天才と信友と悲しい過去と   作:ゆん

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あやや、時間が空いてしもうた……。

他の作品も頑張って執筆します!



第31問 銃声と明久の声

~文人SIDE~

 

明久が銃に撃たれる光景を見て、俺達は驚愕した。

 

「明、久……?」

 

「嘘、だろ……? 明久、明久っ!!」

 

「い、や………いやぁああああああああっ!!」

 

「っ…!!」

 

俺は我慢ができなくなって、教頭室に殴り込みに行こうと立ち上がった。

 

しかし次の瞬間、なぜか俺の体が動かなくなった。

 

(くそっ、なんで……っ、まさか!)

 

俺はある1つの考えに至り、後ろを振り返った。

 

案の定、そこには赤色の瞳(・・・・)で俺を見ている麻菜がいた。

 

俺は舌打ちをして麻菜を睨みつける。

 

「おい、今すぐこれを解けよ」

 

「悪いけど、それはできない。黙って大人しくしてて」

 

「麻菜、テメェ…!」

 

麻菜の発言に苛ついた俺は、体を無理矢理にでも動かすために白色の瞳(・・・・)にした。

 

その瞬間、室内に無数の剣が現れた。

 

そしてその剣が麻菜に向けられた、その時だった。

 

 

 

 

 

『――――Hell The World』

 

 

 

 

 

パソコンの画面からそんな言葉が聞こえた瞬間、それに被せるかのように野太い男の悲鳴が聞こえてきた。

 

俺と麻菜は慌ててパソコンの近くに戻り、画面を覗き込んだ。

 

するとそこには、白目をむいて気絶している竹原と、膝をついて苦しそうに肩で息をしている明久がいた。

 

「「「明久っ!!」」」

 

俺達は学園長室を飛び出して、教頭室の扉を勢いよく開けた。

 

明久を見ると、さっきと体勢が変わってその場に倒れていた。それを見て俺達は一斉に駆け寄る。

 

明久の名前を何度も呼ぶと、明久は呻きながらゆっくり目を開けた。

 

「大丈夫か!? しっかりしろ!」

 

「ふ、みと……それに、皆、も………ごめ、ん……使っちゃった……」

 

「謝らなくていい! 今は安静にしてて!」

 

「うん……わか、た……」

 

明久はそう言うと、吐息をたてて眠った。

 

その後奈乃が明久の左腕に優しく手を当てて、深呼吸をした。目を開けると、奈乃は紫色の瞳(・・・・)になっている。

 

「――――ヒール」

 

奈乃がそう言うと、明久の傷は全て消えた。思ったよりも軽傷だったことに安堵する。

 

俺達は明久を保健室に運ぶため、教頭室を出た。

 

 

 

明久を保健室に運び終えた俺達は、明久と話していたモヒカンと坊主を探すために校内をうろついていた。

 

すると丁度クラスから出てきた2人を捕まえ、体育館裏に呼び出した。

 

「お前ら…確か吉井の仲間だったよな? 俺達になんか用か?」

 

「単刀直入に言うと、明久のことを教えてほしい」

 

竜牙がそう言うと、常村と夏川……常夏コンビは目を見開いた。

 

最初は話すことを渋っていたが、頭を下げて頼んだら話してくれた。

 

「吉井は…てか、俺達は教頭に『一緒にこの学園を消さないか』って言われたんだ。最初俺達は断ろうと思ってたんだが、吉井にこう言われたんだ。『仲間になったフリをしてください』って」

 

「理由を聞いても教えてくれなかったから、俺達は断ろうとしたんだ。だけどその時吉井がこっちを見ていた目は、俺達をどこか安心させたんだ。そして気がついたら、それを了承してた」

 

「後は知っている通り、教頭に頼まれたことを実行したんだよ。つっても、営業妨害くらいだけどな」

 

「そうだったんですか……」

 

それを聞いて、俺達はこいつらが良いやつなのだと理解した。

 

営業妨害は、竹原の屑に頼まれてやっただけだったんだな。

 

俺達は常夏コンビに礼を言って、手伝うためにクラスへと戻った。

 

 

 

『これにて、清涼祭1日目を終了いたします』

 

校内にアナウンスが流れ、清涼祭1日目の終了を告げた。

 

疲れたので俺が肩を回していると、頬に冷たい感触があった。

 

その犯人である明久が「あげる」と言ったので、俺はありがたくそれを……って、ん? 明久?

 

「のわぁあああああああっ!!??」

 

俺は驚いて、もらったばかりの飲み物を落としてしまった。それを明久が拾う。

 

「もう、なにしてるの? はい、文人」

 

「あ、悪い……じゃなくて! 起き上がって平気なのか!?」

 

「大丈夫だよ。休んだからすっかり元気だもん!」

 

俺がそう聞くと、明久はニッコリ笑ってそう答えた。

 

あまりの元気ぶりに驚いたが、嘘はついてなさそうなので心から安堵した。

 

しかし次の瞬間、明久はふっと真顔になる。

 

いきなりのことで呆然としてしまった俺に、明久は話しかけた。

 

 

 

 

 

「この後、皆で僕の家に来て。そこで、全てを話すから」

 

 

 

 

 

時が、止まったような気がした。

 

 

 

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