天才と信友と悲しい過去と   作:ゆん

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Chapter2
第21問 謎の声と清涼祭準備


 

どこ……? どこにいるの……?

 

 

 

 

会いたいよ……。今すぐに会いたいよ……。

 

 

 

 

なんで、消えてしまったの……?

 

 

 

 

こんなことになってしまうなんて知ってたら、あの時話しかけていたのに……。

 

 

 

 

『友達になろう』って、言ったのに……。

 

 

 

 

神様、お願い……。彼と会わせて……。

 

 

 

 

会わせなくてもいい。場所さえ教えてくれればそれでいい……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早く会いたいよ、吉井明久(・・・・)君に――――。

 

 

 

 

~明久SIDE~

 

「………?」

 

僕は誰かに呼ばれたような気がして、周りを見渡した。

 

しかしみんな僕を呼んだような態度をしていなかったので、空耳と思って話を進めた。

 

「えーっと、清涼祭の出し物を決めるので、意見がある人は手を挙げてください」

 

皆しばらく黙っていたが、その中でただ1人、土屋君が手を挙げていた。

 

「土屋君」

 

「…………写真館」

 

土屋君が言うとどうしてもR-18の方にいきそうだから却下しよう。

 

「君の言う写真館は問答無用で却下ね。他には?」

 

土屋君は首をブンブン振っていたけど無視しよう。

 

すると今度は秀吉と姫路さんが同時に手を挙げた。

 

「それじゃあ、秀吉からね」

 

「うむ。劇はどうじゃ? 一発勝負じゃが、思い出に残るものになると思うのじゃ」

 

「なるほど、劇か…。姫路さんは?」

 

「あ、はい。喫茶店なんてどうでしょうか? 例えば、メイド喫茶とか」

 

「それもいいね。文人、お願い」

 

「ん、了解」

 

そう言うと、文人は意見をパソコンに打っていく。

 

それにしても意外だなぁ、文人が自分から書記になるなんて。

 

っと、よく見ると島田さんが手を挙げていたじゃないか。

 

「ごめんね。どうぞ、島田さん」

 

「あ、いや、これは意見というか質問なんだけど……」

 

質問? なんとなく予想がつくけど、聞いてみよう。

 

「何?」

 

「その……ウチ達だけで決めちゃっていいの? 出し物」

 

 

やっぱりか。

 

 

今更だけどこの教室にいるのは僕、文人、奈乃、澪、麻菜、竜牙、秀吉、優子さん、姫路さん、島田さん、土屋君、工藤さんだけだった。

 

亮介君と裕実は高橋先生に呼ばれて、仕事を手伝っている。

 

雄二はFクラスの人に連れられて、今野球をしている。それに霧島さんも同行していた。

 

「良いんじゃない? ここにいないってことは何でもいいんだろうからさ。それに雄二にも決めといてくれって頼まれてるからさ」

 

「そう、なの? ならいいんだけど……」

 

僕がそう言うと島田さんは納得したのか、席に座った。

 

再び聞こうとしたら、皆が帰ってきた。もう勝敗が決まったのかな?

 

いや、考えられるのは1つだけだけど…。

 

「お疲れ。どっちが勝ったの? それとも……」

 

「ああ、鉄人が来た。しかも原因は俺だって言いやがった」

 

「……私がいなかったら補習室に連行されていた」

 

「そ、そうなんだ」

 

仕方ないかもしれないけど、これまでの雄二の態度を見てくればそう思うか。

 

「今、清涼祭の出し物を決めてるから、意見がある人は挙手してね」

 

僕がそう言うと、早速1人が手を挙げた。

 

あの人はDクラス戦で雄二に生贄にされていた人だから……。

 

「須川君」

 

「メイド喫茶も斬新で良いが、ここは味勝負で中華喫茶はどうだ? 本格的なウーロン茶や簡単な飲茶を出したりするんだ」

 

「中華喫茶か、良いね。文人、よろしく」

 

「ほーい」

 

えーっと、今出ているのは劇にメイド喫茶に中華喫茶か。

 

少ないかもしれないけど、そろそろ決めた方がいいかもね。

 

「それじゃあこの中から採決を取るから、やりたいというものに手を挙げてね」

 

 

 ~集計中~

 

 

えーっと、この中で一番多いのはメイド喫茶だね。

 

「じゃあ、ホール班とキッチン班に分けるから、ホール班は右側、キッチン班は左側に向かってね」

 

そう指示を出すと、それぞれ左右に分かれた。それじゃあ、僕はキッチン班にしようかな。

 

そう思って左側に行こうとすると、雄二に声をかけられた。

 

「明ひs(シャッ)……吉井、お前はどっちもやってくれないか?」

 

「え、それってホール班もってこと?」

 

僕がホール班に行ってもあんまり意味ないように思えるけどなぁ。

 

だけど別にいいか、両方やっても。

 

「わかった。だけど人手が足りない方中心でやってくからね」

 

「それでいい。悪いな」

 

「気にしないで」

 

けどとりあえずキッチン班の方にいるかな。

 

そう思い再び行こうとしたら、今度は姫路さんと島田さんに声をかけられた。

 

「吉井! そ、その……」

 

「私達ってどっちに行った方がいいですか!?」

 

え? 別に好きな方で良いと思うんだけど……。

 

「とりあえずあの日のこともあるし、姫路さんはホール班ね」

 

「う、わかりました……」

 

「島田さんはホール班に行ってほしいけど、料理も上手だしなぁ…。だけどやっぱりホール班がいいと思うな」

 

「ほ、ほんと!? じゃあホール班にするわ!」

 

島田さんはそのままホール班の方に行ってしまった。とてもウキウキしながら。

 

この会話の中に喜ぶようなことがあったっけ?

 

そう考えていると、放送が流れた。

 

『2年Fクラスの吉井明久君、至急学園長室に来てください。繰り返します、2年Fクラスにいる……』

 

え、僕? 何か呼ばれるようなことをしたっけ?

 

それに今は、亮介君達もいるはずじゃあ……。

 

「とりあえず、行ってくるね」

 

「おう、気をつけてな」

 

文人にそう伝えて、僕は学園長室へと急いだ。

 

 

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