ザイードに憑依して暗殺王を目指す!?   作:たくヲ

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後日談は物語の補完っす?

 『ザイードの暗殺帳・第四次聖杯戦争から半年後』

 

 

 聖杯戦争が終結したニ日後。

 

 聖杯戦争、御三家のひとつ。間桐が滅んだっす。

 

 俺と言峰綺礼が、聖堂教会の代行者を数人連れて間桐邸に攻め込んだからなんすけど。

 

 これを提案した俺の目的は二つ。

 

 一つ目は間桐桜の保護。

 

 二つ目は間桐臓硯の殺害。

 

 間桐桜は第五次聖杯戦争時に、世界を破滅させる可能性を持った少女っす。

 

 とはいっても、原作と何から何まで乖離している以上、彼女が世界を滅ぼす可能性は低いっす。

 

 だが、俺は生き残るためなら何でもするっす。僅かでも可能性がある以上、野放しにしておくことを許す男ではないんすよ。

 

 普通なら間桐桜を殺害するのが一番手っ取り早いっす。でもそこで問題が生じるっす。

 

 間桐桜は間桐が遠坂から養子として迎えた少女。迂闊に殺せば、姉である遠坂凛の恨みを買うことになりかねないと言うものっす。

 

 遠坂凛も殺すって手はあるっすけど、言峰綺礼の反応が怖いんすよね。

 

 だから、保護するっす。幸い、世界を滅ぼす原因になりえる、聖杯のかけらを彼女は埋め込まれていないはずっすから、聖堂教会が保護すればそれで終わるっす。

 

 

 そして、間桐臓硯。この男は体を蟲に移し、500年以上の時を生きる魔術師であり、間桐の家を牛耳る怪物っす。

 

 何をするかわからないという点において、最も厄介な相手。生き残ることが目的である俺にとって絶対に殺さなくてはならない相手っすね。

 

 こっちは正直簡単っす。その体は死徒などの吸血種に近いものとなっており、聖言による洗礼詠唱によって霊体を浄化することで、ほぼ無力化できたはずっす。と言っても本体である虫を殺すまでは死なないらしいっすけど。

 

 だからこそ俺はは洗礼詠唱の使い手である代行者を連れてきたんす。

 

 

 彼らが攻め込んだのは、間桐臓硯が聖杯戦争終結時に起こった大火災の焼け跡を見に行った時。

 

 飲んだくれていた現当主である間桐鶴野を殺害し、

 

 手早く間桐桜を確保し間桐臓硯を蟲を燃やしつつ、

 

 間桐臓硯を待ち構え、

 

 ノコノコと現れた間桐臓硯を浄化、

 

 本体を蟲の中から探しだし手早く潰して、

 

 この計画は終了したっす。

 

 保護された間桐桜と海外に言っていた間桐慎二は教会に保護されたらしいっすね。

 

 これで、間桐の問題は終了っす。

 

 

 

 その後、言峰綺礼と遠坂凛と俺で遠坂の家にて遠坂時臣の遺書を探したっす。遠坂葵は遠坂時臣が死亡したショックで寝込んでしまったようっすね。

 

 遠坂凛は親の仇を見るように言峰綺礼を睨んでいたっす。まあ、親の仇はその隣にいる俺なんすけどね。

 

 結果として原作通り、兄弟子である言峰綺礼を後見人にするという、遺書が見つかったっす。

 

 まあ、それからというもの言峰綺礼は遠坂時臣の急死によって生じるさまざまな面倒事の解決に乗り出すことになったっす。

 

 俺はそういうのはよくわからないっすから、遠坂の財産管理などを引き受けたっす。

 

 にしても、俺の要望に応えて、忙しい中で俺に対し八極拳の指導も欠かさずしてくれる言峰綺礼には頭が下がる思いっすね。

 

 

 俺の職についてっすけど金を稼がぬニート生活もあれっすから、バイトを始めたっす。

 

 場所は紅洲宴歳館・泰山。あの激辛麻婆豆腐に定評のある店っす。

 

 遠坂邸でのお手伝いさん的財産管理の報酬は特にないっすからねえ。働かなくちゃいけないのは仕方がないことなんすよ。

 

 まあ、英霊がバイトってのもおかしな話っすけどねえ。

 

 もう半年ほどバイトしてるっすけど、『百の貌のハサン』としての他の人格が残してくれた三十二の専業スキルの一つ『調理術』(おそらく料理人として敵地に忍び込んだ時に、毒を盛るための料理を作るためのスキル)のおかげか、厨房で色々と料理を作らせてもらっているっす。

 

 ほとんどの料理の調理法(レシピ)をマスターしたっすからね。流石に、あの激辛麻婆豆腐の調理法(レシピ)は模倣しきれていないっすけど。

 

 

 あとは……そうっすね。聖杯の泥に飲まれた時に失われた髑髏の仮面っすけど、新しく作ってもらったっす。

 

 薄い鉄であの髑髏仮面を模倣して作ってもらった特注品っす。まあ、もっぱら変装用になると思うっすけど。

 

 

 そういえば今日、遠坂時臣の葬式があったっす。

 

 喪主は遠坂凛。遠坂葵は精神状態が不安定だったせいで病を患ったらしく車いすだったっす。

 

 言峰綺礼は今日から海外での任務が多くなるらしいっす。俺が受肉している以上、魔力供給はほぼいらないと言えるっすから、俺の存在が言峰綺礼の任務の足を引っ張ることにはならないはずっす。

 

 俺は日本に残って、遠坂凛の面倒を見つつ、引き続き遠坂の家の財産の管理やら、紅洲宴歳館・泰山でのバイトに追われることになるっすね。

 

 言峰綺礼がいない以上、身を守る手段を増やすために始めた、八極拳の修行は中断するしかない……と思っていたら、言峰綺礼が修行プログラムを作成していてくれたっすから助かったっす。

 

 

 さてと、黒鍵の特訓やバイトや財産管理や八極拳の修行とやることは山済みっすけど、頑張るっすよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ザイードの暗殺帳・第四次聖杯戦争から五年後』

 

 俺は三年前、つまり第四次聖杯戦争から二年たってからは代行者として活動しているっす。

 

 と、いうのも俺という存在は英霊という存在が受肉したものであるため、教会の監視下に置いた方がいいとか、悪霊かなんかと勘違いされないため、とかさまざまな理屈をつけてきたんすよね。

 

 正直、聖堂教会をぶっ潰してやろうかとも思ったっすけど、それをした場合言峰綺礼がどう動くか心配だったんでやっていないっす。

 

 せっかく紅洲宴歳館・泰山の正社員(正店員? )になれたんすけどねえ。辞めるとき、なぜか店主に分店作る許可を頂いてしまったっすけど作ることはないはずっす。

 

 

 まあ、結果それなりに楽しくやっているっすよ。代行者仲間に紅洲宴歳館・泰山で習得することに成功した激辛麻婆豆腐をふるまったりして。でも、あれを食べるとほとんどの人が水を飲んで悶えてるんすよね。不思議っす。

 

 聖杯の泥を浴びて失った短剣(ダーク)の代わりにそっくりな短剣を用意し、八極拳もそれなりのレベルまで上達し、代行者としての武器である黒鍵の扱いも一応欠かさず練習はしていたっすから言峰綺礼レベルより少し下くらいの熟練度になっており、俺専用に黒鍵を利用した武器をいくつか作ったりしたっすからバトルは問題ないっす。

 

 ただ、洗礼詠唱を使うと自分にわずかとはいえダメージが入るのだけは何とかしたいっすけど。味方の洗礼詠唱でもわずかにダメージを受けるのは問題だと思うんすよね。まあ本当に僅かなんすけど。

 

 

 あと、なんとなく鍛えてみたハッキング能力が意外と上達したのは驚いたっす。もしかすると、この『ザイード』の身体にあった才能は『ハッキング技術』だったのかもしれないっすね。

 

 といっても軍用施設程度しかハッキングできないっすけどね。

 

 

 遠坂凛は早くも財産管理能力を身に着けたっす。もう俺は必要なさそうっすね。

 

 でも、八極拳はまだ習ってないみたいなんすよね。いざって時どうするんすかね?まあ、どうでもいいっすけど。

 

 

 言峰綺礼は少しばかり衰えてきた気がするっすね。少なくとも全盛期ほどの技のキレはないっす。

 

 このままだと、俺のほうが八極拳の腕は上になってしまうっす。まあ、アサシンとはいえ英霊と人間じゃ体のスペックがそもそも違うからしょうがないっすけど。

 

 言峰綺礼の生まれた意味は未だに見つかっていないっす。

 

 答えを得て五年がたってもも自らの歪みを理解しようと苦悩しているっす。とはいえ、彼は人生を人並み以上に謳歌しているだけ幸せだと思うっすけどね。

 

 

 ああ、忘れるところだったっす。

 

 半年前にアインツベルンが滅んだんすよね。 

 

 まあ、俺のせいっすけど。

 

 やったことは単純で、気配遮断スキルを使ってアインツベルンの城に攻め込み、持ち込んだ爆弾をあらゆる場所にセットして、放火し、城ごと爆破しただけっす。ちなみに爆弾の仕入れは代行者仲間に頼んだっす。

 

 最後まで見張っていたっすから、生存者がいないことも確認済みっす。

 

 第五次聖杯戦争が起きて、聖杯が完成、この世すべての悪(アンリマユ)が復活するなんて展開はごめんっすからねえ。

 

 まあ、聖杯戦争が発生すること自体は避けられないっすけど、聖杯の器が破壊されれば儀式は失敗らしいっすからねえ。問題はないはずっす。前例もあることっすし。

 

 

 

 さて、明日にはまた死徒狩りの予定が入っているっす。まあ、油断せずに全力で片づけるとするっすかね。

 

 俺たちの戦いはこれからっす!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ザイードのステータス

 

 なおこのステータスは受肉したザイードが死亡して、英霊の座に登録された時点でのステータスである。

 

 真名    ザイード

 

 属性    中立・悪

 

 ステータス 筋力 C  魔力 C

       耐久 D  幸運 A

       敏捷 C  宝具 B

 

 保有スキル

 

・『気配遮断』A+ 

 自身の気配を消す能力。ただし攻撃時はランクが大きく下がる。

 

・『専科百般』A+

 総数32に及ぶ専業スキルについて、Bランク以上の習熟度を発揮できる。聖杯の泥を浴びた際に、崩壊したアサシンの人格を全て取り込んだことで使用可能になった。

 

・『投擲(黒鍵)』B

 代行者の装備である黒鍵の投擲技能。全盛期の言峰綺礼と同等レベル。

 

・『中国武術』A++

 中国武術をどれほどまで極めているかを表す。修得の難易度が最高レベルのスキルで、他のスキルと違ってAランクでようやく「修得した」と言えるレベル。A++は達人レベル。なお言峰綺礼、言峰璃正もA++である。

 

・『破壊工作』EX

 戦闘の準備段階で相手の戦力を削ぎ落とす才能。EXまでになると一国家すら滅ぼしかねない。ただし、このスキルが高ければ高いほど、英雄としての霊格が低下する。

 

・『人格破綻』A+++

 生き残るという意思。生き残るためなら何でも行い、世界を滅ぼしてでも生き延びようとする、化け物じみた精神性。キャスター陣営の作品を見ても、冬木市の火災で大勢の人が死んでも特に感想を持つことがないどころか、『この世すべての悪(アンリマユ)』にすら耐えきる。

 

・『カリスマ』C

 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。Cランクでは一つの部隊を指揮するのに十分なレベルであり、なんとなく言うことを聞きたくなる。

 

 

 宝具

 

妄想電界(ザバーニーヤ)B

 詳細不明。英霊の宝具と思えない宝具。状況によるが、英霊に対しては全く効果はない。

 

 

 解説

 

 英霊としては最低ランク。ただし生き残ることに対してのみ最高クラス。これは、常に生き残るために行動してきたためである。

 

 行動方針は衛宮切嗣の真逆。衛宮切嗣が『九十九を救うために一を切り捨てる』のに対し、彼は『自分が生き残るために自分以外の全てを切り捨てる』というもの。といっても、被害は最低限抑えるが。

 

 ザイードのもっとも異常な所は、『この世すべての悪(アンリマユ)』の呪いにすら耐える精神性であり、いかなる被害を出そうと自分が生き残ればいい、という考えである。

 

 スキルの数が異常に多いのは生き残るために様々なことを行い、あらゆる技術を磨いたためであり、ステータスの低さをカバーするため。

 

 『専科百般』スキルによる専業スキルも含めれば、相当な万能さである。

 

 

 第四次聖杯戦争で受肉。以降、十年間生き残る。

 

 代行者としての活動をしている時期に、国を三つほど内乱、およびテロ、およびトップの暗殺などによって滅ぼしており、『もっとも敵に回したくない代行者』『暗殺王』などと他の代行者から呼ばれるようになった。なお、滅ぼした全て国はトップや国の重役が死徒化していた。

 

 言峰綺礼とともに向かった死徒狩りの任務中、死徒二十七祖の一体と遭遇し、交戦。

 

 言峰綺礼が死亡するも、ザイードは死徒二十七祖の一体を滅ぼすことに成功する。

 

 しかし、そこに偶然居合わせた、死徒二十七祖の他の一体と装備が疲弊した状態で戦い殺害される。

 

 しかし、その直後、さまざまな軍用施設に潜り込ませていたた人間に仕込んでおいた、ザイードが死ぬことで発動する魔術が発動し、ザイードに操られた人間がミサイルを同時発射し、街一つが地図から消えることになる。

 

 ただしその攻撃でザイードを殺害した敵が死んだのかは不明である。

 

 

 

 専業スキルについて

 

 『専科百般』スキルによってBランク以上の熟練度を発揮できる32種の技術や知識、もしくは才能。

 

・1『爆破術』A

 爆弾を作成する技術。および爆弾の効率的な運用法。時限爆弾やセンサー爆弾等であっても軽い学習や、他の専業スキルと組み合わせることで運用できる。

 

・2『罠術』A

 罠を作成する技術。および罠の効率的な運用法。近代の罠についても軽い学習で習得できる。

 

・3『変装術』A

 変装道具を作成する技術。および声帯模写技術や演技力。

 

・4『医術』B

 医学的知識を用いた治療技術。薬を作る技術と知識。

 

・5『戦術(軍)』B

 対軍戦における戦術をたてる技能。歴史に名を残す軍師より少し劣るレベル。

 

・6『話術』B

 話し合いを自分のペースで進める話術。

 

・7『毒術』B

 毒薬の調合技術と知識。および解毒薬調合技術と知識。毒を持った生物に関する知識。

 

・8『学術(物理)』A

 物理学系の学術知識。ザイードが受肉後に学習したためBランクからAランクに上昇している。

 

・9『詐術』A

 騙しの技術。および演技力。

 

・10『戦術(人)』A

 対人戦における戦術を立てる才能。暗殺の戦術を立てる才能でもある。

 

・11『武術』B

 武術全般に通じる戦闘技術と知識。ただし、一点特化系の専業スキルには劣る。

 

・12『舞術』B

 踊りの才能と技術。他人を魅せる才能。この専業スキルを持ったアサシンは囮役を引き受けることが多かったらしい。

 

・13『技術(鍵開け)』A

 ピッキングの技術。大半の鍵を一分以内に開けることが可能。

 

・14『馬術』B

 馬に乗る技術。Dランクの騎乗スキルと同程度の力を発揮する。

 

・15『情報処理術』B

 集めた情報をまとめる能力。情報を基にした推理、情報操作など。

 

・16『捕縛術』B

 敵を捕まえる技術。捕獲の才能。

 

・17『拘束術』B

 敵を拘束する技術(縄抜けが困難な縛り方など)。

 

・18『隠密術』A

 身を隠すため技術。『気配遮断』スキルに対し補正がかかる。

 

・19『暗殺術』A

 暗殺用の道具を扱う技術。および暗殺用の道具限定の学習能力。

 

・20『剣術』B

 剣に限定した戦闘技術。剣を扱う敵の動きをある程度見切ることも可能。

 

・21『槍術』B

 槍に限定した戦闘技術。槍を扱う敵の動きをある程度見切ることも可能。

 

・22『棒術』B

 武器としての棒に限定した戦闘技術。棒を扱う敵の動きをある程度見切ることも可能。

 

・23『弓術』B

 弓に限定した戦闘技術。弓を扱う敵の狙う位置、放たれる矢の速度を予測可能。

 

・24『短剣術』A

 短剣(ダーク)に限定した戦闘技術。短剣(ダーク)を扱う敵の動きをある程度見切ることも可能。

 

・25『魔術』B

 魔術に対する知識。基本的な魔術は使用可能。

 

・26『奇術』B

 手品などの技術。他人の目を欺く技術でもある。

 

・27『美術』B

 あらゆる美術品を見分ける技術。Dランクの芸術審美と同様の効果を持つ。なお、美術品の作成も可能。 

 

・28『人心掌握術』A

 人の心の動きを予測し、見抜く才能。Dランクの『カリスマ』スキルと同等効果を持つ。

 

・29『学術(心理)』B

 心理学系の知識。ただし、正直な話、現代の心理学者の方が上である。

 

・30『尋問術』B

 捕虜から欲しい情報を聞き出す技術。拷問の技術。

 

・31『調理術』B

 色々な物を料理する技術。およびあらゆる食物に対する知識。フグの調理までなら可能。ただしあまりにマイナーな食材の知識はない。しかし、『毒術』と合わせることで大半の食材を調理できる。

 

・32『交渉術』B

 話し合いの場において、自分にとって最も良い条件をを提示し、その条件を飲ませるための交渉技術。

 

 




 たくヲです。

 これで、『ザイードに憑依して暗殺王を目指す!?』は完結となります。

 二次創作においての扱いのひどさに定評があるアサシンを、アサシンらしく活躍させるための小説でしたがいかがでしたか?

 楽しんでもらえたのでしたら、作者としてもうれしいです。

 ちなみに今後の作品でザイードが登場する予定はあります。しかし、既存の目指すシリーズ作品に登場することはないので、注意してください。

 それでは、いままで『ザイードに憑依して暗殺王を目指す!?』をありがとうございました。

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