真・恋姫†無双 王匡伝 三国志ガチ勢の軌跡   作:ニーガタの英霊

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李斯「董卓軍のやり方は甘い、ソースは俺」

 李儒。凌遅三千刃の後、生存確認を行われ麻酔が切れた所を見計らい、腰斬と相成る。李儒の二人の子は連座でありながら皇帝弑逆の罪のため、市中でなく刑場にて腰斬となり、骸は母共々晒された。

 

 ただひとり吉本のみ多数の嘆願の届けと皇帝弑逆に関与せず。また配偶者であるため、死罪を免れた。

 

「はぁー、胸糞」

 

 喧々錚々の都。騒ぎは祭りのように騒ぎ、悪意が蔓延するかのように人々は騒ぎだしていた。

 

「こうやって、叩くときは徹底的に叩くのはウチの民族の性かねぇ」

 

 周囲の悪意はすべて李儒に向けられ、その骸には唾を吐かれ、石を投げられる。それは李儒と共に晒された幼子も同じだった。

 

「やっぱり、不満はたまっているということか、こうしてはけ口を作らなきゃ明日は我が身かもしれん」

 

 都の封鎖、皇帝の暗殺。民衆には我慢を強いてきたのか、その凶暴性は李儒という悪人に向けられているが、最悪の場合、その悪意を一身に受けるのは董卓軍の可能性もあり得る。

 

「こんなところにいたのか、大河」

 

 背後からかけられた声、それは幼馴染で自身の参謀である法正だった。

 

「まぁな、洛陽の民は興奮状態だ。実質、ここで籠城するのはいかんだろう」

 

「確かに、我々は民に負担を強いてきた。だからこそ、敵は二つの関で押しとどめるしかあるまい」

 

 反董卓連合の結成はすでに洛陽を支配した董卓らの知るところにある。今はまさしくその決戦に向けての大掃除を彼らは執り行っていた。

 高台の背後を振り返るとそこは宮中における刑場、そこには多くの元官吏たちが裁きを受けていた。

 

 刑を執り行うのはここでも李傕、および黒備の兵たちの仕事であり、董卓らと歩調を合わせることとなった官吏以外はすべて処罰されることになった。

 そこには劉弁派筆頭と目された袁隗や南陽太守袁術の姉であり、三公の一角である楊彪の妻である袁基をなどの劉弁派の処刑であり、その処刑に対し強硬的に反対したものはすべからく拘留された。

 

「まったくもって気分が悪い。恨みっていうもんは買いたくないものだ」

 

「現状における李将軍や黒備に対する反感は目に見えているほどだ。むしろ、進んで汚れ役を買って出ているな」

 

「はぁー、やだやだ。三族皆殺しというわけにはいかないが、それでもこの量は骨が折れる。まあ、酷刑でない分マシだろう。下手すりゃ、精神的な問題も出てくるだろうしな」

 

 現在、劉弁派、そしてすでに粛清された穏健派の官人たちは首を切られ塩漬けにし反董卓連合の士気をくじくために輸送されることになっている。

 

「ま、俺は悪くない! 悪いところは全部李将軍が被ってくれるさ!」

 

 叫ぶ悲鳴に狂騒の民衆に囲まれた魔都の時間は他と同じく回り続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、総大将は袁本初殿ということで、賛成の方は拍手を」

 

 王匡はそういって拍手を始めると数人が後に続き拍手を始める。ほぼ総員の可決にて孟津砦で行われた総大将、並びに指揮系統の決議は行われた。

 

「この私にお任せなさい! 必ずや董卓の首を取ってごらんに入れますわ!」

 

 袁紹の高笑いを一通り聞いた後も決議は次々と決められる。

 

「副将には私と袁南陽太守。参謀には曹兗州刺史でよろしいですな。では侵攻の方を決めましょう」

 

「華麗に雄々しく前進ですわ!」

 

「成る程、攻勢ですな」

 

 そう何も考えないで行っているような言葉を曲解し、潤滑剤のように決議の進行を進める王匡。袁紹は後ろで田豊に窘められている間にも発言は次々と下される。

 

「董卓の治める洛陽へ侵攻するためには、先にある二つの関を落とすべきだわ」

 

「双方とも洛陽とは近からず、遠からずですね」

 

「軍を二つに分けて攻めるか?」

 

 孟津砦から出陣するにあたって邪魔となるのは汜水関と虎牢関の二つ。双方とも洛陽とある程度距離があり虎牢関は洛陽に少しだけ近い距離にある。

 

「どちらか一つを攻めるというのは論外よ。虎牢関を攻めれば汜水関から出撃した敵兵に背後から攻められる」

 

「汜水関を落としたとしても洛陽の前での決戦では懸念になるか」

 

「どちらにせよ、どちらかの軍を足止めするために兵を割かねばならん」

 

 連合のほぼ総意にて軍を二方面に割くこと決められ、次は軍の配備等を決めることとなる。

 

「定石なら虎牢関は戦略的価値が高いことから、守備隊の本隊はこちらだろう」

 

「我々の目標は董卓の専横を打倒すること、となれば片方の関は最悪落とさなくてもいいわ」

 

「軍の割合はどうする?半々か、それとも本隊を多くするか」

 

 議場は盛り上がりを見せ、騒がしくなる。

 

「ええい! みなさん静まりなさい! 作戦は決まってますわ!」

 

 次々と口を開く諸侯に対し一喝すると、袁紹は声を響かせ、周囲の目を自身へ向けさせた。

 

「華琳さん、説明なさい!」

 

「麗羽、貴方困ったときはすぐ私に振るのは少しどうにかしてもらえないかしら」

 

 突然の指名に対しぼやく曹操であったが、曹操はこの連合における参謀であり、この指名はあながち的外れとは言えないものである。

 

「とりあえず、軍の配備として本隊・・・・・・袁総大将が軍を進めるのは汜水関とするわ。軍の編成はこちらが七割といったところかしら」

 

「七割!?」

 

 曹操が放った言葉に眉を顰めたのは揚州牧である劉繇である。

 

「それでは虎牢関は放棄するということか!?」

 

「いいえ、違うわ。私が言おうとしていることは全力を以て汜水関を落とし、兵力のおよそ二割を以て軍を虎牢関に派遣。汜水関が落ちた情報を流させ、投降を迫ります」

 

 片方の関が落ちれば虎牢関は都に近い関である。そうなればすぐさま軍を反転させ都へ援軍を送る。

 敵の防衛目的を考えれば関の放棄は十分に在り得る考えだ。

 

「しかし、先に派遣したおよそ五割の本隊はどうするというのですか?」

 

「敵は決戦を迫ろうとするでしょうね。でもそれは徹底的に避けること。王河南伊、本隊がそのまま関に籠った場合の糧食はどうかしら」

 

「一応半年は持つ。いいや、持たせて見せよう、故に十分に回せるはずだ。ただ、我らだけでは負担は大きい、司隷の経済を破綻させるわけにはいけないからな。韓冀州牧の力を借りたい」

 

「あ、ああ。そのぐらいは、か、構わないさ」

 

 どことなくぎこちない様子ながら韓馥は兵站管理に対し強力を得ることが出来た。

 

「しかし、虎牢関側の負担は大きくはないか?」

 

「構わんだろう。何も戦って関を落とせと言っている訳じゃないんだ。適当に構っているだけでも援軍が見込まれ、半々の確立で落とせる」

 

 劉繇は虎牢関側の懸念を言うが、それは劉表によって派遣された蔡瑁によって排除される。

 

「軍の配備は汜水関側に麗羽、副将はどちらがよろしいかしら」

 

「私は虎牢関でいいだろうか。兵站を管理するのが私の配下だからな、上司の私があちこち動き回るのは良くないだろう」

 

 そう口を述べたのは王匡である。王匡は自軍のほかに、結成して間もなく、兵站管理の出来ない諸侯らの糧食の管理を申し出ていた。

 その恩恵は劉備や劉虞からの支援を受けづらい立場にいる公孫瓚などであった。

 

「美羽様、ここは汜水関で行きましょう。戦功をあげれば袁紹様に代わってあなたが総大将になれるかもしれません」

 

「そうかの七乃! では妾は汜水関にいくのじゃ!」

 

 また、前哨戦において既に董卓軍を追い返した実績の持つ王匡軍とは違い、袁術軍は戦功を欲しており、同族として対抗心もあるのか、汜水関側での参戦を決めた。

 ちなみに、袁術の呼んだ軍師は張勲であり、武官ながら袁術にその人柄を好まれ、こうして戦争の為の幕僚として力を貸していた。

 

「流石に、我が軍だけでは心もとない。共に虎牢関へ行こうという諸侯はおられませんか?」

 

 ほとんど戦う必要がないとはいえ劣勢の軍に行くものが居るかと諸侯は見あわす中、二人の諸侯が手をあげた。

 

「では私が参りましょう」

 

「漢の一族としての意地、董卓にとくと見せてやろう」

 

 一人は才媛として名高く、総大将袁紹、袁術の従姉にあたる、袁平の娘にして太学を首席で卒業した太学の冠である袁遺。もうひとりは揚州を治める州牧にして黄巾の乱において姉である劉岱をなくしながらも、揚州を治め、善政を敷く二龍の最後の片割れである劉繇であった。

 

「袁太守に劉州牧の力を借りれるならばこれほど心強いことはない。ご助力感謝いたします」

 

 劉繇、王匡、袁遺。総勢四万近くの兵を以て虎牢関へと攻め入る。

 王匡が返事のように笑みを浮かべると、袁遺、そして劉繇の軍師として議場に参加していた笮融が返答とばかりに笑みを返した。

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