名探偵コナン~選ばれた二人の物語~   作:雪夏

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家庭訪問編その3
ようやく訪問します。


File05 日常 家庭訪問編 その3

 

 

 

 

 

 

 

ここは東京都米花市米花町5丁目毛利探偵事務所前。

そこに帝丹小学校1年B組担任、小林澄子の姿があった。

 

 

「はぁ。とうとう来てしまったわ……。気をしっかり持つのよ澄子!大丈夫、大丈夫よ」

 

 

事務所の扉前で呼吸を整えること数分。

ついに決心したのか扉をノックする。するとすぐに中からどうぞと招きの声がする。

意を決し扉を開ける小林先生の姿は家庭訪問に来た教師というより、難解な事件の依頼者であると言われた方が納得できる姿であった。

 

 

「こ、こんにちは!わ、私江戸川コナン君の担任の小林と申します。

今日は家庭訪問「先生!落ち着いて!」……コナン君?」

 

「おじさんは今トイレに行ってるから少し待ってて。それと緊張しすぎだよ?

今日で最後なんだからいい加減慣れたでしょ?」

 

「ええ、家庭訪問には大分慣れたけど。ほら、今日は名探偵の毛利小五郎さんとでしょ?

名探偵にお会いすると思うと緊張して(言えない、アナタのせいだなんて……)」

 

「ハハハ、普段は普通のオジサンだから緊張しなくていいよ(本当、大したことねぇから)」

 

 

「いや~お待たせしたみたいで、すみませんな」

 

そこに小五郎がトイレから出てきた。流石にバツが悪そうな顔をしている。

その後、お互いに自己紹介をして話を始める。

 

「本来なら玄関先の方がいいんでしょうけど。すみませんねえ、事務所を離れられなくて」

 

「いいえ、そんな。そもそも保護者の方々に玄関先の方がご迷惑をかけないだろうってことですし。毛利さんがこちらの方が都合がいいのなら場所なんて……」

 

「それで?コイツは学校ではどうですか?生意気言ってませんか?」

「いえ、そんなことは……」

 

コナンの頭に手を置いた小五郎が話を向け、本格的に家庭訪問がはじまった。

流石は名探偵と言えばいいのか、腐っても探偵と言えばいいのか。小五郎の話術で小林先生

の緊張もすっかりほぐれたのか和やかに家庭訪問が終わる。

 

 

「あら、もうこんな時間だわ。まだまだコナン君のことをお伝えしたいところですが、

 あと一つ残ってますのでここでお暇させていただきます」

 

「おお、そうですか。いや~こんなに美人な先生ならいつでも家庭訪問していただきたいものですな」

 

「ふふっ、お上手ですね。それと、また今度プリントを配布しますが七月には授業参観と懇談会がありますのでお時間よければ是非!」

 

「ほう、授業参観ですか。確か4月にもあったような?」

 

「ええ、そうなんですが今回は懇談会のついでって感じですね。前回は懇談会はありませでしたから」

 

「そうなんですか。ええ、是非行かせていただきますよ」

 

「ありがとうございます。名探偵さんがいらっしゃれば他の保護者様たちも喜ばれますわ」

 

一通りの社交辞令をかわしながら小林先生を見送ろうと扉前まで移動すると、

小五郎の携帯電話がなりだす。

 

「おっと、すみません。娘からです」

 

「いえ、どうぞお気にせず」

 

「そうですか?じゃ失礼して……なんだ、蘭?えっ家庭訪問?今終わるとこだ……で?」

 

小五郎が電話にでると小林先生はコナンと目線を合わせるためにかがみ込む。

 

「それじゃ、コナン君また明日。劇の練習も頑張ろうね、なんたって主役なんだし」

 

「ハハハ……。先生、帰りに光彦のヤツ張り切ってたから明日には台本できてるかもよ」

 

「そ、そうなの?助かるんだけど、あの子は張り切りすぎっていうか……」

 

コナンの言葉に考え込む小林先生。その脳内では明日の光彦に気をつけるという文字が。

そんな彼女を見てコナンは思う。きっと明日もこの人は光彦に振り回されるだろう……と。

 

「おい、コナン。小林先生どうしたんだ?」

 

「あっ、おじさん。大丈夫だよ、すぐ元に戻るよ。で、蘭姉ちゃん何だって?

 今日から遠征でしょ?」

 

「ああ、そうなのか?蘭のヤツは家庭訪問がどうだったか心配だったんだと。

あと阿笠博士に宜しくだってよ。それよりお前もう準備出来てんのか?

俺もこのあとすぐ出るからな」

 

「大丈夫だよ。ほら、そこに準備してるでしょ。じゃ僕もこのまま先生と一緒に行くよ」

 

電話を終えた小五郎とコナンが話をし始めたのに気づいた小林先生は、

話しかけるタイミングを見計らっていた。

黙って聞いていると、自分の名前が出てきたのでそれをきっかけに話しかける。

 

「あの、コナン君。私と一緒に行くってなんのこと?」

 

「あっ先生。それは行きながら話すよ。時間もあまりないでしょ?」

 

「俺もそろそろでないとマズイな。いや~先生、大したお構いもできませんで。

これからもコナンを宜しくお願いしますね」

 

「ほら、先生!いくよ!」

 

「へっ?あ、そんなこちらこそ長居してしまったようで。本日はありがとうございました」

 

問いかけても小林先生が望んだ答えは得られず、疑問が解消しないまま事務所の外に連れ出される。それでも小五郎に挨拶ができたのはこれまでの経験の賜物か。

 

……頑張れ、小林先生!残る家庭訪問はあと一つだ!

 

 

「コ、コナン君?分かったから、何かよくわからないけど分かったから。手、手を離して!」

 

 

 

 

 




家庭訪問その3でした。
阿笠宅へは次の話で。

それにしても蘭が出てこないな
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