二医家の天才   作:神流朝海

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どうも、こんにちは。
長らく書いてなかったですね……まぁ、いろいろあったので。
お久しぶりです!いやぁ、もう二ヶ月?三ヶ月ですね。。
お待たせしました。
とても短いですが、どうぞ。



めんどくさい入学式

講堂には、全校生徒が集められていた。

生徒の数は、全部で1100人。

一年生が600人。

二年生が340人。

三年生が160人という内訳。

学年が上がるごとに人数が減って行くのは、各学期に何度かある試験によって実力が判定、ランク分けされて、能力がこの第一渋谷高校に相応しくないと判断された生徒が、相対評価で退学になっていくからだ。

 

「じゃあ私、流星夜(ほしや)、典人さんの順でいいね?」

「おう、もちろんだ」

「わかった。聖夜からな」

「り、リ……リビティーナ」

「な、ナ……ナエニア」

「お、古代ローマ神かぁ。あ、ア……アンテウォルテ」

「て、テ……テルミヌス」

「す、ス……ステルクティウス」

「す……またすかよ。スンマーヌス」

「ん~、す、ス……スアーダ」

「え、ちょっと待って。五士もなんでそんなに知ってるの?」

「あぁ、深夜様。いや、神話とか結構おもしろいんでよく読んでるんですよ」

「あ、……そう」

 

深夜は意外そうな顔と、驚きの顔になって言う。

それはともかく、校長のつまらなくて無駄に長い話はまだ終わらないのだろうか。

いや、そろそろ終わりそうだった。

 

「君たちは選ばれた生徒です。ここのに残るものは将来、『帝ノ鬼』の中でも、幹部候補として迎えられる可能性のある、光の卵です。そのことを胸に、誇りを持った、楽しい学校生活を……」

なんたらかんたら。

なんでそこで続けたんだよ……さっさと締めてくれればよかったのに。

 

「次、流星夜の番だぞ」

「あぁ、ごめん典人。考えごとしてた。で、なんだっけ?」

「もう、これだから流星夜は……ダ、よ。スアーダのダ」

「ごめんってば、聖夜。だ、ダ……ダナ―――」

「だから違うと言っているでしょう!」

 

ダナエーと言おうとしたが、後ろのほうから聞こえてきた叫び声によってかき消された。

その叫びに、校長の言葉が止まり、生徒の視線が集まる。

どうやら叫びを上げたのは、十条美十だった。

黄色に白に紫に紺にベージュに黒に水色と髪の色がある中、十条の赤い髪は一際目立っていて、十条はしまったという顔のまま固まり、その赤い髪以上に顔を赤くして、

 

「あ、あ、あの、失礼しました。続けてください」

 

とか細い声で言った。

思わず笑いそうになったが、校長の気を悪くするのも悪いと思ったので(まぁ、機嫌が悪くなってうざくなったなら、俺が消すだけだが)、そこは堪えておいた。

そしてそれで、再び校長が話し始めた。さっさと終われよ。

他の生徒たちもすぐに顔を背けた。

髪の色で彼女の家柄がわかったからだろう。

 

「なぁ、聖夜。あれ、仲良くなって大丈夫なのか?」

「……ん~、あはは、たぶん?」

 

軽く笑って流す聖夜にため息をつきながらも、これからスピーチするであろう、柊様の天才さんのことを考えていた。

成績表を見て思ったのだが、柊真昼は全教科トップの成績で入学したらしい。

医呪術に関しては、俺の答案に不正が行われたことは知っている。

でなけりゃ、俺が負けるはずがない。

しかし、学校は能力よりも家を大切にしているため、必然とこういう結果になる。

初めてあったのは、両親の葬儀のときだ。

彼女は最初、俺に向かってこう言った。

 

「初めまして。私は柊真昼です。この度はお悔やみ申し上げます」

 

それは静かな、漣のような透き通る声だった、という記憶がある。

もちろん、俺も礼儀があるので、その場はちゃんと挨拶をしておいた。

あれからもう、2年がたつ。

両親が、母さんと父さんが死んでから、2年たつ。

時が流れるのは速い。

するとそこで、校長が言う。

 

「長くなりましたが、私からの話は終わりです。では次は新入生代表からの挨拶に移りましょう。今年の新入生代表は満場一致で決まりました。あの、柊家のご息女を、この学校に迎えることができたことを、光栄に思います。―――それでは、柊真昼様―――ご挨拶お願いいたします」

 

「やっと終わんのかよ。無駄に長かったな」

「おいおい、もしかして流星夜って思ったより毒舌?」

「なんですか、何か問題ありましたか? 深夜様」

「いえいえ、別になにも。ほら、真昼が出たぞ」

 

深夜に促されるまま、先程まで校長が立っていたところを見ると、そこには長く綺麗な灰色の髪に、凛とした強い瞳を持った、少女が立っていた。

あれが、柊真昼。

柊の天才様だ。その天才様が壇上立つと、あれほど賑わっていた講堂は、千人を超える人間がいるとは思えないほどに、静まり返った。

 

「ご紹介、ありがとうござます。柊真昼です。今日は、新入生代表としてご挨拶させていただきます。よろしくお願いします」

 

彼女はまるで、歌うように滑らかに、挨拶を続けていく。

その様子は、2年前をまったく変わらない。

五士には聞こえない大きさで、隣にいる聖夜に話しかけた。

 

「聖夜、あれに……勝てるか?」

「う~ん、どうかな? やったことないからわかんないや」

 

返ってきたのはあいまいな答えだった。

柊に復讐するためには、あの天才様に勝てなくてはならない。

どうやったら勝てるのか、ということを考えていると、いつのまにか挨拶は終わり、集会もお開きとなっていた。

 




今回は繋ぎの話となりました。
次話は、ストーリーが進むようにがんばって書きたいと思います。

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