天才と信友と悲しい過去と   作:ゆん

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皆様、よいお年を!



第9問 Dクラス戦終了、そして……

~雄二SIDE~

 

「一体なんなんだ、これは……」

 

「あ、坂本君」

 

「来るのがおせーよ。全部倒しちまったぜ?」

 

俺たちが教室を出て5分後、吉井達のもとへたどり着いたんだが……。

 

「どうしてDクラスの奴らがこんなに倒れてるんだ?」

 

島田達から聞いた数は確か12人位だったはずだ。だけどここに倒れている数は20人を余裕で越えている。

 

疑問に思った俺は、吉井達に聞いてみた。

 

「島田は12人位と言っていたはずなんだが……」

 

「確かに最初はその位だったんだよ。でも……」

 

「俺達が戦っているって情報が思ってたより早く知らされちまった、ってわけだ」

 

「そうだったのか……」

 

たとえそうだったとはいえ、いくらなんでも倒すのが早すぎる。どうしてだ……?

 

「……っと、とりあえず、Dクラス代表の首を取りに行かなきゃだな。お前らはどうする?」

 

「こうなった以上、どっちでもいいぜ」

 

「それなら、一緒に来てくれ」

 

「良いよ。ただし、条件付きね」

 

「条件……?」

 

そう言うと、吉井が耳を貸せと言うから足を曲げた。

 

「な!? お前、なぜそれを……っ!」

 

「こんなの、予想範囲内だよ。それより、どうする?」

 

「……わかった。その条件、飲む」

 

「そ。なら行くよ」

 

そう言うと、吉井と井上はさっさと歩いて行ってしまった。

 

「しかし、吉井はやはりAクラスに勝つために必要だな……」

 

吉井達の学力があれば、Aクラスなんて――――

 

 

『結局俺達や姫路の学力に頼ってんじゃねーか』

 

 

「………っ!!」

 

そうだ、学力には頼らないって決めたばっかりじゃなーか……っ!

 

頭ではわかってる。だが、学力を頼る作戦しか浮かんでこない。

 

「やはり、『学力が全てじゃない』という証明をあきらめるしか……っ、そうだ!」

 

俺は1つの考えにたどり着いた。

 

『学力が全てじゃない』という証明はできないが、これなら証明できる!

 

「吉井、ちょっといいか?」

 

「どうしたの? 坂本君。Dクラス代表の首を取りに行くんじゃ……」

 

「ああ。今じゃないが、Dクラス戦終了後、話がある。屋上に来てくれないか?」

 

「屋上、ね。わかった」

 

そう言うと、再び歩き始めた。

 

その後に続くようにして、俺もDクラスへ向かった。

 

 

 

~明久SIDE~

 

話ってなんだろう?気になるけど……今はDクラス戦に集中しなきゃ!

 

「「失礼しまーす」」

 

僕と文人は教室の扉を開けると、皆に聞こえるように大きな声で言った。

 

「吉井、井上……っ!」

 

「あ、平賀君見つけた。それじゃ、Fクラス吉井明久と……」

 

「同じくFクラス、井上文人がこの場にいるDクラス全員に勝負を申し込む!」

 

「「試獣召喚(サモン)!」」

 

物理

Fクラス 吉井明久 674点

     井上文人 463点

 VS

Dクラス×7 平均 186点

 

「ふぅ……。やっぱり低いなぁ……」

 

「だけどすげーな、明久。本気を出さないでその点数って……」

 

「だって本気を出すなって言われたんだもん」

 

僕達がそう話していると、Dクラスから驚きの声が上がる。

 

『おい、今の聞いたか?』

 

『本気を出さないであの点数って……』

 

『それじゃあ、本気を出したらどれだけ高いのよ!?』

 

そんなに驚く点数なのかなぁ、これって。僕にとっては全然低いんだけど……。

 

「まあいいや。文人、いくよ!」

 

「もちろんだ、明久!」

 

僕達が突撃するのを見て、あわてて身構える。だけど、無駄だよ?

 

「防御するなら、もう少し敏感になった方がいいよ」

 

Dクラス×7 0点

 

『『『うそだろ!?』』』

 

そう言って叫ぶDクラスの人達。

 

だけど現実なんだよねぇ、これ。現実逃避するのはやめようよ。

 

「さてと。残るは代表、お前だけだな」

 

「くそ……っ!」

 

そう言って平賀君は召喚する。それと同時に文人は召喚獣をぶん殴る。

 

……というか文人、せめて戦うくらいはしようよ。

 

Dクラス 平賀源二 0点

 

さっきの一撃で、平賀君の点数が0点になった。あっけないなぁ。

 

「文人、お疲れ様」

 

「サンキュ。しっかし、弱すぎんだろ。せっかくの試召戦争なのに、つまんなかったぜ」

 

「召喚してすぐに攻撃しなければ、そんなにつまらなかったと思うよ」

 

そう言って、僕は先生の方を見た。

 

それに気づいた先生は、僕の方を見て頷いた。

 

「勝者、Fクラス!」

 

こうして、先生の宣言と共に、Fクラスの勝利が確定した。

 

 

 

「……それで、話ってのは?」

 

Dクラスとの戦後対談が終わり、僕と坂本君は屋上にいた。

 

「ああ。Dクラス戦が始まる前、俺はお前に言ったよな? 『学力が全てじゃない』ということを証明したいと」

 

「うん。確かに言ったね」

 

それで僕は怒って、坂本君に冷たく接したんだっけ。

 

「それでミーティングの後、井上達に言われたんだ。結局学力に頼ってる、ってな。だから俺は、考えを改めた」

 

「まさか、試召戦争をやめる、なんて言わないよね? ここまでやって」

 

「もちろんだ。だから、俺は……」

 

そう言って口を閉ざしてしばらくすると、再び口を開いた。

 

 

「『どんなに学力が低い人でも高い人に勝てる』という証明に変えようと思う」

 

 

その言葉を聞いて、僕は目を見開いた。

 

とても驚いた。そんな答えが出るとは思っていなかったから。

 

「プッ……アハハハハハハッ!!」

 

「なっ……なんで笑うんだよ! 俺は真剣に話してるんだぞ!?」

 

「ごめんごめん、なんか知らないけど、おかしくって……」

 

僕は呼吸を整えると、笑いながら言った。

 

「僕はそれでいいと思うよ! 『雄二』!」

 

「!! 今、俺のこと……」

 

「それじゃあ僕、文人達を待たせてるから! じゃあね!」

 

「ったく……。ああ、またな、『明久』!」

 

その言葉を聞いて、文人達がいる教室へと向かった。

 

 

この時僕は、彼とほんの少しだけ、『友達』になれた気がした ―――――。

 

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