「幸せの青い鳥も風邪を引くんだね。」 「うるさいですよ。」

香霖堂店主が青い鳥を看病するすごくベタなお話。

初投稿です。文才皆無です。お目汚しにならなければ幸いです。
クオ霖流行れぇーーーーーー!!!!!

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看病

 カランカラン・・・

 ある寒い日のこと。香霖堂に一人の客がやって来た。

 

「こんにちは店主さん。」

 

 青い髪、青い服、青が特徴的な女の子。幸せの青い鳥 クオンである。

 

 「やあ、クオン。久しぶりだね。」

 

 「久しぶりと言っても2週間ぶりですけどね。」

 

 「そうだったか・・・。」

 

 クオンは微笑みながら言った。

 

 「とても濃い十日間でしたからね。そう思うのも無理ありません。」

 

 「まったく、あんな慌ただしい日々はもうこりごりだよ。長いこと生きてきたがあんなに忙しかったのは初めだ。」

 

 クオンが初めて来店した日、霖之助は「十日後にこの店は潰れます。」などと突拍子も無いことを言われた。始めは信じられなかったが、彼女が幸せの青い鳥とわかってから少し怖くなり、幻想郷の強力な少女たちに協力してもらって、何とかその未来を免れたのだ。

 

 「あの時はヒヤヒヤしたよ。僕の身体は丈夫だから瓦礫で潰されるくらい訳ないけど、道具はひとたまりもないからね。」

 

 「この店は別の意味で潰れそうですけどね。」

 

 「・・・言わないでくれ。頭が痛い・・・。」

 

 もちろん多大なツケや頻繁に訪れる強盗(主に霊夢と魔理沙)によって、である。まあ、そこまでお金に困っている訳でもないが。

 

 「それで、今日はどんなご用だい?」

 

 「はい。ちょっと商品を見せて貰おうと思って・・・」

 

 途端、霖之助の目が輝いた。

 

 「さすがクオン!!君こそ我が店の上客だよ!いやぁ、久しぶりのまともなお客だ。この頃の来店した者といえば、『あら、高いお茶の匂いがするわ』とかいって勝手に店の奥に入りこんでは高い茶菓子を盗む者や『死ぬまで借りてくぜ』とか言って商品を盗む者しかいなかったからね!」

 

 「そんなに、酷いんですか・・・」

 

 霖之助を哀れに思ったクオンは苦笑いしながら商品棚を見ていく。

 

 「これは何ですか?」

 

 クオンが一つの商品を手に取り、霖之助に見せる。

 

 「ああ、それは『腕時計』。腕に巻き付けて使う物で、何時でも何処でも時間がわかる、だそうだ。」

 

 「時間なら日の高さで大体わかりますよね?」

 

 「ま、まあ・・・時間に忠実に生きたい者にはいいんじゃないかな?」

 

 「なるほど・・・」

 

 こうして商品を見始めて十分ほど。

 

 「(・・・あれ?なんだろう、頭がクラクラする・・・)」

 

 突然、クオンを頭痛と寒気が襲った。

 

 「(頭がボーっとして、うっ・・・)」

 

 意識が遠のき、クオンは倒れそうになる。

 

 「!・・・っと、大丈夫かい?」

 

 しかし、いち早く異変を察知した霖之助は、素早く立ち上がり、クオンを抱き止める。

 

 「あ・・・店主、さん・・・」

 

 クオンの顔が真っ赤になる。

 

 「うん?熱でもあるのかい?」

 

 そう言ってクオンの額に手をやる。

 

 「ひゃ・・・!」

 

 「ふむ、かなりの熱だ。立っているのも辛いだろう。少し横になったほうがいい。」

 

 そして霖之助はクオンをお姫様抱っこした。

 

 「なッ・・・ちょ、店主さん!?」

 

 「大きな声を出さないほうがいい。頭に響くぞ。」

 

 「う・・・で、でも店主さん。移っちゃいますよ?」

 

 「僕は半妖だからね。簡単に病気にはかからないよ。」

 

 霖之助はクオンを抱えたまま、店の奥へと進んでいく。襖を開けて部屋に入り、押し入れから布団を取り出して敷いた。

 

 「さあ、早く横になるといい。丁度夕食どきだし、僕はお粥でも作ってくるよ。」

 

 「あ、あの・・・」

 

 霖之助は部屋を出ていき、クオン一人になった。さっきから顔が赤いが、おそらく熱がでたから、というだけではないらしい。

 

 「(・・・なんだろう、胸が苦しい・・・熱のせいかしら・・・?)」

 

 布団に入り横になるクオン。心臓がドキドキと、慌ただしく動いている。鼓動が、速い。

 

 「(何?この気持ち・・・すごく・・・ドキドキする・・・こんな感情、初めて・・・)」

 

 初めての感情に頭を悩ませるクオン。そこに、お粥を持った霖之助が入ってくる。

 

 「クオン、大丈夫かい?」

 

 「あ、店主さん・・・すみません・・・こんなお世話になっちゃって・・・」

 

 「気にしないでいいさ。君はうちの大事なお客様だし、なにより、大切な友人だからね。」

 

 「・・・ありがとうございます。」

 

 「友人」という言葉がクオンの胸に刺さる。

 

 「(なんでだろう・・・とても嬉しい言葉のはずなのに・・・)」

 

 またもや悩むクオン。

 

 「・・・どうしたんだい?食欲無いかい?」

 

 霖之助に声をかけられ、我に返る。

 

 「い、いえ。そんなことはないです。・・・いただきます。」

 

 一口、お粥を口に運ぶ。霖之助のお粥は、優しい味がした。

 

 「とても、美味しいです。お料理はされるんですか?」

 

 「ありがとう。僕自身、食事は必要としない体質なんだが、妹分が、ちょっとね・・・」

 

 「ああ、なるほど・・・」

 

 他愛のない会話が続き、クオンはお粥を完食した。

 

 「食べ終わったようだね。・・・ふむ、もう夜も更けてきたし、今夜は泊まっていくかい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 静寂が二人を包み込む。今なんつった。

 

 「今、なんて言いました・・・?」

 

 「だから、今夜は泊まっていくかい?」

 

 「・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 「ボンっ」

 

 クオンの頭が爆発した。

 

 「な、んななななな・・・!!」

 

 治まりかけていた顔の赤みが戻ってくる。

 

 「さ、さすがにそれは・・・!」

 

 「? 嫌かい?」

 

 「う・・・」

 

 この人は優しいのか、意地悪なのか、わからなくなってきた。

 

 「嫌なら別に構わないよ。僕としては放っておきたくないのだが・・・」

 

 「い、嫌だなんて!とんでもありません!!むしろ嬉し・・・コホン、重ねてお世話になります・・・」

 

 「そうかい」

 

 クオンはまた顔を真っ赤にしていた。

 

 「じゃあ湯浴みをしてくるといい。汗もかいただろうしね。」

 

 女の子であるクオンにとって、汗とかあまり言われたくないのだが、そこはスルーした。

 

 「はい、ありがとうございます・・・」

 

 

 

 

  少女入浴中・・・

 

 

 

 クオンの後に霖之助が入浴し、二人は寝る準備をしていた。 だがそこでクオンは致命的なことに気付くのだった。

 

 

 

 布団が・・・一つしか無い!!

 

 「店主さんは布団で寝て下さい。私はそこら辺に・・・」

 

 「何言っているんだ君は。君の看病をするんだから、君が布団に寝ないでどうする。」

 

 「で、ですが、それでは・・・」

 

 「僕のことは気にしなくていいよ」

 

 気にするに決まってる。どうにか出来ないものか・・・クオンが考えていると・・・

 

 「なら、もし嫌でなければ、一緒に寝るかい?」

 

 「ボボンッ!!」

 

 二回目の爆発である。

 

 「・・・大丈夫かい?」

 

 「ふぇ、いえ、大丈夫です・・・」

 

 なんなんだこの人は。私の心を何度も掻き乱してくる。クオンは悔しそうに霖之助を見つめ、心の中で呟く。何でこの人は平然としていられるんだろう、と。

 

 

 

 結局、添い寝することになってしまった。

 

 「暑くないかい?」

 

 「い、いえ。冬なので・・・暖かい、です・・・」

 

 「そうかい、それは良かった。」

 

 クオンは恥ずかしさで霖之助に背を向けて寝ている。

 

 「そ、その、今日はありがとうございました・・・」

 

 「気にしなくていいさ」

 

 「・・・一つだけ聞かせて下さい。私と店主さんは確かに友人・・・ですが、どうしてここまでしてくださるのですか?友人として過ごした日々も決して長くありません。むしろこの短期間で友人になれたことさえ驚きなのですが・・・」

 

 クオンは少し寂しそうに問う。

 

 「過ごした時間なんて、たいして重要なことではないのさ。本当に大事なのは、どれだけ信頼し合っているか、だよ。背中を任せて命懸けで戦った仲だ。僕はもう、君のことを十分信頼しているさ。」

 

 「私だって信頼していますよ。ただ、その・・・」

 

 「納得出来ないかい?・・・そうだな。」

 

 霖之助は少し考えてから答えを出した。

 

 「柄にもないことを言うが、『僕がこうしたかったから』、かな。」

 

 「え?」

 

 クオンは驚いたように顔を上げる。

 

 「友人とかお客様とか、そういうのは関係無しに、『僕がクオンを看病したかったから』というのが答えさ。」

 

 「な・・・」

 

 目を見開いて霖之助を見つめる。

 

 「って、ちょっとクサイこと言ったかな?」

 

 「い、いえ、そんなことないです!」

 

 「クオンを看病したかったから」という言葉にクオンは激しく動揺する。それと同時に心が温かくなった。

 

 「まあ要するに、自分のしたいようにしたってわけさ。・・・ほら、もう夜も遅い。病気を治すには寝るのが一番だよ。」

 

 「・・・そうですね。」

 

 クオンは笑顔で言った。

 

 「? 嬉しそうだね?」

 

 霖之助が不思議そうにクオンを見る。

 

 「ふふっ。何でもないです。」

 

 「?」

 

 何故クオンは笑っているのか、霖之助は理解できなかったが、まあ嬉しそうだからいいか、と無理やり納得した。

 

 

 

 

 

 

 灯りを消し、眠りに入る。しかし、クオンは眠れないでいた。当たり前である。

 

 ふと、霖之助の方を見る。

 

 「zzz」

 

 バッチリ寝てた。

 

 「まったく、緊張してるのは私だけですか。なんかバカらしくなってきちゃいましたよ。」

 

 クオンは霖之助に近づいて、見つめる。

 

 「zzz」

 

 整った顔立ちに規則正しい寝息。

 

 「こうして見ると、案外可愛いものですね。」

 

 素直にそう思った。

 

 「私の知らなかった感情・・・あなたが教えてくれた・・・」

 

 さらに近づく。

 

 「あなたが・・・この気持ちに気付かせてくれた・・・」

 

 二人はほぼ密着している。

 

 「店主・・・いや、霖之助さん・・・」

 

 クオンは霖之助を抱きしめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「私は・・・あなたのことが・・・大好きです・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  次の日、

 

 「ゲホッ、ゴホッ」

 

 「大丈夫ですか霖之助さん?」

 

 霖之助に移っていた。

 

 「まさか、僕がゲホッ、風邪を引くなんて・・・」

 

 「だから言ったじゃないですか。・・・まったく、今日は私が看病してあげますよ。」

 

 「悪いね・・・」

 

 「いいんですよ。昨日のお返しです。」

 

 今日も二人は一緒に過ごすことになりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「おーぅ香霖。邪魔するぜ!」

 

 「あら、魔理沙さん。いらっしいませ。」

 

 「あれ?クオン?久しぶりだな。何でお前がここにいるんだ?」

 

 「霖之助さんが風邪を引いてしまいまして。」

 

 「アイツが風邪?妙なことがあるもんだな。」

 

 「昨日風邪を引いた私を霖之助さんが看病してくださったんです。多分それが移ったのかと・・・」

 

 ピクッ「看病・・・?」

 

 「はい。それに泊めてまでいただいて・・・」

 

 「泊まった!?」

 

 「はい。布団が一つしか無かったので、ご迷惑をおかけしてしまいましたが・・・」

 

 「一緒のフトン!?」

 

 ぽっ、とクオンが頬を赤らめた。

 

 「・・・はい。」

 

 「・・・・・・」

 

 冷たい空気が漂う。

 

 「・・・・・・」

 

 「魔理沙さん?」

 

 「香霖の・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「香霖のバカぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

 

 

 

 

      終


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