今更ですが、この小説は映画などをパラレル扱いしていません。
なので、映画でしか出ていない人物やアイテムなども今後普通に出てきます。
注意:映画を視聴済であること前提で、所々省略しています。
未視聴の方には厳しいかもしれません。また、独自設定も含まれています。
八月二十二日 新大阪駅
怪盗キッドが狙うメモリーズ・エッグがある大阪にコナンはやってきていた。
小五郎への依頼に関係のないコナンと蘭は同行できないはずなのだが、ある人物のおかげで同行が許されたのだ。
その人物とは――
「ら~ん。こっちこっち」
――毛利蘭の同級生、鈴木園子である。
鈴木財閥のご令嬢である彼女が蘭とコナンを誘った為、コナンはキッドとの対決の機会を得たのである。
「お、ガキンチョはスケボー持参か~。
まぁ、キッド様が現れる時間まで暇だけど、それ暇つぶしに向いてないんじゃない?」
「いいの(キッドを追うのに使いますなんて、誰も信じねぇよな)」
改札の外で待っていた園子は合流するなり、コナンの持つスケボーにツッコミを入れる。
既に小五郎と蘭にも言われていたコナンは一言返すだけだった。
「さ、車を待たせてるんだ。行こう?」
園子に先導された先に待っていたリムジンに驚愕したりしたが、鈴木近代美術館へと向かう一同。その車中で園子が運転手の西野真人を三人に紹介する。
「運転してくれているのは、パパの秘書の西野真人(にしのまさと)さん。」
「よろしく」
「彼は海外をずっと旅して回って、英語、仏語、ドイツ語がペラペラなんだよ。
それで、最近はパパの通訳も兼ねてるんだって」
園子の紹介に感心する一同。そんな中コナンが西野に質問をする。
「仏語やドイツ語ってことは西野さん、ヨーロッパを回ってたの?」
「ん?ああ、学生の頃はそうだったかな。フランス、ドイツって回ってね。あとは中国も行ったよ。それに今でも、長期の休みがあれば旅して回っているんだ」
「へ~、じゃあ中国語も喋れたりするの?」
「少しだけどね。ロシアとかも回ってみたいんだけど、最近はなかなか。
一応、ロシア語の勉強はしているんだけどね」
「パパが海外企業との交渉を始めたからね。西野さん通訳としてパパにつきっきりなんだ」
「ほ~。優秀ってのも考えものですな~。自分の時間も取れないでしょう?」
「そうでもないですよ。今度のプロジェクトがある程度進めば休みですし」
「じゃあ、その時ロシアに行くの?」
「どうかな。っと、着きましたよ。鈴木近代美術館です」
――鈴木近代美術館
鈴木財閥が世界中から収集した美術品のうち、近代芸術に分類される美術品の展示を行う施設である。OPENを翌二十三日に控えており、先月鈴木家の蔵から発見されたインペリアル・イースター・エッグ――メモリーズ・エッグ――を目玉に近代ロシア展を行う予定である。
現在は怪盗キッドの襲来に備えて厳重な警備体制が敷かれている。いたるところに警察官を配置し、上空を警察ヘリが飛び回る様はまさに蟻の入る隙間さえないといった様子である。
そんな美術館を眺めるコナン達だったが、先程入ってきた門の付近が騒がしいことに気づく。門の方向を振り向くと。そこには警察官に止められている男性が一人。そばには、バイクとその男性を宥めようとしている女性が一人。
「なんで入れんのや!!」
「ですから、関係者以外の立ち入りはご遠慮……」
「平ちゃん、無理言わんといてぇな……。今日は本庁の人たちもおるんやで」
「なぁ、平次?ここは一旦諦めて、蘭ちゃんに電話しようや」
「アホ抜かせ!何のために此処まで来たんや!アイツらにサプライズするためやぞ!」
「せやけど……」
その姿を確認したコナン達が騒動の元へと向かう。いつの間にか男性と女性が喧嘩し始め、それを警察官が仲裁しようとしている。その様子にコナンと小五郎は呆れ、蘭は苦笑している。そんな蘭に園子が男性達について質問をする。
「もしかして……彼が“西の高校生探偵”服部平次君?うるさいけど、いい男じゃない」
「ダメダメ。服部君には幼馴染の和葉ちゃんがいるもの。それに今は喧嘩して「みりゃ、分かるわよ。新一君と蘭にそっくりだもの」……そう?」
「あっ、今、私と新一もあんな風に……って思ってるでしょ?ハァ……私にも幼馴染の男がいればな……」
「園子には京極さんがいるじゃない」
「だって、真さん夏休みの間は武者修行とか言って、海外に行っちゃたんだもの」
「きょ、京極さんらしいね……」
園子と蘭が会話している間に、コナンと小五郎に気づいた平次が声をかける。
「おお~工藤。中入れてくれるよう頼んでくれや」
「もう、またコナン君のこと工藤って言う」
平次の工藤呼びに蘭が文句を言う。何度言っても工藤と呼ぶ平次に少々呆れてもいるようだ。平次は自分を睨むコナンに気がついたのか、マズイと慌てて誤魔化す。
「工藤やなくて、苦労や苦労。出迎えご苦労さんっちゅうこっちゃ」
「え?でも、昨日平次バカみたいに工藤が来るって……」
「お前は黙っとれ!で、オレら入れてくれるんか?」
「いいよ、いいよ。蘭の友達だし」
「おっしゃ!ネェちゃん、おおきに」
「ハハハ、私は鈴木園子。蘭の友達よ、よろしく」
「おう、ネェちゃん!オレは服部平次。で、こっちが和葉や」
「ちゃんと紹介してや!園子ちゃんでいい?アタシは遠山和葉。和葉でええよ?この黒いのの幼馴染や」
「黒いのって……お前なぁ」「ホントのことやん」
自己紹介を終えるなり喧嘩をしだす平次と和葉。
そんな二人に呆れながらも、警察官に大丈夫だと言って二人を中に入れるよう告げる。
元々、身元を疑っていた訳ではないので鈴木財閥の令嬢が許可を出すのならと、警察官も二人を中に入れることを許可する。
園子と西野に案内され、一同は鈴木会長が待つ会長室へと向かう。
会長室までの道中、小五郎は展示されている美術品に目を向けながら歩く。和葉はすぐに打ち解けたようで、美術品には目もくれず園子と蘭と会話している。
最後尾を歩くコナンに平次が近づき話かける。
「どうや、びっくりしたやろ?」
「そりゃ、知り合いが警官と揉めてたらな」
「そやろ、そやろ……ってそっちと違うわ!オレが此処におるって「ああ、そっちは知ってた。蘭と和葉さんが電話してたから」……和葉のヤツ、そんなん言うてへんかったぞ?」
「そんなのオレが知るかよ……。それより、人前で工藤って呼ぶのやめろよな」
「スマン、スマン。何でか慣れへんのや」
「いっそ、ボウズって呼ぶか?」
「あんなぁ、俺を舐めんなや。次はミスらん」
自信満々に答える平次に疑惑の目を向けるコナン。そんなコナンの視線に気づいたのか、話題を変える平次。
「それより、お前エッグ見たんか?」
「いや、まだだ。写真も見てねぇ」
「なんやお前もか。どんなんか聞いたろ思うたのに。
ま、すぐに実物見れるやろし、ええか」
「みたいだな。西野さんが離れてく。さっき電話で“エッグをですか?”って聞き返して
たから、きっとエッグを取りに行くんだろうな」
「噂の怪盗キッドが狙うお宝か……。なんや、楽しみになってきたで」
一同が会長室へと入ると、そこには警官の他に五人に人物が座っていた。
その内の一人――鈴木会長――が立ち上がり、一同を歓迎する。
平次と和葉を知らない鈴木会長に、園子が彼らを紹介する。その際、平次の言葉遣いでひと悶着おきたりしたが、そのまま会長は他の面々の紹介にうつる。
「ご紹介しましょう。ロシア大使館の一等書記官の“セルゲイ・オフチンニコフ”さん」
「よろしく」
紹介されて立ち上がったのは、体格のいい男性。彼は流暢な日本語で挨拶をする。
その後も、セルゲイの隣に座っている男、その隣りの女性、そしてカメラを片手に持つ男性の順に紹介していく鈴木会長。
「商談で訪れた美術商の“乾将一(いぬいしょういち)”さん」
「その隣りの彼女がロマノフ王朝研究家の”浦思青蘭(ほしせいらん)”さん」
「そして、エッグの取材撮影をいち早く申し込まれた、フリーの映像作家“寒川竜(さがわりゅう)”さん」
商談という言葉に反応した小五郎が、値段を尋ねたのがきっかけでセルゲイと乾がもめ出す。その後も、寒川が青蘭に絡むなど険悪な雰囲気が漂う。彼らは皆、理由は違えどエッグを狙っているのである。
そんな様子を見たコナンたちは、キッド以外にもエッグを狙うものが多いことに驚いていた。
そんな雰囲気を察したのか、鈴木会長がエッグのことは後日にと伝える。セルゲイたちもキッドのことは聞いていたので素直に退出する。
そこに、両手に桐の箱を持った西野が入れ違いで入室して来る。西野は軽く頭を下げ、セルゲイたちを見送る。セルゲイたちは西野を気にも留めずその脇を通過していくが、一人寒川だけが西野を見るなり、避けるようにして退出していく。
「おお、西野君。エッグをテーブルに置いてくれ」
鈴木会長に促され桐の箱を机に置く西野。そのまま、飲物を用意しに退出する。
「さぁ、皆さんどうぞ。エッグをお見せしましょう」
鈴木会長に促されソファーに腰掛ける一同。
――今、ロマノフ王朝の秘宝が姿を現す
ようやくの登場、服部平次。
好きなキャラなので電話とかで登場させたかったのですが、関西弁が難しい……
それにしても、登場シーンがなんでこんな感じになってしまったのだろう?
あ、蘭ちゃんもようやくの登場ですね。30話目にしてようやくの登場ですか……
蘭の人物像がいまいち掴めてない気がするのが原因でしょうが……
この話を書いてる途中に買い物に出かけた時、リムジンが走ってました。
初めて見ました。リムジンって本当に長いですね。
それにしても、あんなところを何故走っていたのだろう
ご意見・ご感想等頂けましたら幸いです。