとき終える。

 

「はい、終わったよ〜」

 

「じゃあ、今度はオズさんの番ですね」

 

「オレはいいよ?」

 

「綺麗な髪が台無しですよ!やりましょう、ね?」

 

「は〜い、へっ?」

 

オレはヒョイっと持ち上げられ、アーシアの膝の上に座らされる。ちょっと待って!いくらなんでもこれは恥ずかし過ぎるよアーシア。

 

「あ、アーシア?」

 

「今は二人だけですから、リラックスしてくださいね」

 

「う、うん……」

 

アーシアの吐息が間近で聞こえる距離。後ろから漂うその甘い匂いが鼻をくすぐる。何というか、もう幸せだった。

 

髪をとかれるのが気持ちよくて、睡魔が押し寄せてくる。オレは抵抗せず、体の整理的行動に身を任す事にした。

 

 

翌朝、オレはなぜかアーシアのベットに寝ていた。ふと隣を見ると、女神のような優しい顔をしたアーシアが、スースーと寝息を立てて眠りについていた。

 

うーん、どうしたものか。確かオレは、アーシアに髪をとかれてそのまま寝ちゃったんだよな。

 

「アーシア、起きて。朝だよ」

 

「むにゃ、オズさん……おはようございますぅ……」

 

「おはよう、もう7時だから下に降りよっ!」

 

寝ぼけたアーシアの手を引き、一回のリビングへと向かう。そこには、げっそりとした表情のイッセーが、机に突っ伏してため息をついていた。

 

「おはよーイッセー。昨日は大変だったね〜」

 

「おはようオズ。聞いてくれ、俺は何もやってないからな!」

 

「またまた〜隠さないでいいよ〜」

 

「いや、マジで何もしてねー!ここだけの話、部長のおっぱいは触ったが、一線は越えてない」

 

事情を聞くと、いきなり魔法で転移してきたリアスさんが、仰向けで寝ているイッセーにまたがり、全裸になる。そして「わたしの処女をもらって」とイッセーに懇願し、イッセーは部長の胸を触り、あと一歩のところで銀髪のメイドさんが止めに入って一線を越えなかったとか。

 

うん、明らかにカオスだね。いきなりリアスさん程の美女が夜這いしに来るなんて、イッセーもモテモテだね。

 

「まぁ、何があったか詳しくは学校で部長に聞くことにするよ」

 

なんだかんだで放課後になり、いつも通りイッセー、小猫、木場、アーシア、俺の五人は、オカルト研究部へと向かう。相変わらず、アーシアは黒ウサギのぬいぐるみを抱いている。

 

ふと、木場が部室前で苦笑する。木場、お前ってそんな危ない人だったのか?

 

「はは、ここになって気配を感じるなんて」

 

オレは気にせず扉を開けて中へ入ると、中は重っ苦しい空気が充満していた。

 

この感覚、封印の石の近くにいた時と同じだった。

 

中にはリアスさんと朱乃さん、それにイッセーが言ってた銀髪のメイドさんがいた。

 

「全員揃ったわね?少しだけ話があるの」

 

「お嬢様、私が引き受けましょうか?」

 

「いらないわ。実はね……」

 

リアスさんが説明しようとした矢先、部室の真ん中に魔法陣が出現する。その魔法陣は炎が轟々と燃え盛り、部屋は一瞬にして温度を上げる。勘弁してくれ、暑いのは苦手なんだけど。

 

「フェニックスの魔法陣だって?」

 

木場がそう呟くと、燃え盛る炎の中から多数の影が現れる。その中心、ひときわ大きなシルエットが前へ踏み出し、開口一番「人間界は久しぶりだ」と言う。

 

その正体は、背広を着た一昔前のホストのような男で、何人もの女性が彼の周りを囲んでいた。

 

男はリアスを見つけると、ニヤリと口を歪ませる。

 

「愛しのリアス、会いたかったぜ」

 

愛しのリアス、それを聞いたリアスさんの冷たい態度……ね。なるほど、謎が解けた。

 

「レディに随分な言い方だな?」

 

「なんだお前は?」

 

「リアス部長の兵士、兵藤一誠だ!」

 

「あっそ」

 

あまりにも予想外の反応に、盛大にずっこけるイッセー。

 

「リアス、さっそくだが式の会場を見に行こう。日取りも決まってるんだ」

 

男はリアスさんの腕を取ろうとするが、リアスさんは露骨に嫌な顔をして振り払おうとする。

 

「離してちょうだい、ライザー」

 

「ハハハ、相変わらず手厳しいね」

 

「紹介します。この方はライザー・フェニックスさま。純血の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家のご三男であらせます。そして、グレモリー家の次期当主様でもあらせられます」

 

謎が全て解決した。要するに、これは政略結婚か何かで、リアスさんはそれを拒否しているが、ライザーという悪魔はゴリ押し気味ですれ違いが起こっていると。

 

まぁ、俺には関係ないし、アーシアと部屋の隅で髪をいじりあいっこしていた。

 

「ライザー様は、リアスお嬢様とご婚約なされておられるのです」

 

「えぇぇぇぇぇーーー!!!」

 

イッセーの断末魔が部室に響く。

 

「いい加減にしてちょうだいライザー! 」

 

ひときわ際立って大きい声の主はリアスさんだ。

 

「ライザー!以前にも言ったはずよ!私はあなたと結婚なんてしないわ」

 

しかし、それを聞いたライザーは少しも驚いた表情をせず、むしろ許容範囲内という顔をしている。

 

「あぁ、以前にも聞いたよ。でもいいのか?君の御家事情は切羽詰っていると聞いてるんだが?」

 

「それこそ余計なお世話よ!さっきも言っけれどあなたとは絶対に結婚しないわ」

 

その言葉を聞くとライザーは頭を掻き、ため息をつく。

 

「………俺もな、リアス。フェニックス家の看板を背負った悪魔なんだよ。この名前に泥を塗るわけにはいかないんだ。俺は人間界があまり好きじゃない。この世界の炎と空気は汚い。炎と風を司る悪魔としては耐え難いんだよ!」

 

ライザーの周りを炎が埋め尽くす。

 

「俺はキミの下僕全員を燃やし尽くしても冥界に連れて帰るぞ。手始めにそこの幼気なシスターから焼いてやろうか?」

 

「あっ……」

 

「なんだって?」

 

「あっ……」

 

リアスの場違いな声が、あたりの雰囲気を一瞬で変える。

 

「ねぇ、ライザー?いま、なんて言ったかしら?」

 

「なんだリアス?俺は今、シスターから燃やしてやろかと……」

 

「一つだけ言っておくわライザー、その一言を今すぐ訂正しなさい?さもないと、命の保証はできないわ?」

 

それを聞いたライザーは鼻で笑う。

 

「ふふん、何が保証できないって?俺は不死鳥だ、フェニックスだ。命なんて概念は存在しないんだよ」

 

「でも、痛みは感じるんでしょ?」

 

「ッ!?」

 

オレの冷たい声が、ライザーの背中を震わせる。オレはゆっくりと立ち上がると、ライザーに向かって少しずつ歩き出す。後ろから、アーシアが心配そうな顔つきでオレを見ている。

 

「もう一度だけチャンスをあげるよ?今すぐさっきの言葉を訂正して?」

 

「ガキ、人間か?リアス、何でここに人間がいるんだ?」

 

「この子は私と形式的な主従関係を結んだ仮の下僕だわ」

 

「はっ、形式的な主従関係だと?悪魔の駒が反応しないのか?それほどまで魔力がなくて使い物にならない下僕に、さらに訂正しろと?傑作だなぁおい!」

 

「残念、時間切れです小鳥さん」

 

オレは一瞬でライザーの首元に向けて大鎌を振りかざす。しかし、その一撃は銀髪のメイドさんの身を呈した防御によって、ライザーの首ギリギリで止められる。

 

「どけ」

 

「なりません。ライザー様はグレモリー家の次期当主です」

 

「なら、君も巻き添え食らうよ?」

 

背中の闇から鎖を出現させると、部屋中に結界のように張り巡らせる。そして、その鎖の先端の多くはライザーとその下僕、銀髪のメイドさんに向けられていた。

 

「誰か一人動いたら全員殺すから」

「待ってオズ。私が謝るわ、ごめんなさい。だから、今回は私の顔に免じてお咎めなしにしてちょうだい」

 

リアスさんがオレに頭を下げてくる。主人に頭を下げられちゃ下僕としての品格が問われるので、無理に頭を上げさせて鎖と大鎌を消滅させる。

 

「ライザー、この問題はレーティングゲームで決めましょう」

 

「いいのかリアス?俺は負けなしだぞ?」

 

「構わないわ。私が勝てば結婚破棄、負ければ即結婚。これでどう?」

 

「いいだろう。おい、貴様もゲームに出ろ!」

 

「オレか?」

 

オレは首だけを後ろに向けて答える。

 

「そうだ、今回は恥をかかされた。ゲームでたっぷりいたぶってやるからな」

 

「それでは、試合の受理をこのグレイフィアが確認いたしました」

 

たった今、戦争の火蓋が切られた。




登場させたいパンドラハーツのキャラがあれば教えてください(>_<)
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