Tさん、お誕生日おめでとう!
「これより、Aクラス対Fクラスの一騎討ちを行います!」
高橋先生の合図とともに、AクラスとFクラスの試合が始まった。
Fクラスは雄二、僕、奈乃、姫路さん、澪、文人、土屋君、島田さん、秀吉の順で並んでいる。
一方Aクラスは霧島さん、裕実、亮介君、麻菜、竜牙、久保君、優子さん、知らない2人の順で並んでいる。
「それでは1回戦を始めます。両者、前に出てください」
「ワシが出るのじゃ」
「秀吉が出るなら、私が出るわ」
こっちからは秀吉、向こうからは優子さんが出るみたいだ。
「秀吉、負けてもいいから科目は向こうに選ばせてくれ」
「わかったのじゃ」
「頑張ってね、秀吉!」
「一発ガツンとやって来い!」
僕達が応援すると、振り向いて手を振った。
勝つのは難しいかもしれないけど……頑張って!
~秀吉SIDE~
相手は姉上か……。
負ける確率の方が高いのじゃが、明久達のためにも勝たないといけないのぅ。
「姉上、最初から本気でいかせてもらうのじゃ」
「もちろん私もそのつもりよ。この勝負、負けるわけにはいかないの」
「科目はどうしますか?」
「秀吉、あんたの得意科目は何?」
「ワシか?そうじゃのう……しいて言うなら、古典じゃ」
「それじゃあ、古典でお願いします」
わざわざワシの得意科目を選ぶとは、姉上は何を考えているのじゃ?
「それでは、試合開始!」
「あんたの本気がどのくらいか、見せてちょうだい!
!! じゃから姉上は、ワシの得意科目を……。
「もちろんじゃ!
ワシらがそう言うと、それぞれの目の前に召喚獣が現れた。
古典(A)
Aクラス 木下優子 486点
VS
Fクラス 木下秀吉 408点
さすがは姉上なのじゃ。ワシの得意科目でも、全然追いつけないのじゃ。
「行くわよ、秀吉!」
「ワシも行かせてもらうのじゃ!」
そう言ってほぼ同時にワシらの召喚獣が相手の召喚獣に迫る。
ガキィン! キンッ、ガガッ、ドガガガガッ!
交わったところから火花が散る。
やはり姉上は、この程度では倒せぬのじゃ。
そう思い、ワシは点数を見た。
Aクラス 木下優子 475点
VS
Fクラス 木下秀吉 349点
姉上はあまり点数が減っていないのじゃ。
ワシはもう300点台になってしまったのに……。
「秀吉、どうしたの? それても、あんたの本気って、この程度なの?」
「そんなはずなかろう? まだまだこれからじゃ!」
そう言ってワシは召喚獣を突撃させた。
それを見て、姉上はとっさに防御の構えを取る。残念じゃったのう、姉上よ。
「その判断は間違いじゃ!」
「っ!? な…っ!」
ワシは召喚獣をジャンプさせ、空中から攻撃した。
しかし姉上も、構えを解いて空中から来たワシの召喚獣に攻撃した。
Aクラス 木下優子 27点
VS
Fクラス 木下秀吉 31点
「なかなかやるわね。だけど……次で最後よ」
「そうじゃのう。この一撃に、すべてをかけるのじゃ!」
「来なさい、秀吉!」
ワシは姉上の召喚獣に向かって突撃し、姉上の召喚獣もこっちに向かって突撃してきた。
ザンッ!
召喚獣が切られる音。勝ったのは……?
Aクラス 木下優子 3点
VS
Fクラス 木下秀吉 0点
「1回戦、勝者Aクラスです!」
っ、負けて、しまったのじゃ……。あと3点じゃったのに……。
ワシがその場で脱力すると、姉上がワシの方に近寄ってきた。
「ちゃんと勉強してるじゃない。まさか私が残り3点になるなんて……頑張ったわね」
「あ、姉上……」
その言葉を聞き、ワシの目に涙が溜まってきてしまった。
姉上はワシの顔を見ると、困ったような笑みを浮かべた。
「泣かないの。あんたは私の双子の弟、でしょ?」
「そう、じゃ。ワシは絶対、泣いたりなんてしないのじゃ」
そう言ってワシは涙をふき、立ち上がった。
「次は絶対勝つのじゃ、姉上よ!」
「いつでもかかってきなさい、秀吉!」
姉上と握手をして、ワシはFクラスの陣営に戻った。