こんなので良いのか不安になるなぁ…
あの誓いから三年、俺は大貿易商マルティーニ家のお嬢様であるアリーゼの専属家庭教師になっていた。何故こんなに良いところにいきなり勤めれたのか、それにはちょっとした理由がある
〜帝国領南地区喫茶店〜
士官学校を首席で卒業した俺達はそれぞれの道を歩み始めていた。たけどアズリアとアティは帝国軍へと入隊し順調に夢に向かって歩いているのに対して、俺は様々な家の家庭教師の採用試験を受けていたのだか、どこの家も若いから不安だとかで合格がもらえず中々仕事が見つからないでいた
その時、途方に暮れている俺に対してアズリアが救いの手を差し伸べてくれたのだ
「その話、本当か⁉︎アズリア!」
「あぁ本当だとも。全く私達がしっかりと帝国軍へと入隊したのにお前ときたら…」
アズリアが呆れながら紅茶を啜る
「あはは…ごめん。でも本当に助かったよ、ありがとアズリア」
「べ、別に礼はいらないさ。お前と私の中なのだからな」
照れた様子で頬をかき、そっぽを向くアズリアに対して可愛いと思ったのは内緒だ。アズリアは可愛いと言われるのに慣れてない所為か、可愛いと言うと顔を真っ赤にしてテンパってしまい話が進まなくなるのだ
「それでさ、紹介してくれる家ってどんなところなんだ?」
「あぁそれはだな…これだ、マルティーニ家だな」
そう言ってアズリアが取り出した書類には”マルティーニ家”と書いてあった
「マルティーニってあの大貿易商の⁉︎」
「あぁそのマルティーニで間違いない。なんでも至急家庭教師が必要なんだとかで色々な貴族に聞き回っているらしくてな、私の父様の所にも話が来てたんだ」
「おぉそうだったのか。でも少し気になるんだけどその急いでる理由ってのはなんなんだ?」
「すまない。そこまでは聞いていないんだ、力になれなくて悪い」
「そんなことないよアズリア。本当に助かってるんだ、そんなに気にすることなんかないよ」
「ありがとう。そう言ってもらえると気が楽になる」
そう言うとアズリアは懐から一通の手紙を取り出した
「これが紹介状だ。これを持っていけば試験は受けれるだろう。後はお前次第だ」
「あぁわかってる。絶対に受かってみせるさ、期待して待ってろよ!じゃあな!」
俺はそう言うとそくささと席を立ち扉から出て行った
「全くケンのやつは…もう少しゆっくりしていけばいいだろうに」
後に残ったのは、少し不満そうな顔をしていたアズリアだけだった
〜帝国領マルティーニ家〜
アズリアから紹介状を貰い、俺はマルティーニ家がある帝国領港地区へと来ていた。帝国で唯一港がある場所なだけあって物凄い賑わいを見せている
マルティーニ家へと着いた俺は早速中に入れてもらうために門へと近づいた
「此処がマルティーニの家か…やっぱりでかいんだな」
あまりの大きさにポカンとしていると門番の人が話しかけてきた
「貴様、ここで何をやっている?」
「え?あ、あぁ。えっとレヴィノス家に紹介状を貰ってきたケンと言うんですけど…」
そう言ってアズリアから貰った紹介状を見せる
「紹介状?……ふむ、少し待っていろ」
門番はそう言うと門の中へと引っ込んでいった
〜数分後〜
彼は門へと戻ってくると俺に向かって話しかけてきた
「ケンとか言ったな、あの紹介状は確かに本物だった」
当たり前だ、あれはアズリアから俺が直接貰ったのだから。内心俺がむくれていると彼は話を続ける
「本来ならお嬢様の教育係であるサローネ様が面接をなされるのだか諸事情により今は居なくてな、ご当主様が直々に面接なさるそうだ。くれぐれも失礼のないよう気を付けろ」
「えぇわかってますよ」
「では案内する、付いて来い」
彼はそう言って玄関のドアへと歩き始めた。そして俺は遅れないようにそくささと着いて行く
マルティーニの家が、俺には夢の始まりに見えた
アズリアの性格とかマルティーニ家の場所とか結構適当に決めてます
大貿易商なんだから港地区にあるのかなー的な感じで