真・恋姫†無双 王匡伝 三国志ガチ勢の軌跡   作:ニーガタの英霊

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大分マイルドな表現しているのでそれほど残酷じゃないですけどきつい人はきついとも思います。
調べてみると恋姫で凌遅刑をきちんと取り上げて描写している作品って見たことないですね。えっ? もっと生々しく描いてほしい? ごめん無理☆!


【閲覧注意】絶対に検索してはいけません

「では、刑の執行を開始します」

 

 都、洛陽の中央にて今まさに刑を執行される女性がいた。

 彼女の名は李儒。皇帝劉弁暗殺の実行犯であり、長きの拷問によって生傷が絶えない状況にありながら肉体的には健康そのものであった。

 多くの劉弁派と呼ばれた先代皇帝の派閥の者は牢に繋がれ、穏健派の官人は既に都の粛清によって落ち延びた金旋と劉備以外は死に絶えた。そのような状況であるからこそ、その刑は執行された。

 

 刑の見届け人は李傕、そして執行人は巷で名医を呼ばれる吉本の盟友とされた張機であった。

 白衣を身に包み、張機は李儒に向かう。神妙たる面持ちの中、これから自分は人を殺すのだとその事実を衆目に晒されるのだ。

 並べられた百枚以上の剃刀、近くには血止めの焚火がこれから行われる刑の重さを物語る。

 

「麻沸散用意」

 

 その言葉と共に麻酔を呼器から吸収させ、緻密な濃度と組み合わせの下、意識を刈り取りきらない程度に麻酔を施していく。

 これから行うのはおぞましいほどの悪魔の所業。最大限の痛みと苦痛を与えるべく下された張機への命令、そして使命。

 

「・・・・・・」

 

 張機は見つめる、この状況を作り出した主を、その悪魔の取引相手たる魔王の姿をその瞳に留める。

 悪魔は薄い笑みを浮かべ、まるで余興のようにこの状況を楽しむかのように刑の執行を見届ける。

 

 周囲の民衆からの怒号と狂気。まるで祭りの見世物を見られるような状況。誰も彼もが狂っていた。

 

 頭巾を外し、髪全体を白い布で包み、口元も白い布で覆い、腕の裾を捲り、受刑者たる盟友の妻に向かい合う。

 顔見知りの、知った人間を、今まさしくこの手で命を刈り取る。

 

「(風鎮、お前は人の命は平等と言ったな)」

 

 思い出すは、かつての日々。洛陽郊外にいるという名医が気になり、たまたま訪れたあの日こそ、張機仲景にとっての運命の変換点だ。

 風水や占いに頼らず、科学的な根拠を元に医術を極め人体の構成や薬草の効能に対し対話し合った日々。それによって完成した漢方学による栄養問題と疫病対策として完成させた『傷寒雑病論』を元に外科治療の吉本と双璧を為す内科治療によってその名を知らしめることとなったのだ。

 

「(お前は優秀だ。誰よりも、何よりも、お前は人を救うことが出来る人間だ。だから、私はお前を選んだ)」

 

 皇帝暗殺を成し遂げたのなら普通なら三族、最悪九族と処刑されても仕方がないことだ。李儒の血縁はない天涯孤独の身、ならば李儒にもっとも近い者として殺されるのは吉本とその子供を於いてほかになかった。

 

 名医吉本の死はそれだけで天下の損失。それがわかるからこそ、張機は誰よりも吉本を救うために動いたのだ。

 

「(―――そうだ! 私にはこの女よりお前の命が重い。たとえお前に嫌われようと、お前を救うために私はこの咎を背負おう)」

 

 虚ろな瞳は感情を見せず張機を見つめる。右手に持つ剃刀が妙に重い。やりたくない、こんなことやりたくない。そんな風に叫びたくて、逃げ出したくて、それでも助けたいから、救いたいならやるしかないんだと、鼓舞する。

 

「・・・・・・左乳房の切除にかかる」

 

 剃刀の刃は、受刑者の左乳房の切除を開始。

 

「止血開始」

 

 切除の後、焚火に突っ込まれていた鉄棒を取り出し、止血を開始する。切除した左乳房は木の机に置き、張機は次々と刑を執行する。

 

「・・・・・・切除、止血。切除、止血。切除、止血・・・・・・」

 

 何度も何度も人体を切り刻む狂気の死刑。全世界でも残酷な処刑法として知られる凌遅三千刃。それを生きたまま切り刻む人材として張機は選ばれた。まさしく、名医だからこそ出来る確かな腕と集中力を発揮する至難の業。

 その精神的苦痛は受刑者だけでなく、刑の執行人にも多大な負担がかかる。

 

 ―――あれは嘘だったのか。吉本の妻として見せたあの態度は、あの笑みは、あの美しき日々は、一体何だったというんだ。

 

 懐かしき、美しい日々はとうに消え失せた。知り合いを、それも好ましいと思っていた人間を切り刻むという行為。それは張機の何かを、確実に奪わせていた。

 刑は三日に渡って行われ、三日後の最後に肉体のあらゆるところから皮膚を切除された李儒はそのまま腰斬刑に処され、その骸は晒され、その肉は都の民に振舞われたという。




張機「吉本助けてください、彼を殺すのは天下の損失です! 署名もあるんですよ!」
李傕「李儒を処刑できたらいいよ、生きたまま、凌遅刑で、三千回切り刻んでな。それで死ななかったら腰斬で確実に始末しろ」
ま さ に 鬼 畜
なお張機さんは三国志というか中国を代表する偉人で関羽や張飛以上に後世における医学的評価の高い人です。
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