ひだんのアリア   作:覇王軍

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共同生活

火星の事、バズグ手術のこと、その進化形態であるモザイクオーガンオペレーションの事、人体との緩和性の高い特殊金属で身体を強化してあること、極めつけに人間の遺伝子に刻み込まれている『獣の部分を覚醒』させていること、そしてこれから流行するであろう人種のDNAウィルス『A・ E ウィルス【エイリアン・エンジン】』について、最後に自分がここにきた理由もだ。

和人は、今現在自分と周りの状況が置かれている状況を一つ一つ説明していく。勿論、話す前に確認をとった、これから話す内容は最高レベルの国家機密であり、迂闊に他人に漏らせば暗殺の対象になりかねないということを。

そんは話をする場所が学校の屋上の片隅というのが何処かおかしな感じはするが、気にせずに語る。

普通に聞けば「なに言っているんだコイツ?」頭は大丈夫か? と心配されるでいった内容の話を智香と湊は、1度も話の腰を折ることもせずに真剣に聞き入っていた。

少し時間が経過し、和人が説明をし終える。

 

「こんなところだ・・なんかで解らなかったところはあるか? あれば言ってくれ」

 

いきなりの突拍子のない話だ戸惑っていて質問なんて返ってくるハズもないと和人は思っていたのだがーー。

 

「幾つか質問いいかしら?」

 

予想を反してそれはきた。智香が片腕を軽く上げてそう訪ねてくる。

 

「いいぞ。俺に答えられる範囲で答えるぞ」

 

「ーー人間をそこまで改造しなくてはいけない程の相手なのそのゴ・・テラフォーマーといった存在は? いくらなんでもやり過ぎ感がありすぎるのだけれど」

 

彼女は、実際にあの害虫を見たことのないからそんな事が言えるのだろう。確かに一対一、もしくは、通常のテラフォーマーならこれだけ強化すれば問題なく駆逐できるだろう。ーーだが、話はそう上手くいかないのが世の常である。

 

「確かにその通りではあるな。ーーが、考えて欲しい、いま説明した通り俺達はたった200人で火星に行くんだ。向こうは奴等の巣だ。何千、何万、下手すれば何十万といるテラフォーマーがいる場所にウィルスの研究ため何日も居なければいなければならない。とすれば、この程度の強化は当然だと俺は思う」

 

「・・・それは・・そうかもしれない・・けど・・」

 

若干、納得のいかなそうな表情をしていたが、わかってはくれたようだ。

奴等の生態には不可解な部分が多いのは研究の末でわかっているし、やにより火星は、人間にとっては完全にアウェイな場所なのは事実だ。

 

「次は・・私・・いいですか?」

 

「いいぞ。言ってくれ」

 

「・・その・・テラフォーマーは本来は・・火星・しかいない・・ハズなんです・・よね。・・なのに・・どうして・地球にいるので・・すか?」

 

それは、和人も向こうにいた頃に気になり、艦長に訪ねた事もあった。しかし、何故、テラフォーマーが地球にいるか・・その原因は仮説は幾つかあがっているがどれも確証がないため、わからしい。勿論、ただのクルーである和人には話してはいけないため、話せなかった・・・という可能性がないわけではないが。

 

「ーーすまない。それは俺にも解らない。ただ仮説は幾つかあり、どれにも確証がない」

 

「なら、一番・・有力な・・モノを・聞かせて」

 

一番有力な説か・・それはーー。

 

「ーー確か、何処かの国のクローン技術で復元された個体が逃げたした・・というものが、一番有力な説だと記憶しているけど」

 

なんだかんだいっても、結局はその説が一番説得力ある。

 

「そう・・ですか・・」

 

「ほかにあるか? あればーー」

 

和人の言葉を遮るように昼休みの終了の鐘がスピーカーから、鳴り響いてきた。話しに夢中になっていたため鳴るまで、全くきずかなかった。昼休みが、終わったので、3人は立ち上がる。

 

「続きは放課後にしましょうか? 和人もそれでいいわよね」

 

「構わないが・・集まる場所は何処にする。ここでいいか?」

 

智香は、スカートについた埃等を軽く手で払いながら立ち上がると、そう提案してきたので、和人も乗る。そもそも、智香が言わなければ和人が言っていた。

 

「場所は後で知らせるわ。 だから、今のうちに赤外線でお互いのメアドを交換しておきましょう

 

智香と湊がスカートのポケットから、スマホを取りだし画面を指で軽く操作し、和人の方に向ける。和人も慌て、ジャケット内側のポケットから携帯を取りだし、赤外線を受信できるようにする。湊も、2人と同じようにポケットからスマホを取りだし、ピピッという効果音がなると3人はそれぞれの画面を確認する。

 

「私は大丈夫。湊と和人はどう?」

 

智香のスマホの登録の欄にはしっかりと和人のメアドと携帯電話への番号が登録されていた。

 

「・・私も・・問題・なしです」

 

「こっちも問題なし。ちゃんと送られてくた番号を登録した。」

 

確認を終えると、3人は食べ終えて空になった弁当の容器とゴミを持って屋上を後にした。

 

ーーーーーー5時間目の授業が、終了する。

 

教室にいるクラスメイト達は、各々が目的を持ち移動をし始める中、和人は席に座ったままでいた。手には、スマホが握られており瞳はジッと画面に注がれている。何も操作をしていないため、十秒程で電力の節約のためシャットダウンするたびに横に取りつけられている電源ボタンを押し、再び画面の電源を入れている。和人は授業が終わってからこれだけの動作を飽きることなく繰り返している。

 

「ーーー連絡が来ない。・・・さて、どうしたものか」

 

10分くらい経過したようやく画面から視線を外し、顔を上げ正面を見る。

ーーそこには、湊がいた。それも、かなりの近距離だ、くしゃみすれば、キスしてしまうぐらいの距離しか離れていない。

 

「・・・いつからそこにいた?」

 

口調は冷静さを保っているが、顔はそうはいかず、恥ずかしさで紅く染まっている。

 

「私は・・5分・・くらい前から・・」

 

「私は、ずっといたわよ。というか、貴方と私は同じクラスですから」

 

湊の真後ろから、智香も顔を覗かしてそういった。

 

「へっ? 同じクラスだったのか。おかしいな・・・クラスメイトの名前と顔は初日に全員覚えたつもりだったんだけど・・」

 

「それはそうよ。だって私、しばらくぶりに学校に登校したから、無理もないわね」

 

そういうと、智香は自身の席を指差す。そこは、和人の席から右へ机を3つほど挟んだ場所を指差していた。その席は和人が転校して来てからずっと空席になっていた所だった。特に気にしていなかったため調べなかったのだ。

 

「だ・か・ら、気にする必要はないわよ。むしろ、それが普通だと思うし」

 

会話しつつ、智香は移動し和人の横の席に座る。湊も、見習い前の席の椅子に座る。

どうやら、続きは教室でするつものようだ。

 

「屋上での話の続きはここで・・・・ってわけかな」

 

「ええ、もう少し質問してもいいかしら?」

 

「問題ない」

 

3人は、教室にて話し合いを再会し、話し合いは30分程で終了した。

 

「ーーー俺は、もう帰るけど・・2人はどうする?」

 

和人は、机にかけてあったカバンを背負い、椅子から立ち上がる。

 

「私は、もう帰るわ。今日はいろいろな話を聞いて時間をかけて冷静に頭の中を整理したいから」

 

「同意・です。色んな情報が・・ありましたから・・」

 

2人も、カバンをもつと立ち上がり、3人は教室を後にした。帰りは途中まで和人と同じだったが、バス停で別れることになった。

和人がマンションに着くと、有名な会社の引っ越し車が留まっていて、従業員であろう青色のツナギと会社のロゴマークが付いた帽子を着た人が3人程たむろっていた。

 

(新しい住人でも入るのかな? でもこのマンション空いている部屋なかったハズだけど)

 

高確率で自身には関係ないと思い、あまり深く考えず和人は従業員であろう3人の横を通り抜けて、中へと入って行く。エレベーターで上へ上がり、自宅のある階までたどり着く。エレベーターの扉が開くと、共同廊下に15箱程のズラリと並んだ段ボールが目についた。

 

(何でこんな数の段ボールが廊下に置かれているんだ?)

 

不思議に思いながらも、財布から自宅の鍵をとりだし、鍵穴につっこみ、右へ2/3程回転させるとガチャンという音を経ててロックが外れ、扉をあけ室内に入ろうとした時にそれはきた。

ーーまるで、和人が鍵を外すのをすぐそばで待っていたかのようなタイミングで外にいた筈の青色のツナギを着た3人がエレベーターから出てきて、和人を押し退けると無駄のない動きで廊下に置かれていた段ボールを次々に和人の家の中へと入れていく。廊下にあったすべての箱を運び終えると従業員達は軽く一礼して帰っていった。ーーあまりの突然の事に上手く反応出来なかった和人は、改めて玄関の扉をあけ中に入る。

室内には、段ボールがところ狭しとかさねて置いてあった。

 

「なにが入っているんだコレ」

 

試しに、和人は一番近くにあった箱を持ちあげてみる。両腕にズッシリとした重さが伝わる。その重さと持ち上げた際にしたガサガサと擦れるような音から中身は本か何かだと予想できた。

一旦、下ろして、試しに、違う段ボール箱を持ち上げてみる。重さはかなり違っていた、2番目に持ち上げた箱にはほとんど重さはなく、和人はあっさりと持ち上げる。

ーーーー中に何が入っているか判らない段ボール箱相手に試行錯誤していると・・・ポケットに入れてあるスマホから軽快なメロディーがなり始めた。

 

「? 誰からだ」

 

ポケットからスマホを取りだし、画面を見て確認をとる。そこに表示されていた番号と名前はーー。

番号を確認した和人は「どうかしたのか?」と通話ボタンを押そうとした時、ピンポーンと玄関からチャイムが聴こえてきた。

 

「和人いる? 居るんだったら開けてくれないかしら」

 

「・・開けて・・ください」

 

声から察するに、チャイムを鳴らしたのは先ほどまで一緒にいた智香と湊のようだ。とりあえず、スマホをしまい、玄関まで歩いていき・・一声かける。

 

「鍵はかけていないから開いているぞ」

 

「・・・・・・・おじゃまするわね」

 

多少の間があって、2人が扉を開けて室内に入ってくる。2人の服装は学生服のままだった。

 

「和人、こっちに大量の荷物が届いてないかしら?」

 

「電話で聞きたかったことってその事か? いや荷物なら段ボール箱で大量に確かに来ているけどさ」

 

そう、たった今電話してきたのは智香だ。要件を電話を使い確認をしてきたのになぜわざわざ来たのが、和人にはよく解らなかった。

しかし、どことなく2人が必死そうに見えるのは和人の気のせいなのだろうか?

 

「どこにあるの! あと段ボール箱を開けて中とか確認してないわよね!」

 

「開けていたら・・その・・困ります」

 

「へっ? 引っ越し業者の人が向こうのダイニングに置いていってけど・・。箱は・・イヤ、開けてないけど・・覚えのない物だし」

 

和人からそう聴くが否や、智香と湊は靴を乱暴に脱ぎ、和人と左右のわきをすり抜けて行きのダイニングへと入って行く。突然の事に戸惑いながら少し遅れて、和人も2人を追う形で先ほどまでいたダイニングに戻る。ーー戻ると15箱あった段ボールの蓋が全て開けられていて、2人はその中心ですっごく複雑そうな表情で立ち尽くしていた。

 

「・・・どうしたんだ? なんかあったのか」

 

和人は、2人に訊ねるが、黙ったままで答えてくれない。しばらくそのまま待っていを決した瞳で和人に向き直る。

 

「・・・・ーーー私と湊・・今日からこの部屋に住むから」

 

「・・よろしく・・お願い・・・します」

そして、とんでもないことを突然言い出した。

 

「・・・・はい?」

 

こうして、和人、智香、湊の共同生活は始まった。

 

 

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