機体はセンチュリオ・トライア。
パイロットは――
「しんでよ。レギオ」
ディー・トリエル――少し前に消えた眠り姫――その声のままだった。
「ッ! 偽物がその声を出すんじゃない!!」
咄嗟に、出てしまったものは仕方ないとブレードで応戦する。
同じく、ブレードで応戦してくる偽物。
「ねえ、エアロゲイターは正しいんだよ? どうして否定するの?」
「たとえどれほど正しかろうと!! エアロゲイターが
剣をぶつけ合いながら、言葉を交わす。
意味がないとわかっていながらも、囚われた心が彼女を認識し続ける。
冷静なはずの自分すらも、落ち着けと言葉を発し続けることしかできずに、正気である。エクセレンの言葉に答えることができないでいる。
このままいけば、サイバスターごと捕らえられかねなかったことは事実だが。
一発の銃声が響く。
と同時にその姿がメギロートのそれへと変わる。
「助かりました。エクセレンさん」
小さく呟いたそれは聞かれることはないだろう。
どうにも感情的になりすぎていた。
余計なことまで喋っていないか、少しだけ気にはなるが、してはいけないのだろう。
「さてと、ババアに八つ当たりだ」
しょうがないよね、こっちにそんなこと仕掛けるなら本気出すしかないでしょう?
彼女たちのトラウマシャドーが解け、伏兵が出現する。
彼らにとっては絶望でもあるが、しかし援軍は来た。
ならば負けるどうりはない。
出撃前――
「大丈夫か?」
「イングラム少佐のことならまだ、納得できてません。でも、トリエのことで悩むのはやめました。あの子が見たかったのは、そういう顔じゃないって教えてもらいましたから」
「そうか……いい目になった」
自分の足でしっかりと立つ。そこにいるのは、悩みを抱える子供ではない。男がそこに立っていた。
戦況は一方的だった。
指示を出すべき司令塔たるそれが、たった一機の半自立兵器に翻弄され、出せずにいる。そこからは各個撃破されてゆくのを指揮官機は呆然と、やがて屈辱を噛み締めて、見ているしかなかった。
アタッド・シャムランは困惑していた。
先の戦闘で、青い鳥の落とし方は熟知していた。
混乱させ、畳み掛ける。
今回もそれで行けるだろうと考えていた。
――が、結果はどうだろうか。
遠隔兵器にいいように弄ばれている自分がいる。
いつ正気に戻り、いつこちらが隙を晒したというのだろうか。
砲火はやまず、絶えずこちらの好きにさせてはくれない。
何を間違えたのか、それすらわからない。
ただ一つ、彼女にも分かることがあった。
私を馬鹿にしている。
いつでも落とせると、見逃してあげるのだと。
言外に言っているのだ。
屈辱でしかなかった、見下していたはずのものになぜこうも好き勝手にされるのだと。
この感情がなんなのか分からず戦場から離脱する。
彼女が、自身を否定されるように感じたのは間違いがない。
青い鳥のパイロットは、知っているのだから。
答えを。
某有名な曲のタイトルにかぶっているかもしれませんが、語感がいいなと付けてから似てるということに気づきました。
パクリではなくリスペクトです。
9/4少量修正