出てくる登場人物もまた。
全員オリジナルです。
この作品のオリジナルか、ゲームオリジナルかは別ですが
戻した。
今でも食事のほぼが、流し込む作業になりかけていたのに、受け付けなくなり始めていたとは思ったけど。
あのステークの一撃で顕著になってきたようだ。
バレないようにはしていたつもりだったけど、レギオには気づかれていたみたい。
こっそりと船に乗り込んできて、いつの間にか流動食を作って、食べさせてくれた。
嬉しいけど、それがわからないのは悲しいな。
うかつだった――ちょっと目を離した隙に、ステークを使われるとは思いもよらなかった。
照準が甘くなっていることは、気がついてはいたけど。
援護しなければ、多分負けていた。
そうじゃなかったのかもしれないがジリ貧は見えていたし、一瞬でもいいから動きは止めるべきだとは思った。
間違ったことはしてはいない。
――が、それと彼女の症状を進行させることは別だ。
本来ならば、私はそのまま彼らのように、影となる存在だ。
にもかかわらず、なぜ表舞台に出ることになってしまったのだろう。
考えても仕方がない、今できることをしよう。
眉間にしわを寄せていると、トリエに頭を撫でられた。
もしかしたら、私も無理をしていたのかもしれない。
優しく頭を撫でられているうちに、溜まっていた疲れが吹き出したかのように眠りに落ちた。
夢だ、周りに同じ顔が何人もいる。
彼女たちは私を心配そうに見守っている。
それとは別に二人の男が見えた。
一人は、私たちを作った男。白衣を着て、優しそうで、そして研究者としては落第な人。
もうひとりは見覚えが無く。けれども、ずっとはじめから知っているような――そんな青年だ。
青年に特徴はなく。ただひたすらに、理解不能な言葉で謝っていた。
土下座だったか――そのような体勢でただひたすらに謝っていた。
何をかは、わからない。
けれど、きっと私のことだろうということは、わかった。
ずっと謝り続ける青年に、その人は言ったのだ。
『自分を責めるのはやめなさい。その責任は私にある。
だから、自分を責めるのはやめなさい。それはあの子にも無意識に伝わる。
あの子は子供だ。だが君もまた、子供なんだ。
過ちは、誰にだってある。
きっと、それは僕にもだ。
君たちのことを、ただの子供として扱ってしまった。
その結果が、今君たちが自分を責めていることなら、それを自分たちのミスだと思ってしまったことは、決して間違いだ。
だけど、それを絶対に免罪符にしちゃいけない。
許しを請うんじゃない、君たちも僕も、命を弄ぶような真似をした。
それは決して許されざることだ。
だけど、君たちはそのことから逃げちゃいけない。
君の悲しみが、君たちの悲しみが、僕の結果だったとしても。
僕のように逃げてはいけない。
それもまた、許されざることだから。
命に真摯に向き合い、今消える命と、残された者たちのその恨みを、君たちは聞かなくちゃならない。
それが君たちにできることだと思う。
いいかい、決して僕のように、絶望して、逃げちゃいけない。
あの機体には、ブラックボックスが仕込まれている。
それを守るための、防衛システムだ。
それを伝えなかったのは、君たちの行動を読みきれなかった僕の責任だ。
そうだとしても、許されないことをしたんだけどね。
それと、ブラックボックスの中身は、君たちが使う分にはいいかもしれない。
けれど、決して彼らに、侵略者に、そしてあの男に渡しちゃいけない。
シラカワ博士は気づいているようだけど、あえてノータッチだった。
彼はその価値と、そしてその使えなさに気づいているんだろう。
幸いにも自身の行動指針は、君たちの暇つぶしがそれをなしてくれたしね。
なくても動いたんだろうけどね。
ビアン博士も気づいていた。けれども、自らの行く末を知ってからは、決してみようとは思わなかった。
あの子のお父さんとして、最後まであろうとしたんだろう。
本当の娘に、向けられなかった愛情の分だけ……ね。
ああ、僕と違って彼は立派な父親だ。
僕のことを気にする必要はない、君があの子とともに歩む道を見届けよう。
この子達は、そのためだけに、この場所にとどまっているのだから。
君たちを、おいては行けないって。だから――』
その男は、私を、そして青年を見つめ――
『僕とこの子達を満足させてくれる物語を見せてくれ。
できるさ。君たちはもう――いや、君たちがディー・トリエルなのだから』
言っている意味はわからなかったが、すとん、と納得できた。
自分の幼さも、私は引き受けていたのだ。
それが顕著になっただけのこと。
たったそれだけだ。
心配そうに見つめていた二百を超える瞳が、その心配そうな気配をなくした。
もう大丈夫だと言わんばかりに。
急に光がみちる、もうお別れだというように。
白く塗りつぶされてゆく世界で、私は確かに自分の顔を見た。
自分もまた私の顔を見ていた。
その顔には、二人の顔には涙はもうない。
次回から復讐鬼との戦闘に入ります。
お読みくださりありがとうございます。