名探偵コナン~選ばれた二人の物語~   作:雪夏

3 / 82
灰原さん視点
時系列は1話と同じころです



File02 灰原嬢の独白

シェリー

 

 

組織にいた頃のコードネーム

 

 

二度と呼ばれたくない名前

 

 

 

宮野志保

 

 

お姉ちゃんだけが呼んでくれていた本当の名前

 

 

もう呼んでくれる人のいない名前

 

 

 

灰原哀

 

 

居候先の発明家や可愛らしい同級生たちが呼ぶ名前。

 

 

推理小説から名前を取った“彼”にならい名づけた新しい名前

 

 

 

 

 

組織の研究員として薬の開発を行っていた私にとって、姉との時間が唯一の楽しみだった。

そんな姉が死んだと聞いたとき私はすぐに理解した。

 

姉は組織の人間に殺されたのだと。

 

私は研究を放棄し真実の提示を求めたが監禁され、隠し持っていた薬“APTX4869”を服用し自殺を図り死ぬはずだった。

 

しかし、私は死ぬことはなく幼児化しそのおかげで組織から逃げ出すことができた。

 

私には身寄りがいない。唯一の身内は殺された姉だけだ。

信頼できる人物などいないし、まして幼児化したなど誰が信じるのだろう。

 

行くあてのない私にとって同じく幼児化したと思われる“工藤新一”だけが頼りだった。

 

悪でしかない私が頼れるのが正義である“工藤新一”だけ。

なんて皮肉なことだと少しだけおかしかった。

 

“工藤新一”の隣人である阿笠博士に保護されてからは、事情を説明し姉の事件について可能な限り調べた。

姉を殺害した犯人については推測の域を出ることはなかったが、やはり組織の人間が殺害したのだと確信に至った。

その過程で幼児化した“工藤新一”が姉の起こした事件に関係していたと分かったときは運命の存在を考えたりもした。

 

“工藤新一”について、死亡確認にリストを書換えたあとは調査できてなかったので後に自分で観察することとし、人となりについては博士に尋ねることにした。

 

阿笠博士に拾われてから数日が経過したある日私は小学校に転校した。

人生で初めての小学校に緊張したが、そこには初めて会う幼児化した“彼”がいた。

隣の席に座り彼と接触することができた。“彼”と更なる接触を図ろうとしたが何が珍しいのか子供たちが話しかけてきて邪魔ばかりしてくる。

帰宅時には少年探偵団に“彼”が所属していたりと予想以上に馴染んでいることにはびっくりしたりもした。

 

 

結局偽札事件を解決するなんて予定外のこともあったが、十分に観察することができたので思い描いていた予定よりも早く私は“彼”に正体を明かすことにした。

 

 

薬の開発者だと知った彼は私を糾弾し罵倒した。

 

当然だ。

 

幼児化したこと、組織を裏切って命を狙われていることについて同情されることを期待していたわけではない。

恨まれて当然、何かをされたとしても文句を言うつもりもない。

 

 

私の開発した薬で命を奪われた人がいる。

人生を狂わされた“工藤新一”がいる。

 

 

なによりも真実を求める“彼”に偽りの仮面をかぶらせ周囲を欺かせ続けている。

 

それは変えることのできない、忘れてはいけない私の罪なのだから‥‥‥

 

 

薬の“被験者”と“開発者”

“被害者”と“加害者”と言い換えるべきなのかもしれない。

 

それが“工藤新一”と“宮野志保”の関係なのだ。

 

 

その日の夜には、薬のデータを求めて訪ねた先で殺人事件に出くわしたり、“彼”にすがりついて泣いたりもしたがその時のことは思い出したくもない。

 

 

 

あれから数日たったけど“彼”が組織についても私についても聞いてきたのはあの日だけだった。警戒するような雰囲気も隠しているのか感じなくなった。

 

ただ一つだけ接し方が小学生としてのそれから彼本来のそれへと変わった。

まるで組織のことなど関係ないかのように、同じ境遇の仲間のように接するようになったのだ。

 

博士とともに普通に接してくれるのだ。

 

 

都合のいい勘違いなのかもしれない。

ただ逃げられないように優しくしているのかもしれない。

 

 

それでも“彼”と過ごし博士の優しさに触れていると少しだけ自分のことを忘れそうになる。

 

そんなとき声が聞こえてくるのだ。

 

鏡を見るたびに聞こえてくる声 “あなたは誰‥‥‥?”

名前を呼ばれるたびに聞こえてくる声 “宮野志保から逃げるのか”

博士を見るたびに聞こえてくる声 “早くこの厄介ものをどうにかせんとのぉ”

 

 

そして、小さくなった“彼”を見るたびに‥‥‥聞こえる“彼”の声

 

 

 

“お前のせいでこうなったんだ‥‥‥返せよ。俺に工藤新一を”

 

 

 

 

 

 

灰原さんまたコナン君のこと見てる。

 

あ、歩美は帝丹小学校1年B組 吉田歩美です。

幼稚園から仲のいい光彦君と元太君、それから歩美の大好きなコナン君に最近転校してきた灰原さんと少年探偵団をやってます。

依頼は元太君の下駄箱に手紙をだすか放課後に1年B組に直接きてね。

 

灰原さんは、綺麗な明るい茶色の髪のとっても可愛い女の子なの。

転校してきた日に歩美たち少年探偵団と一緒に事件を解決してからはコナン君とよく話をして一緒にいるところを見かけるんだよね。

 

転校してきたときもコナン君の隣に座るし、あの時は緊張してるのかなって思ったけどもしかしてコナン君のこと‥‥‥

 




友情出演 歩美ちゃん

シリアスっぽくなってしまいましたが登場初期の頃なんでしょうがないのです
シリアス苦手なので次からは軽くしていきたいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。