なかなか書けずいざ書こうとすると、それまでどんなふうだったかを思い出せなくなってしまい。こんなに時間がかかってしまいました申し訳ありません。
8/21 誤解されてしまうような表記があったため修正しました。
キョウスケ中尉が部隊長になって初の戦闘である。
さりげなく皆をフォローに回るのは、斜め前の男の面目躍如といったところだろうか。
下がった士気を、やや持ち直させた。
とりあえず謝って済む、という問題ではない。
心にぽっかりと穴を開けたのは、私にほかならないのだから。
心の傷は、時間が癒してくれるのを待つしかない。
そう考えていると、部隊長から指示が入った。
どうやら先行して、打撃を与えて欲しいらしい。
私の近くにいれば嫌でも、あの子のことを考えてしまう。
ならいっそ離してしまうことで、戦闘中だけでも気まずい雰囲気を払拭できればと考えたのだろう。
こちらとしても時間が必要だと考えていたので、渡りに船だった。
「こちら、コールサイン『アストレイ』。先行します」
スラスターを吹かし、どの機体よりも早く敵陣に突っ込む。
メギロートを無視してゼカリアに、急速に接近して一撃を叩き込む。
続けざまに、二つ三つと切り裂いてゆく。
遅れた後続が追いつく頃には、武器を持たない案山子とかした機体が、いくつもできていた。
それらを残飯処理と言わんばかりに始末してゆく。
はっきり言えば作業だ。
しかし作業とも言えどもそれは経験だ。
幻の武器を、あたかもそれが本物があるかのように錯覚しながら撃墜してゆく。
彼女の仕業だとは考えながらも、そのことを追求するのは後回しにしようと考えるキョウスケだった。
そこまでは増援込みで大丈夫だと考えていたのだ。
突如発した殺気を
なぜそんなことになったのか。そう混乱する頭を現状復帰させることを、ハバククの砲撃が許さない。
加えて追撃が彼女のバランスを崩す。
崩したところに砲撃。
まるで一方的だった。
この状況は、性能の差ではなく経験の差によって出来たものだ。
一番初めに何故、殺気に過剰に反応してしまったのか。
単純に、強敵と一体一で対峙したことがなかったからにほかならない。
そのために強い殺気に過剰に反応してしまったのだ。
故に十全に自分の体を使いこなしていない彼女は、その動揺からくる細かなミスをカバーできていない。
よけなければならない攻撃を受け止め、バランスを崩される。
十字砲火の状況に追い込まれていることも相まって、彼女の自由奔放な戦いはなりを潜め。
キャパシティのオーバーしたパソコンのように、一手遅れた行動しかできなくなってしまった。
焦りがミスを生み、それをカバーしようとしてミスをする。
もしも、これがビーム主体のモビルスーツであれば、彼女は落ちていたのかもしれない。
そうでないからこそ、彼女は生きながらえているのだ。
そしてもうひとつ生きながらえている理由があるとすれば、彼女をサンプルとして捕獲したいものの意思がまじっているからだろう。
そうでなければ、奇襲の一撃でコックピットを貫かれていた。
それほどの気迫と殺気だったのだ。
萎縮した彼女に打開するすべは生まれない。
そう、彼女には。
集中砲火の中、たった一発の直撃弾。
それを防いだのは、突如飛び込んできたトリコロールカラーの可変機。
『無事か?!』
R―1――リュウセイ・ダテ――がその一発を防いだ。
しかしその僅かな時間で、彼女の思考が落ち着き、いつもの調子を取り戻し始めたのだ。
「そちらも、無茶をしますね」
『あの子に、お前を助けてくれって言われたんだ。そんな気がするだけかもしれないけどな』
「そう、ですか――あとお話があります。この戦いが終わったら、私の部屋に来てください」
油断なく、確実にハバククを仕留めてゆく。
この頃には余裕が出来たのか、後続の面々もこちらに参戦してきた。
流れは決した、その機械に勝ち目などなくなったのだ。
命じたことは少しもこなせなかった。
しかしそこに悔しさなどない。
なぜならば彼は機械だからだ。
機械ゆえに、機械になって――いや、されてしまったが故に、彼にその感情というものは決して湧き上がることはなかっただろう。
それは後に否定されるだろうが、今現在の彼が機械であり、そして哀れな