真・恋姫†無双 王匡伝 三国志ガチ勢の軌跡   作:ニーガタの英霊

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 原作キャラに苦痛を強いていくスタイル。相手は覚醒する。


孟達「圧倒的じゃないか、我が軍は!」

「くっ、くはははははははっツ、かッははははっはは、ははははははははははは!!」

 

 郡都滎陽にて王匡の笑い声が響く。

 

「とんでもない! とんでもないなぁこいつは! くははははは、素晴らしい、見事! 嗚呼なんと口惜しいッ!」

 

 王匡にもたらされた報告、それはいかにして馬騰が敗れ、劉表らの軍勢が敵わなかったかが刻々に示されていた。

 

「野郎、この時代に近代戦をするつもりかッ!」

 

 おそらくは王匡と同じ転生者の仕業、おそらく一人ではないだろうし、一人は特に技術者であろうことは想像に難くない。そう、董卓軍で密かに開発されていたモノ、それは火薬だった。

 

「火砲か。成る程、納得いった。董卓軍は攻勢ではなく防衛戦をするつもりか、差し詰め関の要塞化といったところか、こちらが籠城戦以外の選択肢を取ったら負けていた。補給路の分断が無ければ送り込まれた火砲でやられてたのはこっちと言うわけか。恐ろしいことだ」

 

 董卓軍が行ったことはいわゆる速攻、電撃戦に近いものだ。敵の砦を早々に落し、火砲を送り込んで要塞化し防衛戦を整えたことだ。劉表軍は奪われた砦を取り返そうと軍を派兵したが、逆にやられてしまったというわけだ。

 逆に馬騰らは何を思ったか軍を率いて洛陽へ向かい強襲するも、李傕率いる黒備によって壊滅、馬騰の軍勢は韓遂が率いることとなり講和したとのことだ。

 

「いやはや見事だ、大した謀略だよ」

 

 そしてこれはすべて王匡を董卓軍へと引き入れるための謀略でもあったと流石の王匡も気づいたのだった。

 

「圧倒的技術力と武力を以て力を示し、金旋をあえて利用することで連合軍を一網打尽にする策か」

 

 大砲の恐ろしさは知っている。まさしく戦争の意義を変えてしまう兵器であろう。

 それは未来を知っている転生者だからこそわかることだ。

 

「私が連合をまとめ上げる。或いは意見を具申できる程度には上位存在としていると仮定しているのだろうな。そうとも、そして連合軍の基本的駐屯地は河内、河南伊になるだろう。先の戦功等合わせれば、総大将は行かずとも副将、或いは参謀格に入ると、そして河内は私が治める領地、兵站統括や行軍ルートの指定も私の仕事だろうな。そこで匂わすんだろう、連合盟主と主だった諸侯の首を取って来れば重用すると。成る程素晴らしいな、実にスマートで戦略上は何ら痛くもないだろう」

 

 我々の守りは堅い、貴様らに勝利はない。しかし君の政策能力素晴らしい、是非とも我々の力になってほしいと。つまりはそういうことだろう。

 

「成る程気に入らん。要はすべての不満を私に着せるつもりだろう。残念だがね、私は一生君らの手の中で過ごすつもりはないよ。要は飼い殺しだろう、それでは私の生きた意味がない」

 

 目的は漢王朝の存続、或いは禅譲かそれらは分からない。されど帝政を続ける限り王匡は応とは言わないだろう。

 

「この国は広く、大きく、雄大であり、強い。貧民であろうともなり上がれる余力があるというのになぜそのような身分制度が必要と言うのか理解に窮するよ」

 

 王匡公節には夢がある。それはこの大陸を偉大なる国家にすること。そのために彼はいかなるものも犠牲にするだろう。意志がある覚悟も決まっている。何よりそれを成し遂げたいという想いがある。

 

「戦略も精強な軍もある成る程確かに素晴らしい。だが君らに欠けているモノがある。それは1000年先を見据えたプランが足りない。その手その手の状況で手を変えるのは有効だし否定しない。私だってするだろう。だがそんな国じゃあ長くても400年が精々だ。それは私の望むところじゃあないんだよ」

 

 故に、徹底的に潰すしかあるまい。兵力、技術力ともに数世紀は先を行く強大なる敵だとしても、立ち向かわなければならないのだから。

 

「空雅に要相談だな。火砲という特性上、連射は難しかろうし穴はある。騎馬も補給路の確保に努めるのがいいだろう。兵士のトラウマ軽減も必要か、出来るだけ対策を打っておかねばな」

 

 時間がない、時間をかければかけるほど不利になるのはこちらだろう。現在は火砲で終わっているが、鉄砲を作られたらそれこそ目も当てられない状況になるのはわかりきっている。敵の生産体制もどのようになっているかもわからない現状、早く終わらせない限り泥沼の戦いになるのは必定であった。

 

「強いぞこいつは。中々の謀略家だ。現代日本にもこういった男が必要なのにな。私が言うんだ、間違いないだろう。これは本気で潰さなければ手を噛まれそうだ」

 

 薄暗い笑みを浮かべながら王匡は河南伊の収支報告書に目を通すのだった。来たるべき戦争に向けて、王匡は最善の手を模索するために。

 

 

 

 

 

 

 

 

「血と焦げ付いた肉の臭い。うーん、懐かしいねぇ」

 

 荒れ果てた戦場を一人の男と女が闊歩する。

 

「大河」

 

「いいじゃないか、感傷に浸ってるんだよ」

 

 ぼうぼうに伸びた無精髭、短めのボサボサの髪ながら、その瞳は鋭く冷酷であり。そして何処となく人形の様な奇妙な魅力をもった男性。

 もう一人は小柄ながらも理知的な雰囲気を持ち、髪を両側で結った黒髪の少女であった。

 

「ならその笑みをどうにかしろ。我が軍の品性に関わる。それに、お前は紛いなりにも黒備副大将であって」

 

「わかったわかった、そう何度も言うな。わかっているよ」

 

 少女は男のすることを咎めるが男は何のそのという態度であり、やがて男は笑みを浮かべながら、懐から包みを取り出す。

 

「大河、またそんなものを・・・・・・。体に悪いぞ」

 

「だから吸ってんだろ。俺は太く短く生きるつもりだよ椿」

 

「あんたって人は・・・・・・」

 

 椿と呼ばれた少女は頭が痛いかのように額に手をつけ、男はそんな彼女の様子を見て軽く微笑む。

 そっと男は少女より風下に立つと、未だ炎が燻っている軍旗を火種に煙草に火を付け紫煙を散らす。

 

「俺は、お前より早く死にたい。置いていかれるのは嫌だからな」

 

「本当、そこだけは変わらないな。大河は」

 

「寂しがり屋なんだよ、俺は。一人ぼっちは寂しいからな」

 

 いつもそうだ。この男はどこまでも悲観的で、冷徹で、そして心を許した者に対してはどこまでも優しい男だ。それでいながらここではないどこかを見ている。どこか遠くに行ってしまいそうな、そんな雰囲気を匂わせる。それが椿にとって口では言えないが辛いところだった。

 

「私がいるぞ」

 

「・・・・・・そうだな、俺がいて、お前がいて。二人ならどんなことでもやっていける。だからな、椿。いや、法正考直は俺の参謀だ。俺だけのもんだ、誰にも渡しゃしねぇよ」

 

「そ、そうか・・・・・・」

 

 頬を赤らめる自分の参謀を見つめ、大河―――孟達子敬は黒煙の巻き上がる戦場を見つめる。

 これから多くの人間が死ぬだろう。現代兵器と言うものは強力であり、それ以上に人を殺す兵器だ。

 

「どうだ、馬騰。これがあんたが作った戦場で、その結果だ。まあ、聞こえちゃいないだろうがね」

 

 突如として侵攻を開始した涼州の馬騰らの軍勢は鎧袖一触にて破られた。

 精強な騎兵であっても火砲による破壊と轟音の中では塵に等しく、機動力を失った騎馬を屠るのはあまりにも容易かった。

 

「それにしても、とんでもない兵器だよこれは。まさしく戦争の概念が変わってしまう・・・・・・」

 

「だろうな、これのおかげで大陸は血の海に沈むだろうな」

 

 人間を容易に吹き飛ばし、その威力と轟音で敵の士気を一気に半壊させる董卓軍の最大の切り札『火砲』。

 董卓軍四天王筆頭李傕が生み出した黒色火薬とその李傕が重用するとある風来坊であり今では董卓軍の兵器開発をひとえに担っている馬鈞によって開発されたまさしく天の稲妻と言わんばかりのそれは精強と呼ばれた涼州の軍閥を半壊させるものだった。

 

「馬家の坊ちゃんは単細胞だからな、城攻めは苦手なんだ。それに加え混乱したところにこっちのお得意の騎馬軍による突撃を受けりゃそりゃこうなるさ」

 

「なにを言ってるんだ大河、馬家には娘しかいないぞ?」

 

「・・・・・・そうだな、俺の記憶違いだった」

 

 どうにも慣れないこの思い。かつては戦場、漢中で争い、最終的に轡を並べて戦うことになった錦馬超が今は女。しかもそいつの親族と軍をぶち殺したのが曹操ではなく自分とくれば歴史の剥離ここに極めりと言ったものだろう。

 

「副将!」

 

 大きな声を耳にし、思案に耽っていた思考を切り離し振り向けば、そこには目を輝かせた黒備の兵がいる。

 孟達は同じく笑みを浮かべると、将兵たちは喜悦を浮かべる。

 

「分かっている、ここからは我々の報奨だ。近隣の村を略奪しろ、金目の物を手に入れるのも、女を犯すのも自由だ。男どもを殺して木に吊るせ、村々を焼き払え。思うが儘に破壊し、思うが儘に奪え。ただし酒だけはこちらで管理する。なにいつも通りだ。さあ、楽しもうじゃあないか・・・・・・!」

 

 沸き起こる歓声を背に、孟達と法正は陣中へ入り、西部での戦争結果を受けるのだった。




董卓軍の技術は千年先を行く!
李傕「私の設計思想と」←理系最高峰の転生者
馬鈞「私の発想力のおかげです」←三国志最高峰の発明家

李典程度であの発明ができるなら本職ならどれほどか、僕たちはまだ知らない
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