坂本君達には先に屋上に行ってもらい、僕達は亮介君と裕実を呼んで屋上へ向かった。
「しかし、良いのか? これからミーティングするんだろう?」
「平気だよ。坂本君にも許可はもらってるし」
「そうか? ならいいんだが……」
そして僕達が屋上につくと、皆はもう食べ始めていた。
「悪い、さすがに腹減った」
「大丈夫だよ。気にしないで」
「そんじゃ、俺達も食べるか! 明久、弁当くれ!」
「ウチも~!」
「あ、うん。これが文人のでこっちが澪のね。それd「あ、あのっ!」え「よ、吉井!」ど、どうしたの? 姫路さん、島田さん」
なんだろう? 僕、何かしたっけ?
「あのっ、吉井君はお料理は上手なんですか!?」
「え? う~ん……」
確かに皆からは「上手だね」って言われることは多いけど……。
そう思っていると、横で聞いていた文人が代わりに答えた。
「明久のはプロの世界で通用するくらい上手いぞ」
「そ、そうなの?」
「うん。1つ食べてみる?」
「あ、それじゃあ……」
「わ、私にもくださいっ!」
そう言って、2人は僕の作ったおかずを食べた。
そしてそのまま膝を折り……って、え!?
「ご、ごめん! もしかして、美味しくなかった!?」
「い、いえ、美味しいのは確かなんですが……」
「美味しすぎて、逆に……」
「「「あー……」」」
文人達は納得、という顔をしているけど、僕には理由がわからない。
そう思っていると、2人はいきなり立ち上がって、僕の前に顔を近づけた。
「あの! よければ私の料理の味、評価してもらえませんか!?」
「ええ!? 僕が!?」
「出来ればウチのもお願いしたいんだけど!」
えーっと、どうしよう……。でも、断るのもちょっと……。
「僕でよければ、構わないけど……」
「本当ですか!?」
「ありがとう、吉井!」
まさかこれだけで喜んでくれるとは……。
女子って料理が好きなんだなぁ。
そう思っていると、坂本君が手を叩いた。
「お取込み中悪いんだが、そろそろミーティングをしたいんだが……」
「あ、そっか。ごめんね」
「す、すみません」
「それで坂本、なんで最初はDクラスなの?」
僕達が謝ると、澪が坂本君に疑問を投げかけた。
確かに、狙うならDクラスではなくEクラスの方がいいはずだ。
「理由は簡単だ。井上、今この場には誰がいる?」
「は? えーっと……」
文人は周りを見渡して、答えた。
「友達と女子とバカとムッツリと天然危険物野生猥褻ホモな赤糞変態ゴリラが1人ずつと信友が5人いるだけだが?」
「誰が女子だ!?」
「バカじゃないの? あんたは天然危険物野生猥褻ホモな赤糞変態ゴリラだよ」
「というか今度は変態が増えてるし!」
「…………(ポッ)」
「土屋、あんたはムッツリだよ」
「…………!!(ブンブン)」
なんかもう、だんだんすごいことになってきてるような……。
「とにかく! これだけの人材が揃っているんだ! Eクラスに負けるはずがない!」
坂本君がそう言い切ると、今度は奈乃が質問した。
「そういう事を言っているけど、逆に言えばDクラスに勝つのは難しいってこと?」
「いや、Dクラスは単なる士気を上げるためだ。余裕で勝てると思っている」
「でもそれだとさ、召喚獣の扱いを良くはできないんじゃない?」
「いや、Aクラスとh「ちょっと待て」ん? なん……あ!」
ようやく坂本君はこの場に亮介君と裕実がいることを思い出したみたいだ。
「す、すまない。忘れていた」
「気にするな。元々ミーティングをするために集まっていたんだ。忘れても仕方がない」
「悪いな。……とりあえず、Dクラス戦は今話した通りだ。良いな?」
「良いわね。面白そうじゃない!」
「…………やってやる」
「ワシも頑張るかのぅ」
「それじゃあ、解散だ!」
坂本君がそう言ったので、僕は立ち上がろうとした。
しかしその前に、文人が僕に話しかけてきた。
「明久、悪い。先に行っててくれ」
「あ、うん。わかった」
文人にそう言われたので、僕は亮介君と裕実と一緒に教室に戻った。
何か用事があるのかな?
~文人SIDE~
よし、明久達は教室に戻っていったな。
「それじゃあ……おい、坂本!」
「なんだ?」
「ちょっと話があるんだけど……」
「良いかな?」
「ああ、別に構わないぞ」
「じゃ、単刀直入に聞くが……明久と何があった?」
そう言うと、坂本はなんでわかったと言うように、目を見開いた。
―――――どうやら、当たりのようだ。
~雄二SIDE~
まさか、わかっていたとは……。さすがは信友、ってか?
そう思い、俺はその時の経緯を話した。
「なるほどな、そんなことが……」
「でも、私が明久だったとしても、同じことを言っていたかもしれない」
「どうしてだ?」
そう言った宮代に、俺は疑問を投げかけた。
「だってさ、『学力が全てじゃない』ってことを証明したいわけでしょ?」
「ああ、そうだが……」
「確かに、矛盾してるのぅ」
「? どこが矛盾して……」
「だってそれだとさ、結局俺達や姫路の学力に頼ってんじゃねーか」
「!!」
そう言われ、俺は自分の言ったことが矛盾してるのに気がついた。
そうだ、結局俺は、学力に頼ってんじゃねーか……。
だから吉井はあんなことを言ったんだ。
おそらく吉井は俺が神童だったことを知っていたはずだ。
そんな俺が自分の矛盾していることに気付かなかったのなら、落胆してもおかしくない。
俺が吉井の立場だったら、同じく落胆していただろうから。
「後で明久に謝ったら?」
そう言って、4人は出て行った。
この時俺は、吉井に対して言うことだけを考えていた――――。