東方雑貨録   作:蒼影

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最近暑くてヤバい

全ての気力を持っていかれそう…


レミリア『彼の能力』

秋乃はどこまでも続くのではないかと思われる外見と同じく赤い廊下を咲夜の案内の元、歩いている

 

実際館の中に入るのは初めてな秋乃は物珍しく思いながら廊下を歩く

 

途中途中、咲夜と同じ衣装のメイド服を身に着けた薄い羽根が生えた子供ほどの背丈の少女たちが忙しなく動いている

 

『妖精』

 

自然そのものが人の形をとったものと幻想郷では言われている

 

自然が多い幻想郷では一番個体数が多いのではないかと言われている

 

紅魔館は屋敷の内部の大きさがとある事情で『外観とは釣り合わないほど広い』ため労働力として妖精をメイドとして雇っているのである

 

しかし、残念なことに妖精は外見の通りの知能しかないため、本当に労働力として成り立っているのは微妙なところである

 

そんな妖精メイドたちを一瞥しながら歩いていると咲夜一つの扉の前で歩みを止めた

 

厳かな両開きの扉の部屋だ

 

 

「どうぞ、お嬢様が中でお待ちです」

 

 

そう言って咲夜は扉を開けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『永遠に幼い紅き月』

 

紅魔館の主にして吸血鬼、レミリア・スカーレットの二つ名である

 

とはいってもこの二つ名は人里で配られる新聞と人里の守護者くらいしか口にしない

 

理由はレミリア・スカーレットに関する情報が人里にはそれほどないからである

 

異変直後はさすがに話題にもなったが、人里の人々が活動する日中は活動できない吸血鬼

 

人里の人々は直接人里に危害を及ぼさないと知ると段々とその興味を薄れさせていったのである

 

今人里でレミリアの話題を口にする人物など、里の守護者と幻想郷の歴史を代々綴る少女、そして今レミリアの前で咲夜の出した紅茶を飲む秋乃のくらいであろう

 

そして、そんな秋乃を血のように紅い目で見ている少女が秋乃を呼んだ張本人、レミリアである

 

見た目は十そこそこの幼い少女だ

 

淡い桃色と白のゴシックロリータ風のドレスのような服に身を包み、赤い瞳とは対照的に映る淡い青色の髪を掻き揚げるその姿は美しく整っていると表現できるだろう

 

そこまでなら美しい異国の少女で話は終わるだろう

 

彼女の背中には蝙蝠を連想させるような羽根が生えている

 

その羽根が彼女に『幻想的』な印象を強く抱かせる

 

普通の少女が椅子に腰かけ、メイドたちに声を掛ける様はさぞかし『背伸びした子供らしさ』という印象を得るだろう

 

しかし、彼女がそれをする姿は『様になっていると』思わせるほど、所謂『カリスマ』を感じるのだ

 

秋乃もまたレミリアの放つ威圧感に圧倒され、顔は平静だが、背中には冷や汗が浮かんできていた

 

 

「あなたが俤秋乃ね?」

 

 

赤い瞳でジッと秋野を見つめながら、レミリアが問いかける

 

 

「はい。十六夜様から私に聞きたいことがあると聞きまして」

 

 

必死に笑顔を作り、レミリアの問いに答える秋乃

 

 

「別にそんなに固くならなくて良いわ。取って食うわけじゃないのよ?普段通り、そうね…咲夜と話すときのようで構わないわ。だからそんなぎこちない笑顔とぎこちない敬語をやめなさい」

 

 

咲夜が出した紅茶を飲んでふぅと息をつきながらレミリアは言う

 

秋乃の中途半端な敬語がお気に召さなかったようだ

 

 

「わかりました。こんな感じでいいですか?」

 

 

「まだ敬語が残ってるけど、いいわ。それにしても本当に見事な顰めっ面ね…咲夜から聞いていたけど、本当に笑うのが苦手な様ね」

 

 

「すいません、なかなか治らなくて」

 

 

秋乃は頭の後ろを掻きながらレミリアに言う

 

顔は顰めっ面からばつの悪そうな顔になる

 

 

「さて、世間話もこれくらいにしてそろそろ本題に入りましょうか」

 

 

「わかりました、一応話せない部分も有りますのでそこは勘弁してください」

 

 

「あら?やけにあっさりね…あのスキマが関わってると聞いたから、てっきり渋るものだと思ったわ」

 

 

「紫さんは今回のように誰かに自分のことを聞かれることを予測していたようなので、紫さんに許可された部分はお話できます」

 

 

「ふーん…まぁいいわ。それじゃ、どうやってこの幻想郷では珍しい品物をあんなに大量に手に入れられるのかしら?」

 

 

「一言で言ってしまえば自分の能力で」

 

 

「へぇ、あなた能力持ちだったの?」

 

『能力』

 

幻想郷の一部の妖怪人間が持っている摩訶不思議な能力を総称して『~する程度の能力』と言われている

 

例えば以前、秋乃の店を訪れた博麗霊夢は『空を飛ぶ程度の能力』

 

秋乃の店の支援を行っている八雲紫は『境界を操る程度の能力』を持っている

 

そして秋乃自身も『能力』を持っている人物の一人なのだ

 

 

「どのような能力なのかしら?」

 

 

レミリアは口の端を吊り上げ秋乃に問う

 

秋乃はレミリアに自身の能力の説明を始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

『あらゆる商品を入荷する程度の能力』

 

それが俤秋乃の能力の名前である

 

能力を一言で説明するならば

 

『秋乃が商品と認識しているものを自身の店に出現(入荷)させることができる能力』である

 

八雲紫が現在、秋乃の店がある土地を起点に秋乃の本来の能力に特殊な術によって様々な制限を施して生まれた能力だ

 

基本、秋乃が『商品』と認識したものを出現させる能力だが、いくつか制限がある

 

一つ目は秋乃自身が『商品』として認識しているものが大前提である

 

物品の用途や仕組み理解していないものは『入荷』することができない

 

しかし、逆説的に言えば、秋乃が『商品』として認識している物で他の制限に違反しないものならば、どのような商品でも『入荷』することができるということである

 

二つ目は『生物』を『入荷』することができない

 

『人身売買』という言葉があるように『人間』自体、更には『妖怪』すら『商品』となりうる恐れがある

 

八雲紫がそういった事態を避けるために設けた制限である

 

欠点として秋乃は生肉や鮮魚、生野菜などの『生物(なまもの』を『能力』で入荷することができない

 

三つ目は時代の新しい物であればあるほど、又は外の世界で関心が強いものほど『入荷』が困難であるということ

 

幻想郷に科学製品などが蔓延しないようにするための措置である

 

例を挙げるならテレビのような『電化製品』。銃のような『科学兵器』などが挙げられる

 

代わりにランタンや提灯のような現在の人々が関心を寄せないものは『入荷』が容易なのである

 

以上が秋乃の能力の概要である

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどね…貴方はその能力で幻想郷では珍しい物品を扱うことができるという訳ね」

 

 

「そういう訳です…あ、失礼」

 

 

秋乃は紅茶で喉を潤しながらレミリアに能力の説明を終える

 

 

「質問いいかしら?秋乃さん」

 

 

「はい、なんでしょう?咲夜さん」

 

 

今までレミリアと秋乃の会話を清聴していた咲夜が不意に秋乃聞く

 

 

「秋乃さんの能力の使用には何か『代償』があるのではないですか?」

 

 

ピクリと秋乃が咲夜の言葉に僅かに反応した

 

 

「能力の使用には大なり小なり何かしらの代償があるはずです。私の能力なら体力を消費します。秋乃さんは『何を消費して』能力を使っているのですか?」

 

 

咲夜の問いに秋乃は頭を下げ、こう言った

 

 

「すいません、それに関しては話すことはできないんです」

 

 

「なるほどね、そこがあのスキマが止めてる部分ね…となるとさっきチラッと出てきたあなたの『本来』の能力とやらも秘密のようね」

 

 

「申し訳ありません」

 

 

「まぁ、聞きたいことは聞いたし、いいわ。これからも贔屓にさせてもらうわよ」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「咲夜、お客をお送りしてあげなさい」

 

 

ガチャリと背後で音がしたので、秋乃は振り返ると咲夜が扉を開けていた

 

秋乃はレミリアにお辞儀をして来た時と同じように咲夜の後に付いて紅魔館を後にした




秋乃がレミリアに秘密していた部分はいつか書きます

感想、質問待ってます

後、『このキャラを出してほしい』、『こういうシチュエーション』などの要望お待ちしています

ある程度、原作品の時系列に沿っていますのでその辺りはご容赦ください

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