天才と信友と悲しい過去と   作:ゆん

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Chapter1
第1問 新学期


道路に車が走っておらず、辺りに人が全くいない桜の花びらが舞い落ちてくる道を、6人の男女が歩いていた。

 

「綺麗だねぇ……」

 

「こういうの見ると、お花見したくなるね」

 

「それじゃ、今度の休みにしようか」

 

そう言いながら、のんびり歩いていると――――

 

「遅刻だぞ! 吉井(よしい)井上(いのうえ)沢村(さわむら)宮代(みやしろ)近藤(こんどう)野々原(ののはら)!」

 

「「おはようございます、に……鉄人先生」」

 

「はよぅ、鉄人」

 

「おっはよう、てっつん」

 

「……おはようございます」

 

「朝からご苦労様です、西村先生」

 

「おはよう、沢村、近藤。それと吉井、宮代はなぜ言い直した」

 

「「皆がそう呼んでいるので」」

 

「そうだとしても普通に西村先生と呼べ」

 

「「わかりました」」

 

「それから井上と野々原は堂々と別の名で呼ぶな」

 

「「ほーい」」

 

「まったく、お前らは……」

 

そう言うと、西村先生はため息をついた。

 

その場にいた6人のうち、2人は同情するように西村先生を見ながら苦笑いをし、1人は腕を組んでため息を

つき、1人は無表情で首をかしげ、2人は同時にあくびをしていた。

 

~明久SIDE~

先生、いつもお疲れ様です。そしてすみません……。

 

なんとかしたいけど、さすがの僕達でもこの性格を直すことはできないです……。

 

「まあいい。ほら、クラス分けの結果だ」

 

「……って、あれ? 僕の分もあるんですか?」

 

「あ、あたしの分もある……」

 

僕と奈乃(なの)は試験中に途中退席したから結果はわかってるのに……。

 

「学園の方針だからな。欠席者にも途中退席者にも渡すように言われている」

 

先生の話を聞きながら、封筒の口を破いた。するとそこには大きく『F』と書かれていた。

 

うわぁ、すごい強調されてる……。

 

「それはそうと……井上、野々原! なぜ試験監督を殴り飛ばした!!」

 

「うっせぇんだよ、鉄人!」

 

「明久をただ頭がいい屑呼ばわりされて、おとなしく見てろと!?」

 

「えぇ!? いつの間に!? というか文人(ふみと)(みお)、何やってるの!?」

 

気持ちは嬉しいけど、それでFクラスになっちゃうなんて…!

 

何だろう、僕はただ奈乃を連れて途中退席しただけなのに、すごく罪悪感が……。

 

どうしようかと困っていると、神が舞い降りてきたと錯覚させるくらいちょうどいいタイミングで、亮介(りょうすけ)君が口を開いた。

 

「先生、時間も時間なので、そろそろ行きますね」

 

「……それでは」

 

「ああ。急いで行けよ」

 

亮介君と裕実(ゆみ)が先生に断りをいれて、さっさと校舎へ向かってしまった。

 

そっか。僕達って、一応遅刻してるんだよね。

 

「ほら、2人も行くよ」

 

「あ、うん! 今行く!」

 

「え、あ、ちょっ、待ってよぉ――――!」

 

「置いていくなぁ――――っ!」

 

文人と澪が何か言っているけどそれを無視し、僕は奈乃と一緒に亮介君と裕実のところに向かって走った。

 

 

さて、どんな高校生活が待ってるのかな?

 

 

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