真・恋姫†無双 王匡伝 三国志ガチ勢の軌跡 作:ニーガタの英霊
王匡「コネって言うもんは基本的にあって困るもんじゃない」
王匡「確かに徹底的な対立で使えなくなったりすることもあるし、逆にこちらから対立することもある」
王匡「心情的には心苦しいがこちらにしたら損はない。そもそもコネの有効活用方法は利と益で釣りながらその取り分を双方とも納得する形で得ること」
王匡「俗にいうWin-Winの関係というやつだ。面識のある人間に義と信を寄越せなどという方がちゃんちゃらおかしい」
王匡「
A「ああ、貴方はあの時の」
B「ええそうです、実は耳寄りな話がありましてね、そちらにも損はないと思いますが協力していただけますかな?」
A「勿論、貴方と私の仲ではありませんか」」
王匡「こういったある程度の深くなく、そして浅くもない距離関係がコネクションを使うとしたときのお手本だな。実績を積み上げることでゆくゆくは信頼も得られる。人間関係ってものはゆっくりと形成するもんだ」
王匡「私は貴方に命を捧げますなんて言う奴は逆に扱いに困るからな、そいつは思い切って懐に入れるか、鉄砲玉として活用するのがおススメだ。人との付き合いなんて適当でいいんだ」
河内商人たち「(これだから懐に取り入れない王匡は嫌いなんだ、でも利益がしゅごいのぉ!!)」ビクンビクン
―――その時、歴史が動いた。
「殺せ! 一人たりとも逃がすな!!」
血に濡れた洛陽、泣き叫ぶ官吏にその家族、宮中は血塗られた虐殺の場となった。
どうしてこうなってしまったのか、これを回避するために、我々は戦ってきた筈だろう。
悔しさに顔を滲ませ、強く拳を握り締める。
並べられた首の数だけ、その罪は重い。されど振り返ることは出来ない、すでに賽は投げられた。あとは突き進むだけだ。
新たに運ばれたのは茶髪の首を見ながら、彼は冷徹に物事を進めていた・・・・・・。
いくら力が衰えようと、流石は天下を統べる漢帝国である。豪華な馬車に跨がり、多くの兵士を伴い悠々闊歩する行軍はまさに威風堂々としていた。
宮中を出で、護衛の兵士と武官に囲まれた皇帝劉弁は、静かに市中に目を向けていた。
「陛下、容態は如何か?」
そう、言葉を告げたのは劉弁派首魁、袁隗の姪袁基であった。
「だい、じ・・・・・・ない」
声を震わせ、そう答えるだけで精一杯の劉弁。
本来であれば、護衛を統括すべきであるのは衛尉の張温や光禄勲荀爽、執金吾の胡母班等である。
明らかに役目が違うが、それが彼らの限界でもあった。穏健派も董卓ら中立派の力を削ぐという名目がある以上此方に乗った。
行幸の先頭を行くのは他ならぬ劉備であったのだから。
宮中を出て、大通りを下り、董卓らの屋敷へ向かうのがこの行幸の最大目的である。
武官の他にも弁の立つ官吏や、吉本などの医師も出張っている以上、失敗は赦されない。
行幸は進み、やがて董卓らの別邸へと到着する。その威風は宮中に勝るとも劣らず、多くの兵士が邸宅をぐるりと囲み、行幸に際しての準備を整わせていた。
多くの臣下達は手に汗握り、その行方を見守る。
今こそ、一丸となって皇帝陛下を守り、漢の栄光を取り戻すと疑うことはなかった。これからが勝負であると、多くの官吏は思っていただろう。
「御免」
馬車を停め、皇帝劉弁が直々に降りその尊顔を今かと見せようと馬車を降りる。
身体に重大な奇病を宿す劉弁は従者の力を借りて降りるのであるが、今回は式典であり、その役目はとある官吏が行うことになった。
彼女という官吏はひどく真面目で、高潔であり、そして人を惹き付ける包容力のある人である。この策の提案者であり皆が、彼女の策に乗った、彼女こそがこの策の成就を一番に願っていると信じて疑わなかった。だからこそ、その凶刃に気づかなかった。
「がッ・・・・・・は?」
誰も止められなかった、止めることは出来なかった。
警備を統括する彼女が武器を所持しているのを咎める者はない。彼女が武器を隠し持っていることを指摘出来る者も総じていない。
誰が態々自身の職務を利用してその職務を投げ出すのか。そう、そんな当たり前のことを逆手に取り、ここまで登り詰めた、邪魔な政府高官を辺境に追い出し、或いは左遷した今こそ彼女が待ち望んだ好機。
劉弁派、そして穏健派における策の失敗。そして彼女の策の成功はここに成就した。
「何故だ、何故・・・・・・」
深く突き刺さる匕首それは無防備な彼の心の臓を的確に貫いていた。
すべてが上手くいく筈だった、吉本はまさか失敗するとしてもまさかこの場で、しかも彼女がするなど誰が考えよう。
数瞬の硬直、それから真っ先に立ち直った男は、下手人に向かって叫んだ。
「何故陛下を討った! 美玖!?」
女性は答えない、ただ夫たる吉本に向かって笑みを浮かべたまま、ただ其処に立ち尽くしていた。
「―――李儒ッ!」
瞬間、袁基は帯刀を抜き放ち飛び掛かるが、李儒は劉弁を袁基に向かって投げ放つと声高らかに言い放つ。
「どうだ! 見たか! 皇帝を殺してやったぞ、この李儒文優がな! ハハハハハハハ!!」
それは宣言、門は未だ閉じず、その声は邸内のものだけではなく、民衆にまで伝わる宣言。
漢帝国を根底から覆しかねない悪魔の声であった。
「―――何があった!」
そして、その声に到来した男が一人。
青白い顔をさらに悪くさせて邸内から出てきた男、李傕であった。
「へ、陛下が・・・・・・」
震え声で衛兵の一人がそう口にすると、李傕は袁基に寄りかかる皇帝劉弁の姿があった。そして李傕は最悪を思い浮かべ、支持を出そうとした瞬間、真っ先に動き出す軍勢があった。
「―――閉門せよ! 早く!!」
行幸の最前列から真っ先に反転し、門目がけて前進する軍勢、劉備たちの徒党であった。
馬を駆け、わき目も振らずに邸内から抜け出るのは見事ということ他ならない。劉備、関羽、張飛はおそらく逃げ切るだろう、真っ先に己の不利を悟り逃げる手腕は見事という他ならない、だからこそ彼はとある作戦を実行せねばならない。
「―――黒備に出撃命令を下せ、洛陽の全門を閉鎖。下手人、並びにこやつらをひっ捕らえよ。加え緘口令を敷く、大本営は皇女別邸だ!」
それは破滅へのカウントダウン、そして戦乱の幕開けであった。
劉弁は犠牲になったのだ・・・・・・
他ならぬ群雄割拠の到来の、その犠牲にな・・・・・・
ネタバレ:次回、金旋死す! デュエルスタンバイ!