「明久、井上!」
僕達がCクラスの前についた時、誰かが僕達を呼ぶ声が聞こえた。
「え……雄二!? どうしてここに!?」
「つーか、何ちゃっかり下の名前で呼んでんだよ!」
「んな事どうでもいい! なんでCクラスに来てんだよ! 全員戦死させたら教室に戻って来いって言っただろ!?」
「あー、そのことなんだけど……」
「そういうわけにもいかなくなったんだよ。なぁ? Cクラス代表さん?」
「っ……な、何がよ」
急に話しかけられたからなのか、図星を指されたからなのかわからないけど、数歩後ろに下がるCクラス代表。
名前は確か……小山さん、だったっけ?
「小山さん、君に聞きたいことがあるんだ」
「え……?(ヤダ、この人……カッコイイ///)」
僕がそう言ったら小山さんが顔を赤く染めた。どうしたんだろう?
(……おい、あれってよくあることなのか?)
(ああ。明久、自分の容姿がイケメンで、女子にモテやすいって気づいてないんだ。厄介だぜ)
(確かに、無自覚みたいだな……)
後ろでは小声で文人と雄二がこそこそ話している。
何の話か気になるけど、こっちの方が優先だ。
「君達、Bクラスと手を組んでない?」
「は、はい、組んでます。Fクラスが不可侵条約を結んできたら、協定違反ということに……キャッ!?」
それを聞いて、僕は小山さんの手を握った。
「出来ればその約束を破棄してから僕達と不可侵条約を結んでくれないかな? お願い!」
「あっ、あのっ、破棄してから不可侵条約を結べばいいんですか!?」
「うん! でも、本当に良いの!? ありがとう!」
「い、いえっ! あなたの、ためなら……///」
((Cクラス代表、この後明久のファンクラブに絶対入るな))
小山さんが俯くと同時に、文人と雄二が小声で同じことを呟いた……気がする。
このことに安堵していると、小山さんが「あのっ!」と言ってきた。
まだ何かあるのかな?
「どうしたの?」
「実は、奥にBクラスの人達が隠れていて……」
「へぇ、Bクラスが、ねぇ……」
小山さんがそう言うと、奥からBクラスの人達が舌打ちをしながら出てきた。
「残念だったね、根本君。協定違反を狙えなくて」
「だが今、Fクラスは協定違反をs「してないよ」な、なぜだ!?」
してないと言うと驚くBクラスの人達。だって……
「俺達はお前らが組んでいるのを破棄『してから』不可侵条約を結んだんだぜ?」
「それに、今の話は『CクラスとFクラス』の条約だよ? さっき結んだのとは関係ないし、たとえ駄目だったとしても、協定違反をしたのはそっちが先だよ」
「っ!!」
それを聞いて根本君はしまった、という顔をした。
そう、つまり僕達が協定違反をしたことにはならないし、協定違反をしたのはBクラスということになるのだ。
「お前ら、いつから気づいてたんだ?」
「最初から気づいてたぜ?」
「土屋君にあの2人が付き合ってるってことを教えてもらったからね」
「なるほど、それでか……」
それを聞いて雄二は納得「違うの、吉井君! 恭二とはもう別れてるわ!」して「友香!? 何を言って…!!」もら「だって私、彼のことが……///」えた「友香ぁ――――――っ!!」………………。
(あの2人、どうしたのかな?)
(まぁ、1つわかることといえば……)
(明久が登場したから、だな)
(え、僕が? なんで? どして?)
((ハァ……))
っと、こんなこと話してる場合じゃないね。
科目は世界史だけど……まぁ、しょうがないか。
「それじゃ、Fクラス吉井明久と……」
「おっと! 同じくFクラス、井上文人が!」
「「ここにいるBクラス全員に勝負を申し込む!
『『『くっ……
僕達が召喚すると、Bクラスの人達も悔しがりながらも召喚した。
世界史
Fクラス 吉井明久 3746点
井上文人 538点
VS
Bクラス 根本恭二 263点
Bクラス×7 平均 195点
『『『3746点!?』』』
「おー、また点数上がったな、明久」
「確かに上がったけど……やっぱり、日本史の方が高いや」
『日本史の方が、って……』
『それじゃあ、一体何点なのよ!』
僕がそう言うと、明らかに動揺したBクラスの人達。
だけど、僕の点数の話をしてるなんて……
「ずいぶん余裕なんだね?」
『っ!? しま…っ!!』
ザンッ!
Bクラス×7 0点
「さすがだな、明久。そんじゃ、根本は俺が倒しますか!」
「ちょ、待ってk「待たねぇよ!」うわ……っ!!」
根本君の制止を聞かず、文人は召喚獣を突撃させる。そして
ドガッ、バキィ!
Bクラス 根本恭二 0点
「チッ、やっぱ弱ぇな。もう戦死しやがった」
そう呟きながら、文人は攻撃をやめた。
「勝者、Fクラス!」
こうして、先生の声と共に、試召戦争が終了した。
「……あれ、根本君?」
戦後対談が終わり放課後、僕が廊下を歩いていると、根本君と会った。
「よ、吉井!? なぜここにいるんだ!?」
「先生に頼み事をされて、さっきまで手伝ってたんだ。そういう根本君は?」
「ずっと制服を探していて、今着替えたんだ」
「い、今? そうだったんだ……」
戦後対談では、雄二が『設備を交換しない代わりに女装をしてAクラスに戦争の意志と準備があると伝えてこい』という条件を出し、それをさせられたのだ。
正確に言うと、Bクラスの人が無理矢理させていたというか……。
そう思っていると、根本君が僕に話しかけてきた。
「……吉井、今、暇か? 話がしたいんだが……」
「別にいいよ。それじゃあ、屋上に行こうか」
そして僕達は、屋上へ向かった。
屋上へ着いてすぐに、根本君は話をしてきた。
「俺、さ、Cクラスと手を組んだだろ?」
「うん」
「最初はさ、『卑怯』とか言われても、全然気にしなかったんだ。だけど……」
『友香、別れるって、どういうことだよ!』
『悪いとは思ってるわ。だけど、卑怯なあなたより、かっこよくて天才な、彼の方がいいの!』
『っ!!』
『……ごめんなさい』
「……って、言われたんだ」
「そう、だったんだ……」
この時僕は、理不尽だと思った。
卑怯だから別れた。それじゃあ、もし小山さんが好きになった人が卑怯だったとしても、かっこよくて天才だから、その人を選んで、根本君を捨てるのだろうか?
「吉井はどう思った? 今回の戦いで、俺がやったこと。やっぱり……卑怯か?」
「最初は確かに卑怯だと思ったけど……」
他の人が聞いたら変に思うかもしれない。だけど……
「根本君がやったこと、僕は『良い作戦』だと思うよ」
「作、戦……?」
根本君も驚いている。そりゃそうだよね。
「そ。作戦なんだから、気にする必要ないと思うよ」
「だが、他の奴は卑怯って……」
「そんなの、『作戦なんだからそう言うな』って、言い返しちゃえばいいんだよ!」
根本君はもう呆然としてる。やっぱり、おかしかったかな?
「……あ! ごめん、根本君! 文人達を待たせてるから、帰るね!」
未だに呆然としている根本君を屋上に取り残して、皆が待っている教室へと向かった。
~NO SIDE~
明久がいなくなった屋上で、根本は1人寝ころがっていた。
「『良い作戦』か……。まさか、そう言われるとはな……」
そう呟くと、起き上がって屋上の扉を開けた。
「ああに言ってくれた吉井のためにも頑張るかな。『卑怯』なんて言われないように」
そう決意し、彼は出ていった。
『卑怯な根本恭二』としてではなく、『Bクラス代表の根本恭二』として――――。
他校の私立入試、行ってきます!