「坂本君はここをこうして、土屋君は……」
「おぉっ! なるほど! 確かにそっちの方が効率がいいな!」
「…………さすが」
「それほどでもないよ」
あの後僕は、試合から帰ってきた坂本君と土屋君にアドバイスをしていた。
最初は隙が多かったりしてやられそうになった時もあったけど、アドバイスをしているうちにどんどん動きがよくなってきた。
坂本君は呑み込みが早いからなんとなく予想はしていたけど、土屋君も意外と呑み込みが早かった。
そんなことをやっているうちに、お店は繁盛していた。
(さてと……そろそろ来るかな……)
僕がそう思った時、この後起こるであろう事件が起こった。
「ここの店は料理が不味いな!」
「こんな物を客に食べさせるなんて、どうかしてるぜ!」
――――来た。今回の計画に邪魔な奴らが。
~文人SIDE~
「ここの店は料理が不味いな!」
「こんな物を客に食べさせるなんて、どうかしてるぜ!」
あァ? 誰だよ俺達の店の料理を不味いなんて言うバカは。
そう思ってみてみると、知らねぇ顔の奴が2人いた。……あいつらか。
俺は面を確認したので近づいて追っ払おうとしたら、あるものを見てしまった。
――――俺の視線の先には、あの2人を睨みつけている、今まだ見たことがない明久がいた。
何、だよ、明久……。どうして、そんな顔をしてるんだよ……?
そう思った時、明久があの2人に向かって歩き出した。
「あ、明久!」
「私達が注意するから、明久は下がってt「黙れ」っ!?」
今の明久の言葉に麻菜だけでなく、その場にいたほとんどの人が固まっていた。
だってあの明久が、そんな言葉を口にするとは思わなかったから。
そんな状況もお構いなしに、明久はさらに進んでいく。
遂には、あの2人の前で仁王立ちをした。向こうもそれに気づき、目を細める。
「あん? なんだよテメーは」
「失礼ながらお客様、とっとと出て行ってくれませんか? 商売の邪魔なので」
「お前何言ってんだよ!? 俺達はお客様だぞ、お客様!」
明久の言葉にキレた坊主頭の奴は、明久の胸ぐらを掴もうと手を伸ばす。明久があぶねぇ!!
それに気づいた澪達も慌てて駆け出す。
一触即発、何かが起ころうとした、その時だった。
「――――――」
「っ!? まさか、お前が……っ!?」
「……去って、くれますか?」
ニッコリと明久が2人に微笑みかけるが、向けられた本人達は明久が言った言葉に驚きを隠せていない。
あんなに驚くなんて……明久は一体何を言ったんだ?
「おい常村、どうするよ?」
「嘘かもしんないが、もし本当だったらまずいな……」
「仕方ねぇ、いったん去るぞ!」
「ご利用ありがとうございました~。もう2度と来ないでくださ~い」
去っていく2人に明久はさらに罵倒を続ける。
なんていうか、この明久……怖い。今までの中で1番怖い。
そんな明久に奈乃は近づいて、さっきのを聞いていた。
「明久、さっきなんて言ったの? よく聞き取れなかったんだけど……」
「さっきの? ………ああ、知らなくて良い事だよ」
そう言って微笑んだ明久は、何か隠し事をしているように見えた。
それも生死を分けるくらい、大規模な隠し事を――――。