新訳 神殺しの者第一幕『神を喰らいし者』   作:コードネームTOSI

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第二章:喰い荒されるホシ

一台の軍用車が横ではなく巨大なエレベーターで下へと移動していた。

 

その軍用車の中には、トシとシドウ。そしてソーマとコウタが戦いを終え自分達が帰るべき場所へと向かっていた。

 

車内ではコウタが何やら冗談を言い、シドウが軽く返事をする。

トシとソーマは黙って眼を瞑り、ゆっくりしていた。

 

しばらくして『ガコンッ……』という音と共に、下に動いていたエレベーターが止まった。

 

4人が手荷物や、自分の『神機』が入っているケースを車外から出していると、ここの職員や整備士が何人か来た。

 

トシがその職員や整備士達に、現状の報告や連絡などを話し始めた中、シドウは近くにいた顔馴染みを見つけ、声をかけていた。

 

シドウ「ん、あらぁ……

お~い、リッカ。」

 

リッカと呼ばれた、タンクトップを着た少女は声をかけられ始めてシドウ達の存在に気が付きシドウ達の方に向かってきた。

 

リッカ「任務お疲れ様。

神機、どうだった?」

 

シドウ「ああ、ばっちりだぜ。

にしても、お前が車のエレベーターのとこに居るなんて珍しいな?」

 

リッカ「ちょっと、ここにいる整備士さんに聞きたい事があってね。」

 

シドウ「聞きたい事?」

 

リッカ「まあ、神機の整備でちょっとね。」

 

シドウ「へぇ~……」

 

彼女、楠リッカは神機の整備班に所属する整備士で、18歳ながらすでに5年のキャリアがあり陰でゴッドイーター達を支えている。

 

リッカ「あっ、そうだ。

ソーマ、神機の調子はどう?」

 

ソーマ「悪くねぇ……

むしろ、前よりしっくりくる……」

 

リッカ「そっか……

色が変化した時は驚いたけど……

きっと、彼女が君を守ってるのかもね……」

 

リッカがソーマの神機について彼女と言った瞬間、ソーマは軽く笑った。

 

ソーマ「ふっ……

なら、今度お礼をしにゴハンでも持って月にでも行ってくるか……」

 

コウタ「おお……

ソーマが珍しく冗談を……」

 

シドウ「いや~、ずいぶんまるくなったもんだな~」

 

ソーマ「何が言いてえんだ……」

 

それを期に、コウタとシドウがソーマをからかうと同時にその場から逃げると、ソーマは怒りを露わにしながら2人を追いかけだした。

 

トシ「全く……

子供かあいつらは……」

 

3人の追いかけっこが始まると、トシがため息をつきながらリッカの元にやってきた。

 

リッカ「お疲れ様。」

 

トシ「ああ……

っと、これここの人がお前にと……」

 

そう言いながら、トシはリッカに渡された分厚い書類を手渡すと、リッカは待ってましたと言わんばかりにその書類を見始めた。

 

トシ「……何かの資料か?」

 

リッカ「うん。

本部の神機整備士と知り合いの人がここにいてね……

特別に本部で行っている新型神機の整備とかの資料をね……」

 

トシ「……新型神機はまだ数が少なく、適合している人数も少ない。

資料は多いに越した事はない、か……」

 

リッカ「まあ、そんなところね。ああ、なるほど……

ここをこうすれば更に効率がいいかも……」

 

ある程度会話をしている感じだが、リッカは次第に手元の資料に見入り始め、気が付いたらソーマがコウタに十字固めをし、シドウが笑っていた。

 

トシ「……さて、それじゃあ俺達はそろそろ行くぞ?」

 

リッカ「あっ、うん……」

 

そうリッカは目線は資料に行ったまま返事をし、トシはとりあえずソーマを落ち着かせようと、3人の元へ向かおうとした。

 

リッカ「あっ、そうだ!!

ちょっと待って!!」

 

だが急にリッカに呼び止められ、トシは歩みを止めリッカの方を向いた。

 

トシ「どうした?」

 

リッカ「君とシドウの神機。

また結構痛んでるからあまり無茶はしないでよね。」

 

トシ「……また、か。」

 

リッカ「そっ、まあ前見たく整備や修理の素材はあるから何とかなるけど、そう何度も壊されるのは私も神機自体も嫌なんだからね。」

 

トシ「ああ、気を付けるさ……

まあ、俺はシドウほど無茶をするつもりはないがな。」

 

リッカ「まあ、気をつけてよね。

それとちゃんとシドウにも言い聞かせておいてね。」

 

トシ「あいつが素直に聞くかはどうかは分からないが、伝えておこう。」

 

リッカ「頼んだよ。」

 

その会話を最後に、リッカは再び資料に目を通し、トシもまた歩き始めた。

 

トシ「……終わったか?」

 

ソーマ「ああ……」

 

トシがソーマ達の元にたどり着くと、コウタがダウンしていた。

 

トシ「ここでの報告も終えたし、そろそろ行くぞ?」

 

ソーマ「ああ……」

 

シドウ「とりあえず寝みー」

 

コウタ「…………」

 

シドウ「返事がない、ただの屍……」

 

コウタ「生きとるわ!!」

 

シドウ「ちっ……」

 

コウタ「ガチの舌打ち!?」

 

トシ「はいはい、寸劇はもうendだ。

乗らないのなら、先に戻るぞ?」

 

そう言うと、トシとソーマはエレベーターに乗り込んでおり、既にボタンを扉を閉じるボタンを押そうとしていた。

 

コウタ「ちょっ、待って!!」

 

シドウ「おっ先!!」

 

だが、慌てて乗り込もうとしたコウタを押さえつけると同時に、シドウが猛ダッシュでエレベーターに乗り込んだ。

 

そして、それと同時に扉もまた閉まりエレベーターは下へと向かい出した。

 

コウタ「ちょっ、マジで酷!!」

 

トシ達が乗ったエレベーターは高速で下へと移動し、チーンと言う音と共に動きが止まると、扉が開いた。

 

扉が開かれると、少し薄暗い中でテーブルとイスが設けられたスペースに赤い帽子を身に付けた少女と大人の雰囲気が出た衣装を着た女性が話していた。

 

そしてそのテーブルの左右に下へ下る階段が見れた。

 

階段を下りた場所には、カウンターが設けられ、受付嬢と話をしている赤いジャケットを着た男性。

 

そして、その近くで青い服を着た男性が黄色のバンダナを付けた少年と青色の服を着た少女に何かを説明していた。

 

そして3人のすぐ横には何やら品物を揃え、座っているサングラスと帽子をかぶった中年の男性がいた。

 

ここはゴッドイーターによるアラガミ討伐を実行する組織である『フェンリル』の数ある支部のうちの1つ。

『極東支部』のエントランス。

 

このエントランスまでは、フェンリルに所属していない一般人も基本来る事が出来、時には子供などが遊びに来る事や、職員及び『神機近い』が親族と会ったりもしたりする。

 

???「あっ、シドウさん。」

 

???「あら、帰ってきたの。

お疲れ様。」

 

トシ達がエレベーターから出ると、目の前にるテーブルを利用し話していた少女と女性が声をかけてきた。

 

トシ「ええ、少し前に……」

 

シドウ「ん、アリサとサクヤさんは何してんの?」

 

3人は、赤いチェック柄の帽子をかぶった少女アリサと、彼女と話していた女性サクヤの近くまで来た。

 

すると、2人の手元には何やら小包が置いてあった。

 

アリサ「えっ、え~と……

次の任務についてです!!」

 

そう言いアリサは慌てて手元の小包を隠したが、サクヤは何やら小さなため息をついた。

 

シドウ「ん?」

 

サクヤ「少し前にクッキーを焼いたんだけど、貴方達もどう?」

 

そう言うと、サクヤは自分の手元の小包を広げると見事な黄金色をしたおいしそうなクッキーがあった。

 

トシ「おいしそうですね。

ではお言葉に甘えて……」

 

シドウ「んじゃあ、俺もっと……」

ソーマ「まあ、たまにはいいか……」

 

3人はそれぞれ、クッキーを1つ手に取り口の中へと頬張った。

 

トシ「これは、なかなか……」

 

シドウ「旨い!!もう一個!!」

 

ソーマ「悪くない味だ……」

 

サクヤ「久々に作ったから心配だったけど、よかったわ。

……あら、コウタは?」

 

同じ任務に行ったはずのコウタの姿が見当たらないことに、ようやく気がつくと同時に、新たに来たエレベーターの中からコウタが怒った様子で出てきた。

 

コウタ「シドウ、お前!!」

 

シドウ「あら、案外お早いお着きで。」

 

サクヤ「……なるほど、分かったわ。」

 

2人の短いやり取りを見て、サクヤは瞬時になぜコウタだけ遅れてやってきた理解し、2人のやり取りを微笑みながら見ていた。

 

ソーマ「相変わらず、いつでも騒がしい連中だ……」

 

サクヤ「あれくらいが丁度いいわよ。」

 

ソーマ「ふっ……

確かにそうかもな……」

 

それだけ言い、ソーマはやってきた出撃用のエレベーターではなく、職員用のエレベーターの方へと向かった。

 

サクヤ「あら、もう行っちゃうの?」

 

ソーマ「ああ……

俺は静かでいる方が性に合ってるからな……

クッキーの礼は今度返す。」

 

サクヤ「そう、それじゃあね。」

 

会話が終わると同時にエレベーターもやってきて、ソーマは1人そっと乗り込むと扉が閉まり別の階へと行った。

 

トシ「……ところで、アリサが持っていた小包もクッキーですか?」

 

シドウとコウタが騒いでいる中、トシは最初にアリサが隠した小包が気になり、サクヤに聞いた。

 

トシがそう聞くと、シドウとコウタのやり取りを見ていたアリサが軽くピクッとなり、慌ててトシの方を向いた。

 

アリサ「ク、ク、クッキーじゃないですよ!!

これほ…その……あれです!!あれ!!」

 

トシ「いや、どれだよ……」

 

サクヤ「ふふっ、隠さなくてもいいでしょ?

せっかく頑張って作ったのに。」

 

トシ「……と、言う事は一緒に?」

 

サクヤ「ええ。

アリサがいつも頑張ってる彼の為にってね……」

そう言い、サクヤは優しい笑顔で既に口論と化しているシドウを見た。

 

アリサ「そ、そんなんじゃありません!!

シドウさんは、いつも私達のリーダーとして頑張っていますから……

そのほんのお礼です!!」

 

トシ「いや、サクヤさんの言ったことと同じ意味になるんだが?」

 

シドウ「え、俺が何だって?」

 

アリサが隠した小包の事で、自分の名前が聞こえたのかシドウがいつのまにかコウタとの口論を終え近くに居た。

 

トシは気がつけば声が聞こえなくなったコウタが気になって、先ほどまでシドウと口論していた方を見ると、ガムテープで口を止められ、何故か紐で拘束され床に転がっているコウタがいた。

 

トシ「……まず、声が聞こえなくなったあの短時間でどうしてこうなったか聞きたいんだが?」

 

シドウ「ああ……

話じゃらちが明かなくなって……

面倒だけど、五月蠅かったからな……

ちょっと、な……」

 

そう言い、シドウは不気味な笑みを見せ、トシも重いため息が出た。

 

サクヤ「ねえ、シドウ。

アリサが貴方の為にクッキーを作ったんだけど……」

 

アリサ「ちょっ、サクヤさん!!」

 

シドウ「ん、そうなのか?」

 

アリサ「え…え~と……

はい……」

 

すると、アリサは観念したかのか、恥ずかしそうに隠した小包を取り出し開けると、そこには黒こげ、形も不格好な何かがあった。

 

トシ「…………」

 

シドウ「あ~……クッキーだよな?」

 

アリサ「は、はい……

サクヤさんと一緒に作ったのに、何故か私のだけこんな……」

 

シドウ「まあ、こういうのは味とかよりも気持ちってね。」

 

そう言うと、シドウはアリサが持っていた小包を手に取り、クッキー?を1つ口へと運んだ。

 

アリサ「シ、シドウさん……」

 

サクヤ「あらあら~」

 

トシ「……シドウ?」

 

だが少し口を動かしただけで、急に動きが止まってしまったシドウを疑問に思い、トシが少し近づいたが全く反応がなかった。

 

トシ「……無茶しやがって。」

 

トシはそれだけ言うと、動かなくなったシドウの肩を軽くポンッと叩くと、静かに階段を下り、エントランスの1階部分へと向かった。

 

アリサ「え、トシさん?」

 

サクヤ「……アリサ。」

 

アリサ「は、はい。」

 

サクヤ「彼、立ったまま気絶してるわよ。」

 

アリサ「ええ!?

ちょっ、シドウさんしっかりしてください!!」

 

トシは騒がしくなった2階部分から避けるように、階段を下りると、まず赤いジャケットを着た男性が、この支部の受付嬢を食事に誘っている最中だった。

 

???「ねえねえ、ヒバリちゃん。

今度の休みに食事でもどうよ?」

 

ヒバリ「今度の御休みには、ちょっと買い物に行きたいので……」

 

???「なら、俺も一緒に行くよ。

荷物とか持ってあげるしさ。

で、そのまま食事とか……」

 

ヒバリ「え~と……

あっ、トシさんおかえりなさい。」

 

受付嬢のヒバリは、男性がしつこく誘ってきており、困った感じでトシに救いを求めてきた。

 

トシ「……タツミさん、ちょっといいですか?」

 

そう言うと、一方的にヒバリに話しかけていた赤いジャケットを着た男性、タツミが振りかえりトシの方を見た。

 

タツミ「よっ、お疲れさん。」

 

トシ「どうも。

ちょっといいですか?

博士から何か連絡はないですか?」

 

トシがそう言うと、ヒバリは手元のパソコンを軽く操作した。

 

ヒバリ「いえ、今日は珍しくないですね。」

 

勿論トシが聞いたことは適当なデマかでなのだが、ヒバリは口裏合わせタツミの誘いをの腰を折る事に成功した。

 

タツミ「にしても博士か……

また、何をしようとしているんだか……

此間も何かお前達に素材集めしてたしな……」

 

トシ「そう言えば、タツミさんも手伝わされてましたね。」

 

タツミ「ああ。

まっ、研究成果が役に立ってくれると助かるんだがな。」

 

トシ「……そうですね。」

 

タツミ「それと、話が変わるが上の階がまた騒がしいな。」

 

トシ「アリサの失敗したクッキーでシドウが気絶しましたからね。」

 

タツミ「それ、失敗したとは言えクッキーでいいのか?」

 

トシ「……さぁ?」

 

タツミ「まあ、何だ……

気絶するくらいうまかったって事かね?」

 

トシ「どうでしょう?」

 

タツミ「にしてもクッキーか……

なあなあヒバリちゃん。

今度ヒバリちゃんもクッキー焼いてくれないかな?

俺食ってみてーな。」

 

ヒバリ「えっ……

そうですね……」

 

タツミの突然の申し込みにヒバリは少し俯きながら考え、考えがまとまったのか顔を上げた。

 

ヒバリ「いいですよ。

今度、カノンさんと一緒にお菓子作りをする約束をしていたので。」

 

タツミ「本当か!!

やったぜ!!」

 

OKが出ると、タツミはその場で子供のように喜び、ヒバリもまたそれを見てうれしそうに微笑んでいた。

 

その後、タツミは先ほどまでとは違い、食事の誘いではなく世間話などをし、ヒバリもまたうれしそうにその話を聞き始めたので、トシは2人の邪魔をしまいと静かにその場を離れた。

 

その場を離れたトシは、近くで出店をしているサングラスをかけた中年の男性の元へと向かった。

 

トシ「景気はどうですか、よろず屋さん。」

 

よろず屋「ぼちぼちだな。

どうだい、何か買ってくかい?」

 

トシ「そうですね……

回復錠とOアンプルをそれぞれ10個。

それと……レーションでも貰いましょうかね。

後、なにかオススメなものでも。」

 

よろず屋「はいよ、全部で1100fcだ。

それとレーションはオマケにしといたぜ。」

 

そう言いながら、よろず屋さんは商品を袋に詰めトシに渡すと、トシもまた懐からお金を取り出し渡した。

 

トシ「オマケって……

いつもすみません。」

 

よろず屋「いいってことよ。

それより、また外で何か珍しいモノを見つけたら譲ってくれよ。」

 

トシ「ええ、必ず……」

 

そう言い、トシはよろず屋さんから受け取った袋を手に少し離れた。

 

その時、先ほどまで青い服を着た男性と話していた、黄色いバンダナをした青年と青い服の少女が近寄ってきた。

 

トシ「フェデリコにアネットか。

どうした?」

 

急に近づいてきたことに疑問に思って問いかけると、2人は何やら興奮気味で2人同時に喋り出した。

 

アネット「トシさん!!1人で何百匹のアラガミを相手に無傷で討伐したって本当ですか!?」

フェデリコ「トシ先輩!!アラガミを睨んだだけで、そのアラガミが逃げ出したって本当ですか!?」

 

トシ「……すまないが、これからは1人づつ話してくれ。

それと、そんな事出来るわけないだろ。」

 

アネット「え、でもブレンダンさんが……」

 

トシ「え?」

 

予想外の人物の名が出、トシは少し驚いた声で、近くに居る青い服を着た男性ブレンダンを見た。

 

ブレンダン「何、違うのか?」

 

だが、当のブレンダンも驚いた様子だった。

 

トシ「いや嘘に決まってるじゃないですか。

それにアラガミを睨んだだけで、退かせたって……」

 

ブレンダン「確かにそうだな……

言われてみれば信憑性がなかった……」

 

シドウ「……ブレンダンさん。

その事誰から聞きました?」

 

ブレンダン「ん、シドウからだが?」

 

トシ「……基本的になんでも信じてしまうのは貴方のいい所ですが、悪いところでもあります。」

 

ブレンダン「そうだな……

すまない。」

 

トシ「……いえ、俺もこkで言うようなことではありませんでした。」

 

アネット「って事は……

全部嘘だったんですか!?」

 

トシ「まあ、そうだな。

後、お前達も少しばかし疑うんだな。

流石に、人間離れしすぎの事だからな……」

 

フェデリコ「すいません。

ただ、過去に大量のアラガミとの戦闘で戦い抜いたと聞いたものですから、ひょっとしらたらと思ったので……」

 

トシ「まあ、確かに大量のアラガミと戦った事はあるが……

俺よりも数年前のロシアで、たった3人で数えきれないアラガミを相手にしていた人達の方が凄いがな……」

 

トシがそう言うと、フェデリコとアネットは誰だろうと首をかしげ、ブレンダンはそうれもそうだと納得したように頷いた。

 

ブレンダン「確かに、彼らにまさる神機使いもそうそういないだろうな……

この支部ではお前とシドウ位のものだ。」

 

トシ「そう言ってもらえると悪い気はしませんが、俺もまだまだですよ。

……特に、あの人には絶対勝てないでしょうね。

俺もシドウも……」

 

ブレンダン「……そうだな。」

 

トシは遠くの方を見ながらそう言うと、ブレンダンもまた遠くを見た。

 

その様子を残りの2人は不思議そうに見ていた。

 

フェデリコ「あ、あの……

数年前ロシアで戦った神機使いって誰なんですか?」

 

アネット「そんな凄い人達がいるなら、ぜひその時のお話を聞きたいです。」

 

トシ「あ、ああ……

……いや、この支部にいる人だから直接聞くと言い。」

 

フェデリコ「えっ、この支部に!?」

 

アネット「本当ですか!?」

 

トシ「ああ。

この時間帯なら自室にいるんじゃないか?

俺もこの後、ちょっとその人に用事があるから一緒に行くか?」

 

アネット・フェデリコ

『はい!!』

 

当時の貴重な話が聞けるとあって、2人は大きな声で返事をした。

 

今、何も起きないこの平和な時間をここにいる誰も感じていた中、突如エントランス全体に鳴り響いた警報の音によって、一時の平和な時間は壊された。

 

トシ「これは!!」

 

タツミ「ヒバリちゃん!!」

 

ヒバリ「は、はい。」

 

突然鳴り響いた警報の音に、瞬時に反応したタツミが先程と打って変わって真面目な顔でヒバリの名を言うと、ヒバリは急ぎ手元のパソコンを操作した。

 

ヒバリ「……アラガミ防壁が同時に複数破壊。

既に何頭ものアラガミが外部居住区へと侵入しています!!」

 

タツミ「分かった。

位置情報を端末に送ってくれ!!

ブレ公!!」

 

ブレンダン「分かっている!!

フェデリコ、アネット行くぞ!!」

 

アネット・フェデリコ

『はい!!』

 

全員のタツミがブレンダンを呼ぶと、ブレンダンもまた返事をすると同時にフェデリコとアネットにも呼びかけ、4人は先程トシ達が使った出撃用のエレベーターの方へと向かった。

 

トシ「……サクヤさん。」

 

サクヤ「分かっているわ。

けど、連戦になるのに大丈夫?」

 

トシ「俺は大丈夫ですよ。

シドウは……置いておいた方がいいですね。

それとコウタも。」

 

サクヤ「分かったわ。

アリサ、私達も行くわよ!!」

 

アリサ「は、はい!!

けど、シドウさんは……」

 

トシ「一旦、そこに置いておけ。

今はこっちが優先だ。」

 

アリサ「わ、分かりました。」

 

そう言うと、アリサは未だ気絶しているシドウを一旦椅子に寝かせ、3人もまたタツミ達の後を追った。

 

3人が乗ったエレベーターが止まり扉が開かれると、ちょうどタツミ達が自らの神機を手に取り、軍用車で出ようとしていた。

 

トシ「タツミさん!!」

 

タツミ「お前、休まなくて大丈夫なのかよ!?」

 

トシ「No problem.

それより、アラガミの出現地点は?」

 

タツミ「今ヒバリちゃんからデータが来たんだが、D03地点とA21地点だ。」

 

トシ「位置が反対方向ですか……

俺達がA21地点に向かいますから、タツミさん達はD03地点をお願いします!!」

 

タツミ「分かった、気をつけろよ!!」

 

そう言葉を交わし、タツミ達が乗った軍用車は外へと出て行った。

 

それと同じくして、サクヤが車の準備をしトシはすぐにその軍用車に乗り込み出撃して行った。

 

先に人が滅びるのか、アラガミが滅びるのか……

それとも、この地球と言うホシが滅びを迎えるのか先か……

 

いつ終わりを迎えるかわからない。

 

その果てしない戦いに、今日も人々はその命をかけ戦いに身を投じて行った。

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