UA12000突破。お気に入り登録数も120件を越えました。
ありがたいことです。これからも拙作にお付き合い頂けましたら幸いです。
注意:映画を視聴済であること前提で、所々省略しています。
未視聴の方には厳しいかもしれません。また、独自設定も含まれています。
独自設定はFile00 独自設定を参照ください。史実との矛盾点なども含まれます。
お知らせ:活動報告にアンケートその2を掲載しております。ご協力の程お願いします。
メモリーズ・エッグは傷がないかを確かめる為、鈴木財閥所有の船で東京に持ち帰られることになった。
乗船しているメンバーは、東京でのパーティーに参加する鈴木親子、秘書の西野、パーティーに招待されている毛利親子にコナン。そして、エッグの取材で同行することになった寒川。エッグの無事を確認しに来た際に鈴木会長に誘われた青蘭、セルゲイ、乾の三人。
そして、昨日エッグについて話がしたいと訴えていた二人――香坂夏美と執事の沢部。
船の乗務員を除けば、この十二人が船に乗っていた。
金庫室前に、その十二人の人間が集まっていた。
この船は、鈴木財閥がパーティや商談の際に使用する為、金庫室の前にソファーが置かれており、すぐ商談ができるようになっている。そして、現在その金庫に安置されているのが、メモリーズ・エッグである。
西野がエッグを金庫室から運んでくると、昨夜エッグについて話したいと訴えていた女性――香坂夏美――が口を開く。
彼女の話によると、彼女の曽祖父である香坂喜市はロシアの宝石職人ファベルゼの弟子の一人であったと言う。喜市は現地でロシア人女性と結婚、ロシア革命後日本に帰国した頃、女の赤ちゃん――夏美の祖母――が誕生し、曾祖母が亡くなった九年後に曽祖父も他界したそうだ。
そして、祖母が先月亡くなった際、遺品の整理中に香坂喜市によって書かれたと思われる図面を見つけたそうだ。
「それが、この図面です。真ん中の部分が破れてしまっているのですが……」
そう言うと、夏美は図面をテーブルに広げる。夏美の言う通り、図面は中心部分が破れており二枚に分かれていた。そして、その図面にはエッグのデザイン画と走り書きが書かれており、左隅には”MEMORIES”とはっきりと記載してあった。
それを確認すると鈴木会長が口を開く。
「確かにメモリーズと書かれていますな。デザインも一致するところがあります。ただ……」
「ええ、私もパンフレットを拝見させて頂いたのですが、図面には宝石が……。それで、鈴木会長とお話できないかと昨日大阪へ」
「ふむ……。この図面を見る限り、幾つか走り書きがされていますな。最も、重ねて書かれていたり、かすれているので字を解読することは難しいですな。そして、エッグのデザインも宝石が付いていなかったりと、多少違うところもありますな」
図面を見ながら事実を確認していく小五郎。
「となると……。これは、作成途中か構想段階での図面……。メモという可能性もありますな。デザインを決めたあと、素材などを書き込んだのでしょう。それで、その段階では宝石を使用する予定だったか、もしくは何らかの理由で宝石を取り外すことになったか……」
「おお、流石は毛利さん。それなら、納得できますな」
小五郎の推理に感心する面々。コナンも素直に感心する。しかし、まだ引っかかるところがあるのか、図面を見つめている。
(おっちゃんの意見にはオレも賛成だ。でも……この図面にはまだ違和感がある。なんだ?この違和感は……?……ハッ!?)
図面を眺めていたコナンが、何かに気づいたかのように顔をあげる。
「ねぇ?もしかしたら……エッグは二つあったのかもしれないよ?」
「えっ?」
その発言にその場にいた全員がコナンに注目する。コナンは一枚の縦長な紙に見えるように図面を動かす。
「ほら、こうすると……エッグの大きさが合わないよ?」
「本当だわ……。輪郭がズレてしまうわね」
「となると……。こういう風に、もっと大きな紙に二つのエッグを並べて書いたってことか」
今度は小五郎が、紙を横に動かす。
「なるほど……。これなら、エッグのデザインの違いにも納得できますな」
二つ目のエッグ――それも未発見のもの――の情報にその場は騒然となる。
未発見のものを含めて五十数個あると言われるエッグ、その一つが図面だけであるが見つかったのである。
そんな周囲の動きを気にすることなく、コナンはなぜ”MEMORIES”と図面に書かれているのか、その理由を気にしていた。ファベルゼの資料にはロシア語で書かれていた。走り書きにも所々、英語が混ざっている。ファベルゼが書いたのなら、それらは全てロシア語の筈であるし、喜市が書いた場合もロシア語で書くのではないだろうか。そんな疑問があるのだ。
(可能性としては……喜市さんはロシア語より英語の方が得意だった、もしくは……書く時は英語だったって所か?)
そう考えながら、コナンは図面を見る。宝石の有無から考えて、下部しか残っていない絵が、ここにあるエッグになるであろう。つまり、このエッグより大きなエッグが存在する可能性がある。
コナンは図面とエッグを見比べる為、鈴木会長にエッグを触ってもいいか確認する。
「ねぇ、会長さん。エッグをもっとよく見ていい?出来れば手にとって」
「ん?ああ、いいよ。西野君、手袋を……って子供サイズのはないか。まぁ、素手でもいいでしょう、でも、落とさないように気をつけるんだよ?」
快く許可を出した鈴木会長に礼を述べると、エッグを手に取るコナン。上から順に、観察するコナン。その様子を、小五郎はハラハラしながら見守る。
(頼むから壊すなよ~。八億とかするんだからな、分かってるよな?な?)
そんな小五郎の願いなど露程も知らないコナンは、そのまま観察を続ける。そして、底に鏡のような物が取り付けられていることに気づく。
「ねぇ、ここに鏡みたいなのがあるけど……」
それに答えたのは、鈴木会長ではなく園子だった。
「あ、その鏡?あとから取り付けたみたいで、よく外れるのよね~。何なら外してもいいわよ。いいよね、パパ?」
「ああ、構わないよ。でも、鏡だから気をつけてね。割れると危ないから」
「そうね。割れると危ないから、私が外してあげる。ほら、貸してみな、ガキンチョ。よ……っと。ほら、怪我しないよう気をつけなよ?」
「ありがと、園子姉ちゃん!!(園子も園子だが……いい人すぎんだろ、会長さん)」
園子から鏡を受け取るとコナンは鏡を見回す。何かしら文字などが刻まれていないかと期待していたが、そのようなことはなかった。何故、鏡が付いてあるのかは分からないが、特に仕掛けもないようだと戻そうとしたその時。コナンは反射した光に何か像が写り込んでいることに気づく。
「これは……?そ、そうか! 西野さん、この部屋の明かりを消して!それと……セルゲイさん、乾さん!その壁の前を空けて!」
「あ、ああ……」
西野が言われた通りに部屋の明かりを消す。それと同時にセルゲイと乾も壁面にスペースを空ける。
「こら、お前はまた何を勝手に!!」
怒鳴る小五郎を気にせず、コナンは腕時計を取り出すとライトを点灯する。その光を鏡に反射させ、セルゲイと乾が移動した際に空いたスペースに反射させた光を当てる。コナンがゆっくりと後ろに下がるにつれ、その光の中に写る像が次第にはっきりしてくる。
やがて、その像ははっきりとある物を写し出す。それは城の絵であった。
「こ、これは……何故光の中に絵が!?」
「魔鏡さ……鏡に特殊な加工をしていてな。鏡を見ても何の変哲もないが、こうやって光を当てると絵が浮かぶようになってるのさ」
驚きの声をあげるセルゲイに乾が説明する。そんな中、映し出された城に夏美が声をあげる。彼女によると、写っている城は横須賀にある城に間違いないと言う。帰国した曽祖父が建てた城で、香坂家が所有しており、たまにCM撮影などに貸しているそうだ。
再び明かりを点けると、考え込んでいた小五郎が一つの仮説を打ち出す。
それは――
「夏美さん。曽祖父である香坂喜市さんは、ロシア語が得意でしたか?」
「え?……そうですね。得意だったかは分かりませんが、日常会話は出来ていたかと。曾祖母は日本に来るまで、日本語を話せなかったそうですから」
「では、英語はどうでしたか分かりますかな」
「えっと……沢部さん?」
「喜市様は英語が達者であったようです。英語で書かれた手記も、幾つか残っております。それに、大奥様が言っておられました。喜市様はメモをする時は、日本語よりも英語で書いてしまう、と」
「そうですか……。夏美さん。このエッグはアナタの曽祖父である喜市さんが作ったのかもしれませんな」
「え?」
「図面のこの部分をよく見てください。かすれていますが、英語で書かれているでしょう?それに“MEMORIES”……これも英語です」
その言葉で、図面を覗き込む面々。小五郎が指し示した箇所には、確かに分かりにくいが“GREEN”と書かれている。
「おそらく、これは喜市さんが描いた完成予想図、またはそれに近いものなのでしょう。そして、この図面に素材や色を書き加えていったんです。それが、英語の部分なのでしょう。訂正した痕跡もみられますからな。」
「じゃあ、ロシア語は誰が書いたの?お父さん。喜市さん?」
「多分、ファベルゼか他のお弟子さんだよ。その図面を見せて意見を聞いてたんだよ。だよね?おじさん」
「ああ。昨日見た資料でエッグのタイトルがロシア語だったのは、あれがファベルゼの資料だったからだろう。それか、”MEMORIES”ってのは喜市さんが付けた仮題かもしれないな」
小五郎の推理は続く。
「そして、おそらくこの二つ目のエッグに付いている宝石。これの内、幾つかを帰国した後に売り払い、横須賀に城を建て、もう一つのエッグ……つまり、このエッグに魔鏡でメッセージを残したんです。もう一つのエッグは此処に隠した、と」
「「「おお」」」
小五郎の推理に皆が興奮を帯びた声を漏らす。全て、推論の域を出ないなのだが説得力があること、何より未発見のエッグが魔鏡の示す城にあるかもしれないのだ。
そこに、夏美がバッグから取り出したあるものがその信憑性を高める。
「実は……図面と一緒にこの鍵も見つかったんです」
それは、古い鍵であった。それを見た小五郎は自分の推理に確信を持つ。
「それこそ、エッグの隠し場所の鍵に違いありません!!」
一同は顔を見合わせると、口々にエッグについて語りだす。
「もし、二つ目のエッグが発見されれば……幻のエッグということに」
「未発見な上に宝石も、となれば……十億を越すかもな」
「……毛利さん、東京に戻ったら一緒にお城に行っていただけませんか?」
「いいですとも。ご一緒しましょう」
夏美が小五郎に城へ同行してくれないかと尋ねると、その場にいた面々も同行を申し出る。
皆がエッグを欲していることを、改めて理解したコナンは、自分も同行したいと訴える。
「僕も、僕も行きたい!」
「コナン君!明日は園子のとこのパーティーに行くんでしょう?お父さんも招待されてるでしょ!」
それを蘭が咎める。蘭としては、二つ目のエッグに興味は然程ない。見てみたいとは思うが、それは実物が見つかった後で十分であり、あるかどうかも分からない物を探しに行くよりはパーティーの方がいいのだ。
「いいんですよ、蘭さん。毛利さんのお力があれば、二つ目のエッグも見つかるかもしれませんし、パーティーなんて次の機会でもいいんですから」
「そうよ、蘭。パーティーなんて、しょっちゅうしてるんだし。それとも、蘭だけ来る?私としては城の方に行きたいんだけどね。流石に私は欠席できないし」
鈴木会長と園子に別にエッグを優先して構わないと告げられる。
正直、パーティーの方が楽しそうなのだが、小五郎とコナンには保護者が必要だと、蘭も同行することにした。
そんな蘭を気にすることなく、楽しそうにする小五郎とコナン。小五郎に至っては先程まで、推理を披露していた真面目な雰囲気から打って変わり、美女とお城に行くというシチュエーションに締りのない笑顔を浮かべている。
「ダメだ。コナン君よりお父さんが心配だわ……」
あのあと、一度解散し夕飯までは自由に過ごすことにした一同。
コナンは蘭と一緒に、毛利一家に割り当てられた二部屋の一つ、蘭の部屋にいた。
「いいこね~。……っと、よし。これで大丈夫。包帯も代えたし、出血も止まってる。後は傷が塞がれば飛べるようになると思うわ。良かったね、コナン君」
「うん!」
二人は、昨夜コナンが保護した鳩の包帯を代えたところだった。そこに、部屋のドアをノックする音が聞こえる。蘭がドアを開けると、寒川がカメラを構えて立っていた。どうやら、各人の部屋を訪ね歩きながら、ドアを開けた時の反応を撮影しているようである。
去っていく寒川に呆気にとられていると、園子が西野と夏美を連れて遊びにくる。部屋へと蘭が通すが、西野は部屋の中を覗くなり、遠慮しますと言って走り去っていく。西野の行動に呆気に取られる蘭と夏美であったが、気を取り直して部屋へと入る。部屋の中には、人に驚いたのか羽ばたく鳩と、ニヤケ顔の園子とその園子を不審そうに見るコナンの姿があった。
「はは~ん。さては、美女ばかりで照れたんだな、西野さん。よっしゃ、行くぞ、おチビちゃん。あ、もう一人の美女連れてくんね!」
園子は蘭にそう告げると、コナンの手を引き強引に連れて行く。抵抗も虚しく連行されるコナン。
「さ、私たちはお茶の準備でもして待ってましょうか。夏美さんは座っててください」
「あ、手伝います」
園子に連行されたコナンは、青蘭の部屋の前に来ていた。園子が用向きを告げると、快く応じた青蘭の準備が整うのを待っているのだ。
待っている間、コナンは部屋の様子を何の気なしに眺める。本来は失礼に当たる行為ではあるが、ドアが開け放たれたままなのだから仕方がないと、コナンは自己弁護する。
そこで、机の上に写真立てがあることに気づくコナン。写真立ての裏に“Gregory”と書かれているから、人が写っているのだろうが、流石に、誰の写真かを聞くことは戸惑われた。
しかし、園子は躊躇なく写真のことを聞く。
「あ、もしかしてそれ、彼氏の写真ですか?」
「ええ、まぁ。行きましょうか」
「いいな~。私も真さんの写真欲しいな~」
「彼氏さんですか?どんな方なんです?」
園子の質問に、青蘭は写真を見られるのは恥ずかしいのか、写真立てを伏せる。部屋の外で青蘭と合流したコナンと園子は、園子の真語りに耳を傾けながら、蘭たちが待つ部屋へと向かうのだった。
蘭の部屋では、美女四人と少年一人が紅茶を飲みながら話をしていた。
「へ~。夏美さん、二十歳の時からずっとパリで暮らしているんですか」
「ええ。そのせいか、時々変な日本語使っちゃうのよ。そういえば……子供の頃から妙に耳に残ってる言葉があるのよね」
「へ~。なんて言葉なんですか?」
「『バルシェ・ニク・カッタベカ』」
「「え」」
「バルシェは肉を買ったかしらって意味だと思うんだけど……」
意味の分からない言葉に、確かに妙な言葉だと一同が納得する。一同が首を傾げていると、コナンが夏美に瞳の色のことを聞く。
「夏美さんの瞳の色って……灰色?」
「そ、灰色なの。祖母も母もこの色だったから、多分曾祖母の色を受け継いだんだと思うの。綺麗でしょ?」
「うん!」
コナンと夏美のやり取りを聞いていた蘭が、青蘭に瞳のことを尋ねる。
「そう言えば、青蘭さんの瞳も灰色じゃないですか?」
「本当だ!中国の人も灰色なのかな?」
青蘭は微笑むだけで、答えはしなかったが蘭はそれで構わなかったらしく、話題を名前のことに移す。同じ蘭という文字が名前に入っていることに、親近感を覚えているようだ。
「
この言葉をきっかけに、青蘭によるミニ中国語講座、名前編が始まる。それを横で聞いていた夏美が、青蘭に年齢を尋ねる。すると、同年代であり誕生日も夏美が五月三日、青蘭が五月五日と二日違いであることが判明する。さらに、コナンもその話に加わる。
「じゃ、二人とも僕とは一日違いだね!」
その言葉を聞き、考え込む蘭。コナンの誕生日と新一の誕生日が、同じ日であることに思うところがあるようだ。
そんな蘭の様子に気づくことなく、コナンは夏美たちと話を続ける。
「じゃあ、コナン君は五月四日生まれなの?」
「そうだよ」
「偶然ってすごいわね。じゃ、コナン君は今何歳なの?」
「僕?今七歳だから……夏美さん達とは二十歳以上離れているね」
「二十年前か~。私は此処までしっかりしてなかったな~。青蘭さんは?」
「私もそこまでは……」
話がコナンにとってよくない流れになってきたので、コナンは強引に話を変える。
「ねぇ、パリってお菓子の本場なんでしょ?どんなお菓子があるの?」
「そうね~。コナン君でも知ってそうなのは……シュークリームかな?」
「シュークリームか~。前にテレビでやってたよ。シューってキャベツって意味なんでしょ?」
「そうよ。キャベツみたいな丸い生地をシュー生地っていうの。それにクレム、つまりクリームを入れたのが、シュークリームなのよ」
「シュー生地にクリームでシュークリームって、なんだか安直な名前ね」
夏美が説明をしていると、園子も話に加わる。やがて、蘭と青蘭も交えてお菓子の話で盛り上がり始めた。その様子を確認したコナンは、話題を反らせたことにホッと安堵していた。
お茶会が解散になった後、コナンは探検してくると言って、一人で船内を歩いていた。目的は船舶電話である。現在は、外洋を航行中である為、携帯電話では通じないのだ。
案内図通りに歩き船舶電話まで辿りついたコナンは、周囲に人がいないことを確認してから電話をかける。
『はい、阿笠です』
「灰原か?」
『……どちら様でしょうか』
「オレだよ、オレ」
『……携帯にかけなさいよ。アナタからの電話はタダなんだから』
「今、海上だからさ。携帯使えねぇんだよ」
『ふ~ん。何でそんなとこいるのかは聞かないけど……。用件は?』
「キッドについて何かニュースやってないか?新しい予告状とか」
『ちょっと待って。……何処もやってないけど、どうして?犯行は防いだんでしょ?』
「そうか……。やべっ、誰か来る。また、こっちから連絡する。じゃな」
『ちょ』
コナンは電話を切ると、何食わぬ顔で外にでる。すると、近くに夏美と青蘭がいた。
「あら?コナン君、そんなとこで何してたの?」
「船の中を探検してたんだ!二人は?」
「夕陽を眺めにデッキまで行こうかと思って。コナン君も行く?」
「行く~!!」
コナンは夏美と青蘭と一緒にデッキへと向かう。子供らしくはしゃぐコナンだが、その心中では冷静に考えを巡らせていた。
(キッドの情報がないってことは、警察はまだ昨日のことを伏せてるのか?新しい予告状もなかったってことは、二つ目のエッグのことを知らないのか……。それとも、機会を伺っているのか。あるいは……予告状を出すつもりがない)
次第にコナンは考え事に集中しすぎて、二人から遅れ出す。
(ん?待てよ?発見されていないエッグを盗むって誰に予告するんだ。……そうだよな、発見されていない物盗むのに予告状なんて出さないよな。くそっ、予告状が出されていれば、エッグを探すヒントになるって思ったのに……。気づけよ、オレ!電話代高いのに無駄なことしちまった!!)
コナンは頭を抱え猛省する。その様子は、今すぐにも壁に頭を打ちつけるのではないかと思う程であった。
その後何とか気を取り直したコナンは、夏美と青蘭とデッキを訪れ、先にテーブルについていた小五郎、鈴木会長、寒川の三人と合流する。そこで、青蘭は寒川の首にかかっているネックレス、正確には鎖が通してある指輪に注目する。その指輪は、ロシア語でマリアと掘られており、ニコライ皇帝の三女、マリアの指輪かもしれないと青蘭は言う。
何処で手に入れたのか問う青蘭に、寒川は答えず部屋へと帰っていった。
寒川が去った後、小五郎が真偽を青蘭に問うが、青蘭は詳しい鑑定の出来ない船上では“可能性がある”としか分からないと答える。
その約三時間後の午後八時――
――寒川は割り当てられた部屋で、物言わぬ姿で発見された。
ようやくの投稿です。
途中、番外編に浮気していました。すみません。
拙作の小五郎さんは、たまに補正がかかります。
起きている時も、そこそこ優秀です。ですが、致命的に抜けているところもあります。
素朴な疑問なのですが、鈴木親子と毛利一家、西野、夏美さんが乗船しているのはわかります。寒川も撮影の為同行したのでしょう。
ですが、他の人は何で船に乗っているのでしょうか。特にセルゲイ。あんた外交官でしょ?
この理由が分からず、難儀してしまいました。最終的に強引にいきました。
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