名探偵コナン~選ばれた二人の物語~   作:雪夏

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冬 鈴音様提供ネタ。続き。

コナンと哀に届いた差出人のない招待状……
中には手紙と二枚の航空券が……

一言: 更新滞っており申し訳ありません。

※“EXTRA FILEについて”に閲覧時の注意事項があります。
先にそちらをご覧ください


EXTRA FILE14 LAでのひと時

 

 

 

 

 

「きゃー、哀ちゃん久しぶりー」

 

入国審査を終え、ロビーへと移動した哀とコナンを迎えたのは工藤有希子の歓声であった。彼女は、哀に駆け寄ると抱きしめそのまま会話をはじめる。コナンのことは眼中にないようである。

仕方ないとコナンは周囲に目を向ける。父親――工藤優作が来ていないかと思ったのだ。しかし、期待した人影はない。コナンは二人の会話が落ち着くまで大人しく待つしかなかった。

 

 

「ますます綺麗になったわね、哀ちゃん」

 

「そんな。有希子さんこそお変わりなく」

 

「あら、お世辞なんていいわよ。もう五十のオバサンなんだから」

 

そう言って笑う有希子であるが、哀にはお世辞を言ったつもりは全くない。出会った頃から変化しないその容姿は、哀にとって不思議以外の何でもないのである。

事実、有希子はその年齢に反した外見を保っており、二年前に日本で二人が買い物した時など、二人とも大学生と間違われたのだから。

 

「それで哀ちゃんは何処に行きたい?」

 

「何処……ですか。特にこれと言って」

 

「そうなの? ま、いいわ。今日は家でゆっくり休んでもらうつもりだったし、その時改めて考えましょう?」

 

「そうですね。あ、でも一日くらい有希子さんとゆっくり買い物でもしたいですね」

 

「あーん、もうなんて可愛いの!! この娘!! コナンちゃん早く結婚……って、あの子は?」

 

有希子は一緒に居る筈のコナンの姿を探すが見当たらない。どこに行ったのだろうかと周囲を見渡している有希子に、哀がコナンの場所を伝える。

 

「彼なら彼処に」

 

「あら、本当。よく見つけたわねー。ああ、コナンちゃんが移動するの見てたのね?」

 

コナンの姿は、有希子からは死角となるが、哀からはよく見えるベンチにあった。

 

「いえ。ただ、彼なら私に黙って何処かに行くことはないと思って。そう考えると、私から見えるところで休憩しているのかなって」

 

「ふふ、そうなの。じゃあ、コナンちゃんと合流して家へ向かいましょうか」

 

哀を促し、コナンがいる方へ向かう有希子。その顔には満面の笑顔が。

 

(ますますいい感じじゃない。これは結婚も近いかしら……ふふ、楽しみだわ~)

 

 

 

 コナンと合流した後、有希子が運転する車で工藤邸へと向かう一行。本日は特にすることもなく工藤邸でゆっくりする予定だったので、道中夕飯の買い出し以外特に寄り道することなく車は進む。

 そして、車は工藤邸と到着するのであった。

 

「いらっしゃい、哀くん。自分の家だと思ってくつろいでくれたまえ」

 

 出迎えた優作はそう言うと、哀を中へと案内する。清々しいほど無視された形となったコナンは、憮然としながら荷物を持って中へと入るのであった。

 

「さて、長時間のフライトで疲れただろう。部屋に案内するから少し休むといい。夕飯が出来たら呼ぶから」

 

「で、オレたちの部屋は? あと良くも無視してくれたな」

 

 玄関から少し入ったところで振り返りながら言う優作に、コナンが若干刺のある態度で問いかける。それを笑って流す優作が口を開こうとしたとき、車をガレージに入れる為に玄関前で別れた有希子が背後から声をかける。

 

「階段あがってすぐ右の部屋よ。元々はコナンちゃん用の部屋だったんだけどねー。あんなことがあったから、当分使わないだろうと思って客間に改装したんだけどね」

 

「うむ。部屋を遊ばせておくのもどうかと思ってな。最も、誰も泊まったことはないがな」

 

 ハハハと笑う優作と有希子。その二人を呆れを含んだ瞳で見ながら、コナンは哀の部屋について尋ねる。

 

「ふ~ん。ま、使えるんならいいや。で、コイツの部屋は?」

 

「哀ちゃん? 勿論、コナンちゃんと一緒の部屋よ? 大丈夫、ベッドは別だから!」

 

「「は……?」」

 

 有希子の思いがけない言葉に硬直する二人であった。

 

 

 

 

 

 結局、コナンと哀は言われた部屋へ向かう。何を言っても無駄だと感じたことも一因ではあるが、客間がその部屋しかない上に他の部屋は空いていないと家主に言われれば従うしかない。

 

 言われた部屋の中へ入った二人。コナンは部屋の手前にあったベッドに倒れこみ、哀はテーブルの上に持ってきた荷物を広げ整理を始める。

 

「はぁ~、父さんたちにも参ったぜ。大体、客間が一部屋しかないとか絶対嘘に決まってる」

 

「まぁ、流石に驚いたけど別に構わないんじゃない? ベッドが一緒って訳じゃないんだし」

 

「ま、それもそうか」

 

 そう言うとコナンはベッドから起き上がり、部屋を確認する。ベランダに出られることを確認すると、コナンは哀を伴ってベランダへ出る。特に感動するような景色ではないが、心地よい風が二人を撫でる。

 

「ま、景色はそこそこってところか」

 

「まぁ、目の前に海があるとか、夜景があるって訳じゃないしね。よくある風景だとは思うわ」

 

「ま、閑静な住宅街って感じだからな。街中の喧騒から離れること優先で選んだんだろ。父さんもその方が仕事に集中出来るだろうしな。寧ろ、パトカーの音とか耳にしようもんなら、仕事を放り投げて現場に行っちまうぜ」

 

「そう言うとこはアナタも大差ないんじゃない? デートが事件捜査に変わったことが一体何度あったことか」

 

 その哀の言葉にバツが悪そうな顔をするコナン。嘗ての新一のように表立って事件捜査をすることこそないが、秘密裏に捜査に協力することは未だ多く、その大半が自分から首を突っ込んでくることは自覚しているのだ。

 そんなコナンの顔を見た哀は、くすりと微笑むと口を開く。

 

「別に責めてないわよ。そう言ったアナタの行動で救われた人たちを、誰よりも近くで見てきたんだから。それに、デートは何時でも出来るわ。でしょ?」

 

「……そうだな」

 

「ま、流石に今回の旅行中は勘弁して欲しいけどね」

 

「ハハハ……善処します」

 

 そう言って微笑みを交わす二人。互いの顔は、夕日に照らされた為か薄く色付き、次第にその距離を詰めていく。あと僅かといったところで、階下から二人を呼ぶ声が聞こえてくる。

 

「二人ともー? 夕飯の準備出来たわよー。降りてらっしゃい」

 

 その声に二人は詰めていた距離を離すと、今度は苦笑を交わし階下へと降りていくのであった。

 

 

 こうして、ロスでの一日目は過ぎていく。

 

 




前話の続き。時間がかかっており申し訳ありません。その割りには短いです。重ねて申し訳ありません。
あまりにも時間があいたので、リクエストしたこと自体忘れられてそうですが、完結させるつもりではあります。

簡単な旅行日程表
一日目:午後LA到着。工藤邸泊
二日目:LA観光(テーマパーク) 工藤邸泊
三日目:NYへ移動→ブロードウェイ見物。NY泊
四日目:午前中お買い物。午後NY発
五日目:午前羽田着

 なんか突貫旅行になってしまいました。全部は書けないかもしれません。

 コナン(新一)がロスの邸宅に来たことはない(原作はすぐNYに行った為)。ロスの工藤邸について。
 これらは拙作内の設定です。

活動報告にてリクエスト受付中。まだまだ募集中です。気軽にどうぞ。
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