名探偵コナン~選ばれた二人の物語~   作:雪夏

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一応バレンタインネタ。その2。バレンタイン翌日の話。
夜のうちに投稿は無理でした。

一言:寒い。

※“EXTRA FILEについて”に閲覧時の注意事項があります。
先にそちらをご覧ください


EXTRA FILE16 After Valentine's Day 中学生1年編

 

 

 

 

「おはよー! 光彦くん!」

 

 教室に向かう途中、背後からかけられた声に振り向く光彦。振り向いた先にいたのは、幼馴染の少女。いつもなら一緒に登校している彼女の親友の姿はない。

 

「おはようございます、歩美ちゃん。灰原さんは一緒ではないんですか?」

 

「哀ちゃんは、コナンくんと一緒に来るんじゃないかな?」

 

 そう言って笑う歩美。その笑みを見て歩美の思惑に気づいた光彦は、苦笑を浮かべながら歩美に告げる。

 

「余計なお世話ってヤツじゃないですか? 確かにバレンタインの翌日に二人きりで登校なんてことをすれば、周りが勝手に二人の仲を噂するでしょうけど……本人たちが否定したら意味ないんじゃ?」

 

「甘いよ、光彦くん。確かに、普段なら幼馴染がたまたま一緒に登校しましたってことになるけど……バレンタインという一大イベントの翌日というタイミング。そして、普段は一緒に登校する歩美が、二人に気を使って先に登校したと教室で言っていたら?」

 

 光彦の言葉に、歩美は人差し指を顔の前で立てると左右に振りながら答える。そんな歩美の姿も可愛いなと頬を染めながら、光彦は歩美の作戦に感心する。

 

「本人たちが幾ら否定しても……照れ隠しとしか受け取らないと言うことですか。それに、こういう話は広まるのも早いですからね。あの二人に対して、アイドルのような憧れを抱いている方たちは、早々に諦めるということですか」

 

「それだけじゃないんだな~。そういう人たちにとって、有名人同士のカップルってのは認めやすいんだよ。二人ともいい人だから、尚更アイツが相手なら仕方ないって感じで。で、今度は話題の有名人カップルって目で見るから……それに、他にも仕込みはしてるし」

 

「なるほど。噂の発生源が増えるということですか。その段階まで行けば、半ば公認カップルという訳ですか。それでは、早く教室に向かわないと」

 

 そう言うと、二人はコナンと哀の為にと動き出すのであった。

 

 

 

 

 

 その頃、歩美たちの企みを知らないコナンと哀の二人はといえば、登校途中であった。その光景はコナンが話しかけ、哀が呆れ気味に言葉を返すという、帝丹小学校出身の生徒たちには見慣れた光景であった。

 しかし、そうではない生徒にとっては予想すらしていない光景であったらしく、誰もがその光景を凝視していた。

 

 そんな周囲を無視しながら、コナンは哀へと話しかけていく。

 

「“完全にありえないことを取り除けば、残ったものはいかにありそうにないことでも、事実に間違いない”」

 

「緑柱石の宝冠でホームズが言った台詞だったかしら?」

 

「そうだけど……よく知ってたな」

 

 コナンが唐突に投げかけた言葉に、哀が間をおかず答えるとコナンは嬉しそうに笑いながら、意外そうな声を出す。哀が知っているとは思わなかったらしい。

 すると、哀は呆れた表情を浮かべながらコナンの疑問に答える。

 

「知ってるも何も、耳にタコが出来るほど聞かされたわよ。推理に詰まったり、迷った時にいつも思いだす言葉だって。そして、基本に立ち返るんだってね」

 

「そんなに言ってたっけ?」

 

 そんなに何度も言っていただろうかと首を傾げるコナンに呆れながらも、哀は微笑みを浮かべる。そんな光景は彼ら教室の前で別れるまで続くのであった。

 

 

 

「灰原さんって、女子以外にもあんな顔するんだ」

 

 コナンと哀が通り過ぎたあと、哀と同じクラスの男子生徒が呟く。彼は、哀が女子以外に笑ってみせたことに驚いていた。普段、クラスで見かける哀は男子相手には滅多に感情を見せない。幼馴染である光彦に対しては、稀に微笑みを見せることもあるが、その場には必ず歩美もいる。それが、コナン相手には素直に感情を見せているのである。

 

 やや呆然としていたその男子生徒だったが、すぐさま帝丹小学校出身の友達の元へと走る。そこには、周囲を男どもに囲まれている友達の姿があった。どうやら、全員考えていることは同じらしいと、彼もその輪に飛び込むのであった。

 

 

 

「たくま! 江戸川と灰原さんって!」

 

「またかよ……」

 

 新しく来た男子生徒に問いかけられた少年――坂本たくま――はうんざりした顔をしながら、何度目かの質問に答えてるのであった。

 

「コナンと灰原は探偵団の連中の中でも、特別仲がいい。会話はあれとか、それで通じるし、アイコンタクトもお手の物。帝丹小で同じクラスのヤツ等からは告白してないだけで、ほぼ公認カップル扱い。中学ではクラスが別だから、一緒にいないだけ。休みの日はほぼ二人で過ごしているらしい。今頃になって、二人で登校してきたってことは、昨日のバレンタインでようやくくっついだんじゃねーの?」

 

 そこまで一気に告げるたくま。他に質問はと、男子生徒を見るが何やらショックを受けているようで動かない。また、石像を作ってしまったなと他人事のように思うたくまは、自身の左手に握った紙に意識を向ける。

 

(吉田のヤツ……。コナンたちのことで聞いてくるヤツ等がいたら、この紙の内容に従って言えって言ってたけど……この石像の群れどうしてくれるんだよ)

 

「おい、たくま!」

 

(はぁ……またかよ)

 

 

 

 その日、帝丹小学校出身者の周りに石像たちが量産される光景が様々なクラスで見られのであった。

 

 

――歩美の指示書の内容――

 

 哀ちゃんとコナンくんのことを聞いてくる人には次の通りに答えること。

 基本的に仲の良さをアピール出来れば、アレンジも可。

 

1.二人の仲がいいのかと聞かれた場合

 ・アイコンタクトできる仲と答える。

 ・ほぼ公認カップルだったことを告げる。

 

2.中学では一緒にいるところを見たことがないと言われた場合

 ・クラスが違うのが原因と答える。

 ・休日はほぼ一緒だからじゃないかと答える。

 

3.何で急に二人で登校してきたのかと聞かれた場合

 ・昨日のバレンタインで何か進展があったのではないかと匂わせる。

 

 特に三番目は大事!

 これ以上、二人の被害者が出ないようにさっさと外堀を埋めちゃおう!

 

 

 




取り敢えず更新。当日の話は明日くらいに更新できたらいいなぁ。
たくまくん他にも、歩美の手先たちがそれぞれのクラスで頑張っています。

 ほとんど。
 これらは拙作内の設定です。

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