あれはまだ、俺たちが軍学校にいた時の話だ
「なぁケン、お前はココを卒業したら軍へと入るのか?」
幼馴染のアティと、軍学校で知り合ったアズリアと共にいつかの休日に話をしていた時の事だったと思う
俺たちはそれぞれの将来のことについて語り合っていた
「結局、アズリアはどうするんだ?」
「私はもちろん軍へと入って、帝国の治安を守る仕事に着こうと思ってる」
「ふーん、そっかアズリアらしいな」
「ふふ、そう思うか?」
アズリアがやや照れ臭そうな顔で語る
「じゃあ、アティはどうだ?」
「私も軍に入って、たくさんの人を助けたいって思ってます。ケンは違うんですか?」
アティはそう答えると俺に対して不思議そうに答えを聞いてきた
「俺はだな…軍に入らないで、何かを教える仕事に就きたいと思ってるんだ」
俺がそう答えると二人が驚いた顔で此方に詰め寄ってきた
「ええ!軍に入るんじゃないんですか!?私そんなの聞いてないですよ‼︎」
「私も聞いてないぞ!どういう事だケン!」
「落ち着けよ二人共。俺前から思ってたんだよ、誰かに物事を教える人になりたいってさ」
興奮する二人をなだめながら俺は話を続ける
「俺さ時々思うんだよね、このままで良いのかなって。軍人になって人を救うのもアリかもしれないけど、俺はちょっと違うと思んだよね」
「なにが…違うと言うのだ?」
アズリアが困惑した顔で尋ねる
「軍ってさ、確かに帝国の治安維持とかもしてるけど基本的に戦う為のものだよな。俺はそんなんじゃなくて、誰かに物事を教えて、そいつが立派になって誰かを救うことが出来たらいいなって思うんだ」
確かに軍と言うのは人を救い、守るってのに特化してると思うけど俺がしたいのはそうじゃない。誰かを導くって事がしたいんだ
「だから俺は軍に入るんじゃなくて、まずは家庭教師にでもなってみようかなって思うんだ」
俺が話終わると、アティ達は納得した様な表情で話しかけてきた
「そうか…ケンにはそういう思いがあったのだな。それならそうと早く言ってくれればいいものを。ふふっ私は止めはしないさ、お前の夢が叶うように精一杯応援しよう」
「そうです、水臭いですよケン。私達小さい頃からずっと一緒だったじゃないですか。ケンと一緒じゃないのは寂しいですけど…あなたの夢、応援しますよ!」
「ありがと、二人共。正直黙ってたから怒られるかなって思ってたけど、怒ってなくてホッとしたよ」
俺たちの道は此処を卒業したら別れるけれど、培った絆や思い出は消えない。だから俺は誓いを立てることにしたんだ
「そうだアズリア、アティ!誓いを立てよう!」
「誓い?どんな誓いですか?」
「俺達がどんな道を歩もうとも、俺達は忘れない。思い出も絆も、そして俺たちが目指す人を守り、救い、導く存在になって見せるということも!ってな感じの誓いさ」
俺がそう言うと二人は共感したように頷いていた
「いいな!やろうじゃないか!」
「ええ!やりましょう!」
俺たちは剣を抜き、重ね合わせながら空へと掲げた
「「「
「誓いを胸に!」
「「誓いを胸に!」」
そうして帝国の街並みがよく見える丘の上で、俺たちは誓った。たとえ道を違えたとしても、お互いの夢に向かって歩んでいくことを
ここから始まる物語を、俺たちはまだ知らない