息抜き、で投稿してるんですが、他の作品が進んでませんww。
どうしたものかと考え中です。
では、どうぞ
教室に向かうまで大変だった。
いや、その後も大変だったんだが。
教室に入るまで周りからの視線が痛かった。
なにせ聖夜が俺にくっついて歩いているからだ。
俺がニ医家、ということはまだ柊と分家にしか知られていないが、それもすぐに広まるだろう。
・・・あんま注目を浴びたくないんだが。
もちろん、教室に入った後も大変だった。(聖夜はもちろん同じクラス)
教室に入り、席に着こうとすると、一人の男子生徒に話しかけられた。
「あ、お前ってニ医流星夜じゃねぇか?」
「そうだけど?」
「ほぉ、この一年は楽しめそうだな」
「そういう君は五士典人だろ?」
「そうだ。お前、どれくらい強いんだ?天才さん」
「そういうのやめろ。俺は注目を浴びるのは嫌いなんだ。名前で呼んでくれ。俺も典人って呼んでいいか?」
「もちろんいいぜ、流星夜。で、その・・・さっきから流星夜にくっついている女、なに?」
「私は天野聖夜。流星夜の護衛兼許婚だよ。これからよろしくね、典人さん」
「へぇ~・・・・・あ、そうか。お前、今二医の当主だからか」
「ああ。そういえば、このクラスにいるやつ、そこそこ強いよな」
「ニ医に三宮、五士に十条ってか?確かに分家の次期当主多いな。あ、流星夜は現当主だったな」
「次期当主っていえば、一瀬もだけどな」
「まぁ・・あ、おい、先生来たぞ」
五士典人。
友達になっておくほうがこれから先いいだろう。
当主になったとき、いろいろ力を貸してくれるかもしれない。
そんなことを考えながら、席に座る。
席は、真ん中の列一番後ろの左側。
ちなみに右隣は聖夜だ。
一瀬は、グレンは俺の二つ左隣の席。
この教室にあの二人の従者はいなかった。
まぁそれもそうか。一瀬の次期当主に力の差を思い知らせるためにこの学校に入学させたのだから。
・・・だが、俺は、グレンは強い、と思う。
あの深夜の攻撃はわざと喰らっていた。
それは素人目にはわからなかっただろうが。
呪符が放たれる前から、グレンは攻撃に気づいていた。
それだけの力を持っているのに、その力を隠す。
力を隠しているのは、何か企んでいるからだろう。
それはもしかしたら俺と同じことを考えているのかもしれない。
もし・・・もし柊を潰そうということを考えているのならば、いつかグレンと協力できたら、とそう思うほどグレンは強いと思う。
・・・とまぁ、考えるのはやめて、クラスを見回す。
男女は半々。有力者は一瀬、三宮、五士、十条。
そして何人かの生徒たちがちらほらとグレンのほうを見ているのがわかる。
その視線には一瀬と同じクラスになったことの嫌悪や、敵意が感じられる。
「さて、みなさんは今日からこの、第一渋谷高校の一員なわけですが、日本で最高峰である呪術学校の生徒としての誇りと、自身を持って、実りある学校生活を送れることを願っています」
そういえばホームルームの時間だったな、とか思いながら、これから一年お世話になる先生の話を聞く。
隣の聖夜はなんだか眠そうだ。
「まあ、若干一名、人ではないネズミが混ざりこんでいますが、その辺は気にせずに。このクラスの生徒たちは実力も成績の最高位のエリートとして、ネズミにこの学校の威信を見せ付ける仕事をこなしていただければと思っています」
ネズミ、というのはもちろん一瀬グレンのことだろう。
生徒たちが笑う。全員ではないが、楽しそうに笑う。
俺には、何が楽しいのかさっぱりわからない。
聖夜も同じなのか、黙って“こちら”をみている。
その目は、「ここで名前を売っておけ」と言っている。
いや、なぜこのタイミング?
という質問はしない。
聖夜は人の感情がどう動くか、どうしたら動かすことができるかを見極める「眼」を持っている。
だから、
「先生、生徒をネズミ呼ばわりするのは先生失格じゃないのかな?」
とたくさんの笑い声の中、こう言う。
その時、教室の扉をガラッと開き、入ってきた人物が言った。
「あ、それ僕も思うよ。流星夜って思ったより優しいんだね」
「し、深夜様」
「彼の言うとおりだよ先生。ニ医の当主に注意されたんだからその辺は直そうね」
その深夜の言葉に、クラス中がこちらを振り向く。
その目には、驚きと驚愕の感情が感じられる。
そんな中で、深夜は俺の近くまで歩いてきて、俺の席の隣で止まる。
「やあ、流星夜。あ、君、僕そこの席がいいから譲ってくれるかな?」
「あ、は、はい!もちろんでございます」
と言って、隣に座っていた女子がものすごい速さで立ち上がる。
さすが柊様。
それに、先生が言う。
「で、ですがそのようなネズミの―――」
「あれ?先生聞いてなかった?僕は生徒をネズミ呼ばわりするなよって言ったんだけど。僕にもニ医の当主にも注意されたのに直らないの?」
「あ、その・・・」
そして「ありがと」とにっこりと女子に微笑んで俺の隣の席に座る。
それから、
「ああ、みんな、邪魔してごめん。ホームルーム続けてください」
と言うと、先生は先生と思えないほど猛スピードで教壇まで戻り、再びホームルームが始まった。
入学式の手順について。
この呪術学校がどういうふうに始まり、授業はどうなっていくかについて。
眠くなるような内容だった。
聖夜も暇なのか、話しかけてきた。
「・・・暇」
「・・・・・暇だけ言われてもな」
「何かしゃべってよ~」
「なにもしゃべることがない」
「冷たいな~」
「・・・じゃあしりとりでもするか?」
「いいね!じゃあ、リーベルタース」
「す、ス・・・スコナビクナ」
「な、ナ・・・ナースキオ」
「お、オ・・・オルクス」
「す、ス・・・ストレーニア」
「あ、ア・・・アルゲンティヌス」
「え、なにそのしりとり。全部神様じゃん」
「深夜様もやりますか?」
「いや、遠慮しとくよ」
「そうですか?次は聖夜だよ」
「うん。す、ス・・・スアーダ」
「だ、ダ・・・ダナエー」
「え、エ・・・―――」
「ではそろそろ入学式の時間です。みなさん、行きましょうか」
しりとりをしているうちにいつの間にかホームルームは終わったらしい。
残念。あと五十回は返すつもりだったんだが。
「あはは、続きはまた今度だね」
「・・・それ、前回も聞いた気がするんだが」
「お~い、流星夜、行くぞ」
「ああ、典人、今行く」
友達に呼ばれ、すぐに教室を出る。
「あ、そうだ。聖夜、十条とも仲良くなっとくか?」
「そうだね。今後役にたってもらえそうだし」
これから入学式。
入学式の間も聖夜としりとりかな。
「あ、そうだ。典人、入学式の間暇だろ?しりとりしないか?」
「お、いいな、それ。いっとくが俺はしりとり強いぞ?」
「私の方が強いね」
「いいや、俺だろ聖夜」
「おいおい、二人とも何言ってんだよ。俺に決まってんだろ」
俺たちの間にバチバチと見えない電撃が交差し、弾ける。
この入学式は退屈しなさそうだ。
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