名探偵コナン~選ばれた二人の物語~   作:雪夏

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思いつき。

時間軸は小学校六年の春。

※“EXTRA FILEについて”に閲覧時の注意事項があります。
先にそちらをご覧ください


EXTRA FILE04 第一回観察報告会

 

 

 

 

帝丹小学校生徒会室。普段は生徒会活動に使用される場所に、数人の生徒たちが集まっていた。その中の一人、生徒会長の席に座っていた人物が発言する。

 

「さて、僕たちが六年生、最終学年になって早二ヶ月が経ったわけですが……」

 

「そんな前置きはいいから、早く俺たちを集めた理由を言えよな」

 

「まぁまぁ、元太君。光彦君が生徒会長をしてるおかげで、生徒会室(ここ)を自由に使えるんだよ?少しくらい話が長くて、遠まわしでも聞いてあげなきゃ」

 

発言したのは順に、光彦、元太、歩美である。

彼らが何故、生徒会室にいるのかと言うと……

 

「それでは、本年度第一回目の観察報告会を始めます!!」

 

この為である。

 

 

 

――観察報告会

 

読んで字の如く観察したことを報告する会……ではない。観察報告会とは略称なのである。

非常に長ったらしい正式名称が別にあるのである。それは――

 

()てしまったこと、()してしまったこと、その他の目撃情()を皆で()白しあう()

 

それを略して観察報告会(・・・・・)

 

最初は会名もなく、三人で不定期に“ある二人”についての愚痴を言っていたのが始まりであった。

 

それが今では、五人の人間がそれぞれ集めた“二人”の情報を報告する会に成長したのだ。

今では年四、五回開催しており、その内容をまとめたものを会員――情報提供者たち――に配信している。

 

そして、肝心の対象者である二人とは……

 

「さて、各人が集めたコナン君と灰原さんの目撃談からにしましょうか。まずは……マリアちゃんから」

 

コナンと哀の二人である。

 

 

 

 

 

報告その1 報告者マリア

 

うちが集めた目撃情報(・・・・)は哀ちゃんのや。クラスの子がGW前に親と買い物に行ったとき見たそうや。……今回のはスゴイで?

 

彼女……そうやなAさんとしとこか。AさんはGW前に母親と買い物しとったんや。それで、その帰りにケーキショップ行ったんやて。そこで、哀ちゃんを見かけたそうなんやけど……。

 

最初はAさんも、ただケーキを買いに来たんや思うとったそうや。でも、話しかけようと近づくと店員さんとの会話が聞こえてきたんやて。

 

 

 

『お、哀ちゃんじゃない。そうか、もうすぐだったわね?今、旦那呼んでくるから』

 

『いつもありがとうございます。この前も材料を分けてもらって』

 

『いいのよ、お金は貰ってるんだし。あ、○○さん、アイツ呼んできて!哀ちゃんが来てるって言えばいいから。……それで?バレンタインは上手く焼けた?』

 

『ええ。喜んでくれました』

 

『それは良かったです。こちらも、材料を提供したかいがあります。それにしても、彼は毎年哀ちゃんの手作りをもらえて幸せ者ですね』

 

『あら、早かったわね?』

『ええ。丁度、ひと段落した所でしたから。それで、いつものですか?』

 

『そうですね……。今年はホールの方は七号(※1)でお願いします。アレの方はいつもの分量で』

 

『おや、七号ですか……今年は参加者が多いみたいですね?』

 

『九人なんですけど、一人大食漢がいるので丁度いいかなって』

 

『ロウソクはどうするの?えっと、十二歳になるんだっけ?』

 

『はい。四日で十二です』

 

『十二歳ですか……早いものですね。哀ちゃんが最初に『レモンパイの作り方を教えてくれませんか?』って言ってきた時は、驚きましたよ』

『店を開いた時だから、もう五年も経つのか。それから毎年だから、哀ちゃんもやるわね』

 

『あの時はご無理を聞いて頂きありがとうございました。彼も私も此処のレモンパイが好きで……』

 

『いいんですよ。暇していましたし。嬉しかったですしね。それで、プレートはどうします?哀ちゃんが書いてもいいんですよ?“Happy Birthday Conan”って。それか……』

 

 

 

そこまで聞いた時に母親に呼ばれて帰ったそうや。な?スゴイやろ?

 

 

 

 

 

静かにマリアの報告を聞いていた一同は、報告が終わるなり口をひらく。

 

「つまり、コナン君のバースデーケーキは灰原さんが用意していたと。それも、毎年」

 

「みたいや。うちらには博士が用意するからって言うとったけど。嘘やったんやな」

 

「しかも、今年のは哀ちゃんがプレート書いたかもしれないの?」

 

「かもしれんな。しかも、バレンタインにも何かをしとるようやし。それに確か、レモンパイって……」

 

「おう、コナンの好物だぜ!」

 

「それにアレってのも気になりますね。パーティーの時はそれらしきものはありませんでしたし」

 

 

 

「まぁ、いずれ真実は明らかにするとして、次の報告にうつりましょう」

 

 

 

 

 

報告その2 報告者元太

 

俺が聞いたのは、いつも通りの奴ばっかだな。買い物にいったら、二人で歩いてるのを見たとか、二人で食材買ってたとか。あとは、公園に行ったら、二人で花見していたみたいだってのもあったな。

 

今回はこれくらいだぜ!

 

 

 

 

 

「それだけですか?元太君」

 

「おう!」

 

「いつもの感じだね。これは報告書にはいらないかな」

 

元太の情報は変わり映えしないものばかりであった為か、いまいち盛り上がりがない。

そんな周囲を見渡し、首をかしげたのは、坂本たくまであった。

 

「なぁ、東尾」

 

「なんや?たくま君?」

 

「二人で花見ってのは、流すようなことなのか?」

 

「そうやなぁ。たくま君は去年の夏からやったっけ?なら、買い物をスルーしたんは分かるやろ?」

 

「ああ。俺も何度も見てるしな」

 

「花見もな?毎年目撃されとんのや。正直、珍しくはないんよ」

 

「まぁ、確かに。俺も見たしな」

 

「うちも見とるで」

 

「米花公園で」「杯戸公園で」

 

「「え?」」

 

「では、次の報告に「「待った!!」」……なんでしょう?」

 

次の報告に移ろうとした光彦を、マリアとたくまの二人が遮る。

 

「元太に聞きたいんだけどさ。その花見を見たのって何処か分かるか?」

 

「そんなことですか。元太君何処か答えてあげてください。どうせ、米花の森公園でしょうけど。僕も見ましたからね」

 

「え?違うぜ?確か、なんとか神社って」

 

「……ねぇ。歩美は別の場所で見たんだけど」

 

「俺は米花公園で、東尾は杯戸公園で見た」

 

「……少なくとも、五ヶ所ですか。もしかしたら、今までも複数箇所だったのかもしれませんね。とりあえず、コレは報告書にまとめておきましょう。次です」

 

 

 

 

 

報告その3 報告者たくま

 

皆知ってるかもしれないけどよ、四月にC組に転校生が来ただろ?そいつが、灰原に告白して、振られたんだ。でさ、それの続きがあったんだ。

 

 

 

『好きです!『ごめんなさい』付きあって……即答!?』

 

『罰ゲームか何かでしょう?私に告白するのはそういう人だもの』

 

『お見通しですか。じゃ、もう一ついい?』

 

『何?』

 

『いや、いくつか聞いてこいって言われたんだよね』

 

『いいわよ、聞いてあげる。答えるかは質問次第だけど』

 

『ありがと。一つ目は……好きな食べ物は?』

『レモンパイ』

 

『レモンパイっと。次は……好きなスポーツは?』

『サッカー』

 

『サッカーっと……それって観戦?』

『そう』

 

『嫌いな食べ物は?』

『秘密』

 

『嫌いなものは?』

『秘密』

 

『じゃあ……えーと』

『もういいかしら?人を待たせてるの』

 

『それって彼氏?』

 

『……だとしたら?』

 

『誰?江戸川ってやつ?』

 

『……秘密』

 

 

 

だってさ。本人も皆知ってることだからって話してくれた。まぁ、告白が本気だったってのはここだけの秘密にしてくれってさ。

 

 

 

 

 

たくまの話を聞いた一同は、複雑な顔をする。

 

「罰ゲームやなかったんか……」

 

「僕はそれよりも、彼氏かって聞かれた後の答えが気になりますね」

「だよね。否定してないもん」

「違うなら、違うって言うよな。灰原ならさ」

「どうやろか。罰ゲームって思っとったんなら……」

「でも、面倒事が嫌いな哀ちゃんが言うかな。そんなこと言ったら、色々噂されたりするじゃない」

「でも、うちらはそれを知らなかったやん?」

 

「……これは微妙ですね。報告書に載せるか多数決をとります。載せる人……。次、載せない人……。はい、載せる二票、載せない三票で載せないことに決定しました」

 

 

 

 

この後も、様々な目撃情報を報告し合う一同であったが、学校に遅くまで残ることは出来ない為、今回は解散することになる。

 

「今回は此処までですね。う~ん、夏休み前にもう一度やりますか?」

 

「そうだね。夏休み中の目撃情報はいつも多いから、その前に一回やった方がいいかも」

 

「皆さん、それでいいですか?」

 

「おう」「いいぜ」「うちもええよ」

 

「それでは、次は夏休み前で」

 

 

 

 




思いつきです。

シリーズ化するかは不明。
コナンの誕生日である五月四日近辺の目撃情報については、たくさんあったので今回省きました。

※1 七号:ここでの七号はケーキのサイズのこと。七号で大体10~12名
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