天才と信友と悲しい過去と   作:ゆん

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第26問 知らない顔

「坂本君はここをこうして、土屋君は……」

 

「おぉっ! なるほど! 確かにそっちの方が効率がいいな!」

 

「…………さすが」

 

「それほどでもないよ」

 

あの後僕は、試合から帰ってきた坂本君と土屋君にアドバイスをしていた。

 

最初は隙が多かったりしてやられそうになった時もあったけど、アドバイスをしているうちにどんどん動きがよくなってきた。

 

坂本君は呑み込みが早いからなんとなく予想はしていたけど、土屋君も意外と呑み込みが早かった。

 

そんなことをやっているうちに、お店は繁盛していた。

 

(さてと……そろそろ来るかな……)

 

僕がそう思った時、この後起こるであろう事件が起こった。

 

「ここの店は料理が不味いな!」

 

「こんな物を客に食べさせるなんて、どうかしてるぜ!」

 

 

――――来た。今回の計画に邪魔な奴らが。

 

 

 

~文人SIDE~

 

「ここの店は料理が不味いな!」

 

「こんな物を客に食べさせるなんて、どうかしてるぜ!」

 

あァ? 誰だよ俺達の店の料理を不味いなんて言うバカは。

 

そう思ってみてみると、知らねぇ顔の奴が2人いた。……あいつらか。

 

俺は面を確認したので近づいて追っ払おうとしたら、あるものを見てしまった。

 

 

――――俺の視線の先には、あの2人を睨みつけている、今まだ見たことがない明久がいた。

 

 

何、だよ、明久……。どうして、そんな顔をしてるんだよ……?

 

そう思った時、明久があの2人に向かって歩き出した。

 

「あ、明久!」

 

「私達が注意するから、明久は下がってt「黙れ」っ!?」

 

今の明久の言葉に麻菜だけでなく、その場にいたほとんどの人が固まっていた。

 

だってあの明久が、そんな言葉を口にするとは思わなかったから。

 

そんな状況もお構いなしに、明久はさらに進んでいく。

 

遂には、あの2人の前で仁王立ちをした。向こうもそれに気づき、目を細める。

 

「あん? なんだよテメーは」

 

「失礼ながらお客様、とっとと出て行ってくれませんか? 商売の邪魔なので」

 

「お前何言ってんだよ!? 俺達はお客様だぞ、お客様!」

 

明久の言葉にキレた坊主頭の奴は、明久の胸ぐらを掴もうと手を伸ばす。明久があぶねぇ!!

 

それに気づいた澪達も慌てて駆け出す。

 

一触即発、何かが起ころうとした、その時だった。

 

「――――――」

 

「っ!? まさか、お前が……っ!?」

 

「……去って、くれますか?」

 

ニッコリと明久が2人に微笑みかけるが、向けられた本人達は明久が言った言葉に驚きを隠せていない。

 

あんなに驚くなんて……明久は一体何を言ったんだ?

 

「おい常村、どうするよ?」

 

「嘘かもしんないが、もし本当だったらまずいな……」

 

「仕方ねぇ、いったん去るぞ!」

 

「ご利用ありがとうございました~。もう2度と来ないでくださ~い」

 

去っていく2人に明久はさらに罵倒を続ける。

 

なんていうか、この明久……怖い。今までの中で1番怖い。

 

そんな明久に奈乃は近づいて、さっきのを聞いていた。

 

「明久、さっきなんて言ったの? よく聞き取れなかったんだけど……」

 

「さっきの? ………ああ、知らなくて良い事だよ」

 

そう言って微笑んだ明久は、何か隠し事をしているように見えた。

 

 

それも生死を分けるくらい、大規模な隠し事を――――。

 

 

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